【お客さまインタビュー】
「みんなのカーボン・オフセット」が
ビジネス移動にもたらす新たな価値
日本初となる「出張管理(トラベルマネジメント)」「出張費」 に特化した法人向け 総合出張管理専門のコンサルティング会社、株式会社トップレップ(以下「トップレップ」)さま。公平公正な視点に立ち、企業の現状や文化に合わせた管理レベルの高い出張管理体制を構築することで、クライアント企業の目標達成に貢献し続ける同社では、昨年、企業価値を測る指標として重視するESG(Environment=環境 / Social=社会 / Governance=ガバナンス)を実現する手段のひとつとしてTOPPANの「みんなのカーボン・オフセット」を導入、今春には販売店契約を締結しました。販売店機能とは、企業・団体・金融機関などが販売店となり、グループ企業や取引先、投融資先をユーザーとしてサービス提供ができるというものです。
カーボン・オフセット※1が同社の「出張管理」にどのような役割を果たすことができるのか、そして販売店として描き始めた旅行業界全体の未来図について、トップレップの西ヶ花さんと日詰さんにお話を伺いました。
※1 自社で目標とするCO₂排出量のうち、自己努力で削減できない分を、別の場所での削減・ 吸収活動によって埋め合わせる仕組み
| 株式会社トップレップ(TOPPANグループ) 事業概要:出張費コンサルティングの提供、企業向け出張管理業務代行、旅行代理店業務支援 みんなのカーボン・オフセット導入時期:2025年6月 |
みんなのカーボン・オフセットとは
「みんなのカーボン・オフセット」は、TOPPANとウェイストボックスが共同開発した、カーボン・オフセット支援サービスです。カーボン・オフセットに必要な手続きをオンライン上でワンストップで提供し、企業の脱炭素化への取り組みをサポートします。従来の枠組みではできなかったキログラム単位でのカーボン・オフセットが可能な点が特徴です。
企業や金融機関から取引先・投融資先へオフセット枠を提供できる機能によりサプライチェーン全体の脱炭素化の支援も可能です。
「出張」の課題に解決策を提示
ーはじめに、「出張管理」「トラベルマネジメント」といった言葉がまだ耳に馴染みのない方も多いと思います。貴社がどのようなお仕事をされている会社なのか、教えていただけますでしょうか。
西ヶ花さん:個人の観光旅行やレジャーと、企業の命令で行われる出張は、その性質が根本的に異なります。出張はあくまで会社のお金を使って行われる事業活動の一環です。そのため、明確なガバナンスの下で出張管理が必要になります。また、出張管理について企業が取り組むべきポイントは時代によって絶えず変化しています。今のような物価高の時期であれば旅費コストの削減も重要になりますし、他にもシステムによる出張手配の効率化や、コロナ禍以降あらためて重視されるようになった出張の「安心安全」の担保など、様々な課題があります。弊社はそうした課題を抱えた企業に対して、システム導入の支援、あるいは出張管理業務のアドバイザリー業務やBPOを提供しています。企業の出張にまつわる課題に対して解決策を提示していくのが出張管理・BTM(ビジネストラベルマネジメント)です。
ークライアントはどのような企業が多いのでしょうか、また窓口となるのはどういった部署になるのですか?
西ヶ花さん:製造業のお客様が多いですが、経営コンサルティング企業や監査法人など非常に出張が多い業界の企業、また外資系企業とのお付き合いも増えています。窓口となる部署で一番多いのはやはり社員の出張を管轄している総務・人事ですが、最近はコストや旅費を管轄する財務・経理も増えています。あとはどの旅行会社や航空会社を選ぶべきかという調達業務に関わる調達・購買、主にこの3つの部署が窓口になります。
ーコストや効率化に加えて、貴社が提唱する「ESGと出張」という観点からの相談も増えているのでしょうか?
西ヶ花さん:ESGの「E(Environment=環境)」に関して言えば、徐々に増えていますが、日本企業、とりわけ製造業の多くは今、自社で直接排出する「スコープ1」、電力使用量などエネルギーに関連する「スコープ2」の対応に注力しています。出張に伴う排出は事業活動の間接排出に該当する「スコープ3」に分類されますが、出張だけだと企業全体の排出量から見れば割合が小さいため、どうしても優先順位が低くなりがちです。
ー製造現場の脱炭素化に比べ、出張による削減効果は見えにくい、ということですね。
西ヶ花さん:出張の脱炭素化については、取り組みに余地のある企業がまだ多いのが現状です。しかし、カーボンニュートラルを目指す企業ほど出張も無視できない要素であることに気づいています。欧米では出張管理にESGの視点を取り入れるのが当たり前になりつつありますし、使用する交通機関やホテルの選定など、具体的な取り組みも進んでいます。日本でも多くの企業でカーボンニュートラルへの意識自体は着実に広まっていますので、その意識に我々が持っている出張管理に対する知見を掛け合わせて、それぞれの企業独自のESGと出張を考え、「最適な出張の基準」を一緒に作っていきたいと考えています。
出張の脱炭素化がより取り組みやすくなる
ー貴社が昨年導入した「みんなのカーボン・オフセット」はESGの「E(Environment=環境)」に貢献するのですね?
