経費削減対策-BPOを使った新しい対策を紹介
経費削減策として、ペーパーレス化や消耗品の節約、交通費や出張費の削減は今や一般的になっています。多くの企業では、各部門の業務内容に応じて経費の削減を求めているかと思われますが、依頼される部門側では、従来の経費削減策に限界を感じているかもしれません。業務の効率を落とさずに、継続して経費削減を進めていくにはどのような方法があるのでしょうか?
今回は、経費削減の必要性からビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)を使った新しい経費削減策、その事例について紹介していきます。
経費削減はなぜ必要か
経費削減とは、企業活動に伴って発生するさまざまな経費を削減することです。例えば営業活動で発生する交通費や出張費、交際費、事務で必要な筆記用具や書類をとじるフォルダーなどの購入費もすべて経費となります。
経費削減の理由
企業に勤めていると、上長からは「経費を削減せよ」と常に言われていることでしょう。では、なぜ経費を削減する必要があるのでしょうか? 企業の活動目的のひとつは利益を上げていくことですが、この「利益の創出」につながるので、経費削減が求められているのです。
例えば、今まで100億円の売り上げがあり売上原価が70億円ほどだったとすれば、利益は30億円となります。ここでさまざまな経費削減活動を行って、売上原価を10億円下げられたとすれば、売り上げが変わらなくとも利益は40億円に増えるのです。厳しい競争にさらされている市場で、売り上げを10億円増やすのは容易なことではありません。売り上げ増大による利益増が見込めない昨今、このような経費削減は売り上げが増えたのと同じ効果を発揮するのです。
また売り上げはその時々の状況によって上下しますが、経費削減によって創出された利益は売り上げに関係なく利益となってくれます。社内の工夫、つまり経費削減によって生み出された利益は、基本的に恒常的に得ることができる利益となるのです。
経費削減が求められる部門
企業の組織は、大きくプロフィットセンターとコストセンターの二つに分かれます。プロフィットセンターは営業や工場、店舗など売り上げや利益を上げる組織、コストセンターは研究所や開発センター、経理を含むバックオフィスなど、利益を生み出さない組織といったように分類されます。
プロフィットセンターとコストセンターはお互いに企業活動を補完し合う関係にあるのですが、一般的にはコストセンターにより多くの経費削減策が求められがちです。売り上げに必要な経費は削ることができないため、必然的にバックオフィスや管理部門に経費削減が求められることになってしまうのです。
経費削減のためにできること
では、経費削減策として行われていることには、どのようなものがあるのでしょうか?
ここではよくある経費削減項目を見てみましょう。
・消耗品代
DX推進による電子化が進んでいく中で、紙の書類を削減し、印刷代を節約するなどのペーパーレス化も同時に進んでいます。また、事務用品や文房具などの消耗品も経費削減の対象となります。
・通信費・光熱費
インターネットが発達したおかげで電話の利用が減り、通信費はそもそも減少傾向にありますが、光熱費の節約は現在もよく行われています。使っていないオフィススペースの蛍光灯を外したり、昼休み中は消灯したりするのはよくある光熱費の削減方法です。またエアコンも、省エネ推奨温度に設定するなどして節約が行われています。
・オフィス賃料(本社・支店)
テレワークの普及で、オフィスをフリーアドレス制に変える企業が多くなっています。今までは社員ごとに座席は固定されていましたが、在宅勤務やテレワークによってオフィススペースに空きが多くなったため、座席数を減らし、出社時は好きな場所に座ってもらう方が効率は良くなるのです。最低限必要な座席をひとつの場所に集め、余ったスペースを返上すればオフィスの賃料は削減できます。
このような方法で、支社・支店の統廃合を行う企業も増えています。
・残業代・休日出勤手当など
残業や休日出勤の抑止も、よくある経費削減策です。企業によっては、決められた時間になるとパソコンがシャットダウンしてしまうように設定している場合もあります。企業にとって人件費はとても大きな経費ですので、削減効果も高いものとなります。
・通勤費(定期代)
テレワークが普及し、経費削減策として通勤費の削減も挙がるようになりました。月の出勤日が半分未満であれば、通勤定期券を利用するよりも、都度交通費精算をした方が経費は安くなるという考え方です。
・出張費・交通費
営業部門によく課される経費削減策が、出張費や交通費の抑制です。出張は、交通費のほかに出張手当や宿泊費などがかかる場合もあり、その必要性を精査する必要があります。
・交際費
交際費(接待費)の抑制も、営業部門に課される経費削減策のひとつです。交際費は一回の金額が大きくなりがちなので、その抑制は高い経費削減効果が見込めます。顧客との親交を深めるのは営業の役割のひとつではありますが、その内容と費用対効果を判断する必要があるでしょう。
今までバックオフィス部門は、物理的な経費削減(紙や消耗品、光熱費の削減など)とあわせて、ITシステムの導入で効率化と人的な経費削減(残業代や人件費の削減)を行ってきたことでしょう。ただし物理的、人的な経費削減効果が限界に近くなる中、新たな経費削減策を考える時期に来ているのではないでしょうか? 近年では新しい効果的な経費削減方法として、業務を丸ごと外部に委託するBPOが注目されています。
BPOとは?
BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で、企業が行う業務をまとめて外部に委託するアウトソーシングの一形態です。一般的なアウトソーシングは業務の「一部」を切り出しますが、BPOは業務を「一括」して委託するのが大きな特徴です。
BPOを使った経費削減事例
最後に、BPOを使った経費削減の成功事例を紹介しておきましょう。事例は地方自治体が行ったBPOの活用例になりますが、業務プロセスを一括して外部に委託するBPOは一般企業でも同じように有効です。
BPOの事例と効果
クレジットカード情報の管理をBPOに任せセキュリティ強化ある小売業者では従来、社内ネットワークを介して顧客のクレジットカードのオーソリゼーションを行い、カード情報を社内サーバーに保持していました。ところが、改正割賦販売法が施行され、この運用方法を改めなければならなくなりました。改正法に準拠した環境を整備するには相応のコストがかかり、一方で残された時間は限られていました。
担当者はクレジットカード情報の新規入力業務をすべて委託できるBPOサービスの紹介を受け、これを導入することにしました。環境整備ではなく、社内でカード情報を保持しない「非保持化」を選択したのです。カード情報が記載された原票のスキャニングや入力、マスキング、原票管理などの作業、郵送・電話受け付けなども委託することで、改正法の施行時期に合わせた早急な準備と、セキュリティ強化を両立させました。
医療現場で誤った情報が伝わらないようにBPOを活用
近年では日本国内に多くの外国人が居住するようになり、病院にも日本人以外の患者が頻繁に訪れます。ある病院では、外国人の患者に誤った医療情報が伝わらないように通訳サービスを導入していました。ところがこの通訳サービスはクオリティーが低く、また対応している言語も少なかったため、患者はもちろん医療スタッフも医療過誤につながるのではないかと不安を抱いていました。
この病院の担当者は、質の高い通訳サービスを導入すべくさまざまなBPOサービスを調査し、最大13言語まで対応、24時間365日体制でサービスを行う「多言語コンタクトセンターサービス」を導入しました。本サービスは、日本語能力試験1級を取得した日本語が堪能なネーティブスピーカーによる通訳サービスで、医療現場や官公庁、金融、鉄道など、幅広い分野での採用実績がありました。多言語の通訳という、医療スタッフだけでは到底対処できない問題をBPOサービスで解決し、患者と病院、双方の安心と安全を確保したのです。
このようなBPOサービスは一般企業でも活用が広がっています。例えば経理業務であれば、物理的な経費(紙、インク、郵送代)や工数(封入、発送)がかかる請求書発行業務をまとめてBPOするといったものです。経費と工数(人件費)、両方の削減効果が見込めます。
まとめ:業務は一括して委託するのが効果的
従来のアウトソーシングは業務の一部を外部委託するのが主流でしたが、現在ではノウハウや設備、工数などのことを考え、業務を一括で外部委託することが多くなっています。優秀な人材はコア業務に専念してもらい、定型的な業務やコストをかけられない業務は、積極的にBPOサービスを利用するのが新しい経費削減策といえるでしょう。
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お客さまインタビュー
2022.07.29