【お客さまインタビュー】
長期間を要した規程集システム更改プロジェクト。カスタマイズされた「DocLAN®」が可能にした「変わらない使い勝手」
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(以下FFG)様は、九州全域にネットワークを構築する広域展開型の地域金融グループです。
九州を地盤にそれぞれ長い歴史をもつ福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行の4つの地方銀行を中心に、証券会社、カード会社、コンサルティング会社など幅広い機能を有するグループ体制を展開し、2007年のグループ発足以来、地域経済の活性化と発展に貢献してきました。
大規模金融グループにおいて、規程類や各種ひな形などの書類ファイルは膨大な数になります。2002年から使用してきた規程集管理システムは老朽化が目立ち始め、近くメンテナンスの期限も切れることからリプレイスが必要になりましたが、その作業は一筋縄ではいかなかったそうです。
最終的にTOPPANエッジの規程集公開管理システム「DocLAN®/ドックラン」を選定し運用開始にいたるまでに、どのようないきさつやご苦労があったのか、今回のプロジェクトに関わってきた事務統括部の長谷川 公代さん、衛藤 耕平さん、財前 幸枝さん、IT統括部の岩坂 京子さんにお話をうかがいました。
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ ・従業員数:7,995人 ・事業内容:銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理およびこれに付帯関連する業務。その他、銀行法により銀行持株会社が行うことができる業務。 ・DocLAN®導入時期:2023年12月 |
規程集公開管理システム「DocLAN®」とは
「DocLAN®」は、さまざまな業界業種で活用できる規程集公開・管理システムです。
規程集や事務取扱要領、マニュアル、ISO文書などを管理でき、Word(※1)で作成されたデータをHTML(※2)に自動変換して指定した日付に閲覧サイトへ公開する機能を搭載しています。
同義語・あいまい検索など多彩な検索機能を備えており、目的の文書をスムーズに閲覧することが可能な規程管理システムです。
※1・2 FFG様ではデータ作成をPowerPointで、閲覧はPDFで行えるようDocLAN®をカスタマイズしています。
1年半を要したシステム選定
ー後継システムの選定には時間がかかったとうかがっています。どのような課題があったのでしょうか?
衛藤さん:金融機関では、各種規程や帳票様式などの書類はWordで作成するのが一般的だと思いますが、FFGでは以前からPowerPointを使うことが多く、規程文書の半分以上がPowerPointで作成されています。
今回のシステム更改において、いろいろなパッケージシステムを検討したのですが、パッケージはWordの使用を前提にした仕組みになっているものがほとんどでした。そうしたパッケージを導入する場合、すべてのPowerPointをWordに置き換えるという作業が必要になってしまいますので膨大な手間とコストがかかる上に、更改以降の書類作成業務にも影響を与えてしまいます。
長谷川さん:規程集管理システムはグループ内各銀行の本部、営業店の全員が日常的に使用するものですから、その更改には慎重な判断が求められました。2021年にTOPPANエッジさんを含む各社に提案を依頼してからDocLAN®の導入を決めるまでには1年半の時間を要しました。
PowerPointファイルでの掲載が可能になったことがDocLAN®導入の決め手に
ー最終的にDocLAN®を導入することになった理由をお聞かせいただけますか?
衛藤さん:DocLAN®導入の決め手となったのは、最初の提案依頼から1年後に、TOPPANエッジさんからDocLAN®をFFG仕様にカスタマイズすることでPowerPointファイルの掲載を可能にできる、という新たな提案をいただいたことでした。最大の懸案事項に解決の目処がたちましたので、そこからシステム構成やクラウド化などについて詳細を詰め、2022年12月、DocLAN®導入を正式に決定、翌2023年1月に更改作業がキックオフされました。
数万ファイルをDocLAN®に登録
ーDocLAN®へのデータ移行で苦労されたことはありますか? またその際にTOPPANエッジからはどのようなサポートを受けられましたか?
衛藤さん:今回の更改では福岡銀行で約16,000、熊本銀行、十八親和銀行もあわせると数万のファイルをDocLAN®に登録しましたが、旧システムからのデータ吸い上げの際に目次順にファイル出力ができない、フォントが変形することで文書がずれるなど苦労した点もありましたが、TOPPANエッジさんにはその都度、問題解決のための説明や参考データの提供など寄り添ったサポートをいただいたほか、公開前のFFG本部での移行作業でも操作マニュアルを提供していただくなど、開発元ならではの協力体制で稼働まで伴走してくれました。
行員への説明にはPIP-Maker®を使用
ー苦労の末に移行が完了したのですね。行員の皆さまへの操作方法の説明はどのように行ったのですか?
財前さん:2023年12月に福岡銀行で、2024年3月には熊本銀行、十八親和銀行でDocLAN®の稼働を開始することができました。行員への操作方法の説明にはTOPPANエッジさんよりビジネス動画セルフサービス「PIP-Maker®」をご紹介いただき、使用しました。PIP-Maker®は使い慣れたPowerPointから簡単にマニュアル動画を作成できるツールで、アバターによる解説がわかりやすいと好評です。
旧システムと使い勝手を変えない移行が実現
ー新しくなったシステムの使い心地はいかがでしょうか、行員さんたちは戸惑い無く使っていますか?また今回の更改を通して、なにか新たな気づきはありましたか?
岩坂さん:システム選定から稼働開始までは苦労もありましたが、最終的に従来と使い勝手が大きく変わらない規程集システムを構築することができました。
福岡銀行単体でも規程の改訂・更新は毎日のように発生していますが、営業店からは操作方法についての問い合わせは特にありませんでした。
また今回の更改は、規程コンテンツそのものを見直す機会にもなりました。コンテンツの統廃合と最新化に取り組み、約3割のコンテンツ削減を実現しました。
ーありがとうございました。最後に、今後DocLAN®に期待することがあればぜひお聞かせください。
財前さん:FFGでは今、生成AIの活用による業務効率化に取り組んでいますが、将来的にDocLAN®とAIを連携させることによる自動的なデータ更新や、チャットボットのような形で検索の精度を上げる、といったことができれば活用の幅も広がるのではと期待しています。
「あなたのいちばんに。」をブランドスローガンに掲げ、すべてのステークホルダーに対し価値創造を提供し続けるFFG様。地域金融機関としては国内最大規模を誇るグループゆえに、システムの更改には熟慮が必要だったことがお話から伝わってきました。
規程管理システムに早くから取り組み、多くの導入実績を重ねてきたTOPPANエッジとしても、今回の事例は提案・開発の底力を試される事例となりました。FFG様と二人三脚で運用開始にこぎつけたDocLAN®が、FFG様の更なる発展の一助となれば幸いです。
※所属・役職、本事例の内容は執筆当時のものです。
※PIP-Maker®は、株式会社4COLORSの登録商標で、撮影と録音不要の音声付き動画作成クラウドサービスです。
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2024.09.06