コラム

経理のテレワークを可能にするポイントを解説

多くの企業でテレワーク化が進む中、一部の業種・業務では導入が進んでいないのが現状です。中には業務の特性上、テレワークにしたくてもできないものも。

経理業務もそのうちのひとつ。いまだに経理担当者の約7割が出社を余儀なくされているという調査結果もあります。
このように経理のテレワークが進まない背景や理由に加え、テレワーク導入のメリットを詳しく解説。併せて導入の際に注意すべきポイントもご紹介します。

経理担当者の約7割がいまだに出社を余儀なくされる理由

株式会社ROBOT PAYMENTが2020年に行った経理に関する調査では、「外出自粛中に、テレワークが実施できていたか」の質問に69.1%が「実施できていなかった」と回答。コロナ禍でも経理担当者の多くが依然として出勤を余儀なくされていることが分かりました。

経理業務のテレワークが進まない理由には、以下の3点が大きく関係していると考えられます。

資料が紙媒体であること:
紙資料の作成が必要な業務には「請求書の作成・押印・発送」「決裁資料の作成」などが挙げられます。

さまざまな社内データが電子化される中、領収書や請求書などはいまだに紙ベースでの保管が必要であるうえ、取引先の電子化が進んでおらず紙の請求書を求められるため、作成・発送業務のため出社をしなければならないといった声が寄せられました。

機密情報を扱う機会が多いこと:
経理業務のテレワークが難しい理由のひとつとして、機密情報を扱う機会が多いことがあります。

テレワークのデメリットに、データを社外に持ち出すことによるデータ紛失・情報漏えいなどのリスクがあり、セキュリティ面で不安の声があるのも事実。そのため、経理の主な業務である「給与計算」「帳票管理」「請求書作成」などにおいて個人情報や機密情報を取り扱う部署では、テレワーク導入の検討すら進んでいないのが現状です。

はんこによる決裁が慣例化していること:
また、経理業務のテレワークが進まない大きな理由には、決裁業務がいまだにはんこで行われていることも大きく関係しています。

決裁業務や取引先への請求書作成が紙媒体に依存することになるので、そうした業務のために出社せざるを得ないのです。一部の企業では電子化が進んでいますが、請求書に関しては紙での郵送を希望する取引先も多く存在するため、テレワークが行えないといった声もあります。


経理業務へのテレワーク導入で得られるメリット

導入に対して課題も多いテレワークですが、導入によって経費や社員の働き方などに対して大きなメリットが得られます。

大幅なコスト削減:
従来紙媒体で共有していたデータを、システム化によってPCで管理・共有することで、資料作成にかかる紙代や印刷代などの費用が削減できます。
また、データ化に伴い、資料管理に必要なスペースや管理のための出社が不要になることで、執務スペースが縮小できるといった面でも大きなコスト削減が可能。働き方改革推進のポイントのひとつとされる「ペーパーレス化」にもつながります。

ワークライフバランス向上による優秀な人材の確保・流出の抑制:
テレワークの大きなメリットは、出勤時間がなくなる・社員一人ひとりの業務内容に合った作業スケジュールが組めるということ。こうしたメリットはワークライフバランスの向上にもつながります。
また、子育てや介護などで出社が難しい社員も、テレワークでの業務が可能になることで休職や退職の必要がなくなるため、優秀な人材を確保しやすく、人材の流出を抑制できるといった利点もあります。


テレワーク導入の際の注意点

テレワーク導入の大きな壁になるのが、データの取り扱い方法や自宅での業務の進め方です。ここからはテレワーク導入の注意点と対策を詳しく解説します。

個人情報や機密漏えいの危険性がある:
経理業務のテレワークに伴う大きなデメリットに、社員が業務のために個人情報や機密情報の記載された資料を社外に持ち出すことによる漏えいの危険性があります。
例えば、ITリテラシーの低い社員によってパスワードの流出が発生し、第三者が社内データにアクセスする可能性も否定できません。こうしたデメリットを解消するためには、データの取り扱い方法について、システム化や厳格なルール作りが必要になります。

従来の業務手順が使えない:
それまで手作業で行っていた業務をPC上で行う必要があるため、システムの使い方が分からない社員に対する教育が必要になります。

社員同士のコミュニケーションが取りにくい:
テレワークでの業務は基本的にひとりで行うため、社員同士のコミュニケーションが困難になることや、確認作業や業務進捗管理などの業務が難しくなる可能性があります。
こうした問題は、ビデオ会議ツールやビジネスチャットの活用で解消することが可能です。


テレワーク導入を成功させるポイントは3つ

テレワーク導入を成功させるポイントは以下の3つです。

万全なセキュリティ対策:
機密情報の流出を防ぐためのセキュリティ対策は必須です。社内専用の回線へのVPNの導入や管理者専用のパスワードの定期的な変更など、テレワーク導入前の適切な対策が必要です。テレワークのために新しいシステムを導入する際は、セキュリティ対策が施されたものを選定するようにしましょう。
システムの構築以外にも、社員のデータ取り扱いに関するルールの策定と周知徹底が必要です。ルール策定に関しては総務省の「テレワークにおけるセキュリティ確保」を参考にするとよいでしょう。

業務マニュアルの作成や適切なデジタルツールの導入:
紙資料のデータ一元化や電子決裁ツールなど、デジタル技術を導入することで自宅など社外での業務が可能になります。
業務開始までにシステムの使い方について業務マニュアルを作成するなど、作業手順を社員間で共有しておくとテレワークもスムーズに行えます。

ビジネスチャットの導入:
テレワーク中のデメリットである業務の進捗確認のしにくさや、社員間のコミュニケーションの問題はビジネスチャットを活用することで解消されます。
具体的なツールとして、在宅でも会議が可能なビデオ通話ツールや業務内容の共有・進捗報告のためのチャットツールなどの導入が有効です。


まとめ:適切な対策を取ることで経理のテレワークは十分可能

経理業務のテレワークは難しいといわれていますが、万全なセキュリティ対策を施したシステムを利用すれば十分に可能です。システムを使うことで、紙資料の作成に伴うコストの大幅な削減につながります。また、通勤時間が不要になる・社員一人ひとりの業務内容に合わせた時間管理が可能になるといったことによって、育児や家族の介護が必要な社員のみならず、経理担当者のワークライフバランスの向上も。自社の特性に合ったシステムを活用し、テレワーク導入を推進しましょう。

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お客さまインタビュー

2022.03.22

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