日詰さん:はい。弊社では2020年頃から、出張におけるカーボン・オフセットの必要性を強く認識していました。ただ、先ほどの話にもありましたように、出張は小さな排出量の積み重ねです。取り組みに予算を割けない企業・部署もありますので、コスト観点からも少量から個別のオフセットができる仕組みが欲しいなと思っていたところ、提携していたウェイストボックス社※2が、弊社グループのTOPPANと新たに「みんなのカーボン・オフセット」を共同開発すると知り、私たちが考えていたことと合致すると思いました。
※2 TOPPANと共に「みんなのカーボン・オフセット」を開発した、CO₂などの環境負荷把握、環境情報開示のエキスパート企業
西ヶ花さん:トン単位でないとオフセットできない旧来の仕組みでは、誰かがオフセットクレジットの在庫を抱え、それを切り崩していくような形になりますが、「みんなのカーボン・オフセット」なら、全社員の出張を一括りにオフセットするのが難しい企業に対しても、例えば特定のプロジェクトに関する出張のみオフセットするなど、個別に対応できます。そのため、全社取り組みの前にまずはパイロットケースとして、特定の部署やプロジェクト、個々の出張から「(排出量を)ゼロで帰ってきませんか」という小回りの利く提案ができるようになるのが大きな強みだと感じています。我々のサービス商材において活用するのはもちろん、グループ会社のTOPPANトラベルサービスがおこなう個々の出張手配とも連携し、細かなオフセット対応が可能になると思っています。
日詰さん:実際に「みんなのカーボン・オフセット」を使用してみて、クレジットの種類が豊富で選択肢が広く、WEB操作も非常に簡単で使いやすいと実感しています。疑問があった時も、お問い合わせフォームから質問したところ丁寧な回答をいただけました。そしてWEBから簡単にオフセット証書をPDFで発行できるのもいいですね。お客様企業の宛名にできるため、お客様は「自分たちの出張が確かにカーボン・オフセットされた」という事実を、社内外に対して目に見える形で示すことができますし、まだカーボン・オフセットについて詳しくない企業のご担当者様に「こういう形で成果が残るんです」とサービス内容を可視化できます。
変化する「出張のあり方」
ー出張の市場環境については、コロナ禍前と比較していかがでしょうか
西ヶ花さん:出張数はオンライン会議の普及もあり、コロナ禍前と比較すると7割ぐらいになっています。ただ、直接面会することで得られる出張の成果を再認識する機会も多く、今企業は出張に対して概ねポジティブだと感じています。しかし、昨今の物価高騰もあって、出張数は7割なのに金額ではコロナ禍前を上回っているような状態も見受けるので、コスト面は注視が必要な要素になっています。
ー出張のあり方も変わってきそうですね。
西ヶ花さん:前向きな変化も感じています。我々もそうですが、出張を「ウェルビーイング※3」の観点から捉える企業が増えていると思います。単に安く行くことだけを目的とせず、長距離移動であれば適切なクラスの座席を利用して社員の疲労を軽減したり、深夜便を避けたりすることで現地でのパフォーマンスを最大化させる。こうした「社員を大切にする出張」の中に、カーボン・オフセットをはじめ、エコ認証を得たホテルの利用など環境への配慮も組み込まれていく。そうした考えが、企業が目指すべきこれからの出張のスタンダードになると考えています。排出管理の面で言えば、これまでは出張による排出量を「知る」部分が多かったのですが「みんなのカーボン・オフセット」を導入したことで、実際に「減らして・オフセットする」というフェーズでも価値を提供できるようになると思っています。
※3 Well-being 身体的、精神的、社会的に良好で満たされた持続的な幸福な状態。
ー今春から販売店としてご契約いただきましたが、なぜ販売店になろうと思われたのか、また今後の展開について教えていただけますでしょうか?
日詰さん:我々はこれまで、旅行会社様にもアドバイザリーやコンサルティングを行ってきました。加えて「その先のお客様(旅行会社を利用している企業や個人)」に対して、どのような付加価値を提供していくべきか、というコンサルティングも担当させていただいていますので、そこにもカーボン・オフセットを取り入れていきたい、という思いがあり、販売店契約をさせていただきました。我々TOPPANグループにもTOPPANトラベルサービスという旅行会社機能を持っていますが、日本には多くのインハウス旅行会社が存在します。こうしたインハウス企業が、親会社やグループの環境戦略に寄与していく流れを広めていきたいです。
西ヶ花さん:企業は出張の脱炭素だけを考えているわけではなく、様々な企業活動全体の中でいかにESGを推進するかに苦心されています。そうした時に「出張(の脱炭素)はこのサービス、プロジェクトは別のサービス、日常業務はまた別」と分断されているのはよいソリューションとは言えません。
「みんなのカーボン・オフセット」を提案するのは出張管理が入り口になったとしても、その他事業活動を全方位に、かつ細かくオフセットできるのがこのシステムです。我々が販売店となり、この汎用性の高い仕組みを提案することで、お客様の脱炭素アクションを一気通貫でサポートできるようになります。さらに、私たちのお客様には消費者向け物販をしている企業もあるので、例えば商品パッケージに「責任ある企業」の証として「みんなのカーボン・オフセット」のロゴが付くようなシナジーのある世界…といった未来も思い描いています。
今回のインタビューを通じて、出張管理(BTM)が持つ社会的意義の大きさを再確認しました。出張は、企業にとって単なる「コスト」や「移動」の枠を超え、ガバナンス、社員のウェルビーイング、そして環境への姿勢をも可視化する、メッセージ性の強い事業活動となっています。
「みんなのカーボン・オフセット」が、日本のビジネス移動をより持続可能なものへとアップデートするソリューションとして貢献することを期待しています。
※所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※記載された製品名などは、各社の登録商標あるいは商標です。
2026.05.14