コラム

Webと紙のアンケートの違いを解説
~ユーザーに合わせた配信で回答率を向上

アンケート調査を実施する方法には、大きく分けてWebと紙の2つの選択肢があります。それぞれのアンケート実施方法の違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、Webアンケートと紙のアンケートのそれぞれの違いやメリットとデメリット、活用シーンに合わせた選び方をご紹介します。


アンケートの実施方法

従来、アンケート調査といえば、紙のアンケート用紙を店舗の店頭に設置して回答を促したり、郵送やポスティングで送付し実施することが主流でした。

しかしインターネットやスマートフォンの普及、技術の進化により、Webを活用したアンケート調査が主流になりつつあります。

Webアンケートを実施する際のアンケートページへの誘導は、主に次のようなアプローチ方法で行われます。

SMSやメールなどによるアンケート送信

SMS(ショートメッセージサービス)や+メッセージ(プラスメッセージ)※、メールなどでアンケートページのURLを送る方法です。

SMSや+メッセージは携帯電話の電話番号を利用してメッセージを送受信できるサービスです。顧客情報があれば手軽にメッセージを送ることができるため、自社に興味や関心のあるユーザーを対象にしたアンケートが実施しやすいという特徴があります。アンケートの回答も簡単で、SMSのメッセージにインターネットのアンケートページへアクセスできるURLを記載して送信することで、受け取ったユーザーはURLをクリックすれば、アンケートページにアクセスできます。

※NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが提供する、携帯電話番号だけでメッセージの送受信ができるメッセージングサービス

QRコードの利用

QRコードを紙のチラシや店頭のポスター、POPなどに印刷することで、顧客の来店者のスマートフォンなどで読み込んでもらえば、ひも付けられたアンケートページにアクセスすることができ、回答をしてもらうことができます。
紙のチラシは特定の顧客に配布・郵送しアンケートの回答をしてもらうケース、ポスターやPOPなどは広範な顧客に回答をしてもらうケースの利用に適しています。

いずれもQRコードを対象者に読み込んでもらう必要がありますが、読み込むだけで手軽にWebアンケートにアクセスできるという利便性があります

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

SNSを利用したアンケート収集方法

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に自社の公式アカウントを開設し、投稿の中にアンケートページへのリンクを記載しておくことで、その投稿を見たユーザーはクリックするだけでアクセスできます。
また、SNSによってはアンケート調査機能を備えていることもあるため、その機能を利用すれば、SNSの投稿メッセージ内で簡易的なアンケートを行うことができます。

Webアンケートのメリット・デメリット

Webアンケートのメリット・デメリットをご紹介します。

Webアンケートのメリット

・回答結果の集計や分析を効率的に行える
Webアンケートの回答結果をデータで取得できるため、入力などの手間も無く回収後の集計や分析を効率的に行うことができます。回答結果をデータとして回収することで、社内にある既存の顧客データとのひも付けも容易になります。

・柔軟な設問設計が可能
Webアンケートなら設問の回答状況に応じて、次に表示する設問を変更するなど、条件分岐を含めた柔軟な設問設計が可能です。紙のアンケートで同じように回答してもらう場合には、次にどの設問に回答するかを回答者自身が判断し、書き分けてもらう必要があります。

・回答漏れや回答不備の抑制をシステム的に行える
Webアンケートなら必須回答項目が入力されていなかったり、数字を入力しなければいけない項目に異なる形式のテキストが入力されていたりする場合は、エラーを表示し、回答者に正しい回答をするように促すことができます。それにより、回答漏れや回答不備を抑制することができ、収集するデータの精度向上につながります。

Webアンケートのデメリット

・ITスキルの必要性
Webアンケート作成や公開作業を自社で行う場合は、アンケートフォームの作成やWeb上にアンケートを公開するためのITスキルを持った人材が必要になります。

・迷惑メール扱いとなってはじかれ、不着になる恐れがある
メールでアンケートページのURLを送付する場合には、迷惑メールなどとして扱われ、メールが届かない可能性も考えなければなりません。また顧客のメールアドレスなどの登録情報が変更になっている場合も不着になりますので、顧客情報の更新も定期的に行う必要があります。

