早期化が求められる月次決算!早期化がもたらすメリットとその実現方法とは?
月ごとの経営状況や財務状況をタイムリーに把握できれば、経営の迅速な意思決定が可能になります。この迅速な経営判断を行うことを目的に多くの企業が月次決算を導入しています。加えて現在、月次決算の更なる早期化が求められる傾向にあります。月次決算の早期化はどのような理由で求められているのでしょうか?また、早期化する方法はあるのでしょうか?
今回は月次決算の概要から早期化するメリット、早期化を実現する方法などについて解説します。
月次決算とは?
月次決算とは、通常半期ごとや年度ごとに行う決算業務を1カ月単位で行うことをいいます。
事業年度ごとに行われる決算は「本決算」と呼ばれ、これは一般の企業であればどこでも行っているものです。決算には他にも、会計期間開始後6カ月を経過した時点で行う「中間決算」や、3カ月ごとに決算を行う「四半期決算」があります。上場企業は四半期ごとに業績を開示することが義務付けられているので四半期決算を行っていることがほとんどですが、非上場企業であれば本来、本決算だけ行っていれば法令上の問題はありません。
なぜ、月次決算を行っているのでしょうか?
月次決算を行う理由
月次決算を行う主な理由のひとつは、「毎月の商品やサービスの売上高や自社の経営状況、財務状況を迅速に把握したい」というものです。
月次決算を行うことにより、毎月の財務状況を検討し早期に経営戦略を見直すことが可能になります。通常どの企業でも行う本決算では、法令にのっとり、財務三表と呼ばれる貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の作成が必要になりますが、月次決算は企業が任意で行う決算なので「経営にとって役立つ資料」のみを作成すればよく、効率的に経営状況を把握することができるのです。市場やビジネス環境の変化に対して素早い判断と方向転換が求められる現在の経営では、四半期や半期、年度の決算では間に合わない、というわけです。
また、月次決算を行う理由には、「年度末の決算業務を軽減する」こと、「決算情報の誤りを早期に修正する」ことなどもあります。企業の中には、毎日決算を行う「日次決算」や週ごとに決算を行う「週次決算」を実施している企業もありますが、日次や週次ではかえって全体が分かりにくくなる、もしくは決算業務の負担が重すぎるということで、採用する企業はまだまだ少ない状況です。とはいえ、3カ月ごとの四半期決算では経営判断が遅くなってしまう可能性があるということで、負荷と効果のバランスが優れている月次決算を採用する企業が増えているのです。ただし近年では、この月次決算をさらに早期化したいという声も多く聞かれるようになっています。
月次決算の早期化にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
月次決算早期化のメリット
月次決算の早期化には、以下のようなメリットがあるといわれています。
経営(財務)状況の早期把握が可能になる:
本決算や四半期決算に比べて月次決算は早期に経営状況を把握できますが、ビジネスの内容によってはさらに早い経営判断が求められる場合もあります。
日次決算や週次決算ほどバックオフィスに負荷はかけられないが、通常の月次決算より早く経営状況を把握したいというニーズはあるのです。
業務上のミスや財務の誤り、不正などを早期発見・修正できる:
業務上のミスや財務の誤り、不正などは、早期発見するに越したことはありません。このような内容の問題では、時間が経てば経つほど傷口が広がる傾向にあり、影響する範囲が広ければ広いほど修正が難しくなるものです。経営陣の本音としては、「バックオフィスに過度な負荷をかけるのは避けたいが、そうはいってもなるべく早く知りたい」といったところでしょう。月次決算の早期化は、ミスや誤りが引き起こす経営上の悪影響を削減するために効果を発揮します。
金融機関からの融資を受けやすくなる:
経営を円滑に進めるために、そして必要な投資を適時行うためには、金融機関からの融資が必須となります。
日次決算や週次決算では経営の全体像を見るのは困難な場合がありますが、月次決算であれば経営状況を表す資料を作成し、金融機関に報告することができます。つまり月次決算の早期化には、直近の経営状況を迅速に金融機関に開示できるメリットがあるのです。
月次決算が遅れた場合のデメリット
逆に、月次決算を実施していながら決算が遅れると、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。
経営方針の判断や事業の修正が遅れる:
これは至極当然のことですが、本来提示されるはずの資料が経営陣に示されないので、経営判断や事業の修正が遅れてしまうことになります。
月次決算を採用するということは、スピーディーな判断が必要な事業を行っているということでもあり、決算の遅れが致命的な判断ミスにつながることも考えられます。このようなことを防ぐ意味から、月次決算の早期化が求められている側面もあります。
適切な時期・額の投資が行えなくなる:
経営状況と財務状況の把握が遅れると、適切な時期に適切な額の投資を行えなくなる可能性があります。
金融機関に短期借入などの融資を申し込む場合でも、直近の経営状況と財務状況は必ず報告せねばなりません。また、本決算はもちろんのこと、月次決算であっても、決算の遅れは金融機関に企業体質への疑念を抱かせてしまう要因になりかねません。
業務上のミスや不正の発見が遅れる:
月次決算が遅れれば、業務上のミスや不正の発見が遅れる可能性があります。
先述のように、このような問題は時間が経てば経つほど影響する範囲が広がり、修正が難しくなります。月次決算の遅れは、経営の危機や企業価値を下げる事態を招く可能性もあるのです。
月次決算を早期化させるには
では、実際に月次決算を早期化させるには、どのような策を打てば良いのでしょうか
決算を迅速に進めるためには経理業務の効率化が必須であり、それには以下のような方法があります。
業務フローの見直し:
月次決算を行うための業務フローを見直し、無駄な工程の削減や手順の最適化を行います。
例えば、本決算を行うためのフローをそのまま月次決算に当てはめている場合、財務三表も作成しているかもしれませんが、月次決算では必要ありません。無用な財務諸表作成のための工程を見直し、決算の業務フローをシンプルに整えましょう。
社内ルールの見直し・徹底:
月次決算の集計に必要なデータは、期日までに各部署からバックオフィスに集めておく必要があります。
月次決算早期化のためには、締め日の早期化と期日厳守を各部署に改めて説明の上、徹底してもらう必要があります。
帳票類の電子化を進める:
月次決算のために集まってくるデータは、シームレスに活用できなければ効率が上がりません。
「業務フローの見直し」でも必要なことですが、数値やデータを手入力する工程は極力減らしておく必要があります。手入力やデータの再入力を防ぐことにより、ミス修正などの工数削減につながります。また、データをシームレスに扱うためには、システム導入による電子化も効果的です。アナログ的な手順が業務フローに残っていると、その部分がボトルネックになってしまい、決算業務全体が遅れることにもなりかねません。月次業務早期化のためには、あらゆる帳票を電子化することが必須だと考えましょう。
まとめ:求められる経理業務の効率化と迅速化
月次決算を含む決算の早期化には、経理業務の効率化と迅速化が必須となります。業務の効率化には業務フローの見直しや社内ルールの徹底なども必要ですが、経理データのシームレスな活用も効果的です。
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2024.01.12