・デジタル機器の扱いに慣れていないユーザーの回答率の低下
Webアンケートに回答するためには、スマートフォンやパソコンなどの操作が必要になります。そのため、デジタル機器の扱いに慣れていないユーザーは回答しづらく、アンケートページから離脱される可能性があります。

紙アンケートのメリット・デメリット

紙アンケートのメリット・デメリットをご紹介します。

紙アンケートのメリット

・特別なスキルが無くてもすぐに作成し実施できる
紙のアンケートは、WordやExcel などで容易に作成できます。

・年齢問わず幅広い世代を対象にできる
紙のアンケートは、アンケート用紙に直接記入し回答できるため、幅広い世代を対象に調査を行うことができます。Webアンケートの場合は、対象者のITリテラシーによっては回答率が低くなることも考えられます。

・用途に合わせてアンケート用紙を工夫することができる
紙のアンケート用紙は、用紙の紙質や色、大きさなどで、ユーザーの印象に残すなどの工夫ができます。また、圧着式や大判のはがき、封書にして同封物を入れることでアンケートと一緒にユーザーへ情報発信を行ったり、情報シール付きの往復はがきで送ることで、アンケートの返信時に匿名性を保って返送できるようにしたりと、様々な工夫をすることもできます。

紙アンケートのデメリット

・印刷や送付コストがかかる
紙アンケートのデメリットとして大きいのは、物理的に紙に印刷したり、送付したりする工程がある点です。アンケート用紙を印刷するコスト、送付にかかる郵送コストなど、枚数に比例してコストも膨らんでいきます。

・回収やデータ入力に手間やコストがかかる
紙アンケートの調査結果は、通常、パソコンなどで入力しデータ化して分析します。そのため、紙アンケートの場合、回収後のアンケート用紙の整理やデータ入力に、手間やコストがかかってしまいます。

・設問の修正や変更がむずかしい
紙のアンケートの場合、一度出力してしまうと設問を修正したり、変更したりすることが困難になります。修正があった場合には、修正したアンケートを印刷し、郵送し直す必要があるため、時間もコストもかかってしまいます。

・手書きのため回答内容が読めない場合がある
回答内容の手書きの文字が読みづらく判別できないこともあります。記述式の設問だけでなく、項目をチェックしてもらう設問なども併用しながら設計することも検討しましょう。

活用シーンに合わせたWebと紙のアンケートの選び方

Webと紙のアンケートのそれぞれ適したシーンをご紹介します。

Webアンケートに適したシーン

Webアンケートに適したシーンは、展示会やイベント、社内アンケートを実施する際などがあげられます。イベントなどは来場者の数も多いため回収したアンケートの集計作業・分析作業が膨大になるためWebアンケートのほうが効率的に作業ができます。

また、来場者も、なるべく多くの展示内容を見たい人が多い傾向があるため、各ブースで回答できるWebのアンケートがおすすめです。
一方で、多くの展示内容を見ることでそれぞれの印象が薄くなってしまう可能性もありますので、なるべくその場で回答してもらうことが望ましいでしょう。

紙アンケートに適したシーン

紙アンケートに適したシーンは、対面営業やセミナー、店頭でアンケートを実施する際などがあげられます。目の前で直接対面するシーンでは、紙のほうがその場で手軽に書いてもらいやすいでしょう。
ただし、ターゲットとする年齢層や対象人数、対象ユーザーのセグメントなどによってWebと紙、どちらが適しているかは変わってきますので状況に応じて対応を検討しましょう。

ユーザーに合わせた配信方法でアンケートの回答率を向上

紙とWebのアンケートは、どちらもメリットとデメリットがあるため、対象ユーザーやシーンに合わせて選択するのをおすすめします。ユーザーのニーズに合うアンケートが実施できることで、アンケートの回答率の向上にもつながるでしょう。

TOPPANエッジでは、紙とWebの両方に対応したアンケートソリューションをご提供しています。調査設計からアンケート結果の分析、活用までを一括でアウトソーシング可能です。

また、SMSや「+メッセージ」を活用した配信サービス「EngagePlus」と組み合わせることで、ユーザー属性に分けて紙とWebで配信ができます。ユーザーに合わせてアンケートの配信をすることで、開封率や回答率を向上につながり、無駄な配信を減らすことでコスト削減にもつながります。

詳細はサービス紹介ページをご覧ください。

2024.08.01