コラム

問い合わせ業務の重要性から対応方法、
効果的なツールの導入方法を解説

問い合わせ対応は、どのような業種であっても必要とされる業務です。顧客を持つ事業を行っている以上、問い合わせ対応のありようによって、業績が左右される可能性もあります。しかし、人手不足や品質のばらつきなど、問い合わせ対応についての課題を感じている企業も少なくありません。

今回は問い合わせ対応の種類や手段を確認しながら、課題解決に向けて参考となる情報を解説します。


問い合わせ対応の重要性

企業にとって問い合わせ対応が重要となる主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。

信頼関係構築

顧客が疑問や問題を抱えた際に、迅速かつ適切に対応することは、信頼関係を築くうえで不可欠です。企業に対する信頼向上のためには、要望や疑念を真剣に受け止め、最適解を提供する姿勢が求められます。問い合わせに対する誠実な対応は、顧客が企業姿勢を高く評価し、長期的な関係を築く基礎となります。

企業に対する理解

問い合わせ対応を通じて、顧客は企業のサービスや製品について深い理解を得ることができます。正しい情報や説明によって、顧客は企業の提供する価値や特徴をより明確に把握し、その企業に対する理解を深めます。よりよく企業を知ることが愛着や共感を高め、顧客のファン化が期待できます。

クレームの回避

適時の情報提供や疑問の解決が行われない場合、顧客は不満や不安を抱える可能性があります。これが積み重なると、クレームや炎上のリスクが生じます。誠意を持った問い合わせ対応を行うことで、不明瞭な点や疑念を解消し、顧客が企業に対してネガティブな感情を抱くのを回避します。

顧客満足度の向上

問い合わせ対応が素早く正確に行われると、顧客満足度が向上します。顧客が疑問や問題を持った際に、それに対して十分なサポートが提供されると、顧客は自身の声が尊重されていると感じます。顧客満足度の向上は長期的な関係を維持し、LTV「Life Time Value(顧客生涯価値)」の拡大に貢献します。

フィードバック

問い合わせは、顧客のニーズや意見を把握する貴重な機会です。顧客からのフィードバックを通じて、商品やサービスの改善点、新たなアイデアを得ることができます。顧客の声を収集し、企業の戦略やプロダクトの向上に活用することで、より顧客に適した商品・サービスの提供が可能となります。

問い合わせ対応は顧客とのコミュニケーションの一環として、信頼関係の構築や顧客満足度の向上、企業の理解深化などに多大な影響を及ぼします。顧客の声に真剣に耳を傾け、誠意ある対応を行うことで、企業のイメージ向上や競争力強化にもつながります。

問い合わせ対応の種類

問い合わせ対応の種類をチャネル別と内容別で紹介します。

チャネル別

電話対応:
商品やサービスに関する質問、トラブルシューティング、注文状況の確認など、多様な問い合わせに対応します。担当者がじかに応答するためリアルタイムでの回答が得られ、柔軟な対応ができる一方、対応時間に制限があり、待ち時間が発生する場合もあります。

メール対応:
一般的な内容は電話対応と同様ですが、画像の添付などにより、詳細な情報提供やフォローアップが可能です。リアルタイムでやり取りできないため、双方での説明不足が生じたり、回答までに時間がかかったりする可能性があります。

チャット対応:
Webサイトやアプリケーション内で、チャットシステムを通じてリアルタイムに問い合わせ対応を行います。担当者が行う場合もありますが、最近ではチャットボットによる自動応対も多く見られます。その場合、24時間いつでも対応できるため、迅速なサポートの提供が可能となります。

ソーシャルメディア対応:
ソーシャルメディア上で、問い合わせやコメントへの返信を実施します。顧客とのコミュニケーションの一環として活用することで、同時に多くの人の目に触れられるのがメリットです。

オンサイト対応:
店舗やオフィスにおける、対面での問い合わせ対応です。細部まで説明でき、パンフレットやカタログ、説明書を用いた対応も可能となります。製品のデモンストレーションや直接的なサービス提供によって、具体的な体験を提供できます。

内容別

テクニカルサポート:
製品や技術に関する問い合わせに対し、トラブルシューティングや設定支援などを行います。初期設定からトラブル対応まで、多岐にわたる質問内容に回答します。

カスタマーサービス:
一般的な疑問や質問への対応を行います。新たな商品やサービスに関する情報提供、販売終了や後続の商品案内といった内容も含まれます。

クレーム対応:
不満や問題に対するクレームに対応します。課題を解決し、顧客からの理解を得ることを目指し、応答を重ねる場合もあります。

問い合わせ対応手段の変化

インターネットが社会のインフラ的役割を担うようになり、問い合わせの対応手段もオフラインからオンラインへ、さらにより自動化されたシステムへと変化しています。

具体的には、以下のような新たな対応手段が浸透を見せています。

人が対応する電話・メールから自動応対(IVR)へ

顧客からの電話やメールなどの問い合わせを、人間の代わりに自動的に対応するシステムです。IVR(Interactive Voice Response)は、音声ガイダンスやキープレス選択を使用して、顧客の問題を解決するための情報やガイダンスを提供します。例えば、特定の数字を押すことで特定の情報を取得する、基本的な問題の解決方法を案内する、といった方法があります。自動応対によって、簡単な問題や情報提供に関する問い合わせを効率的に処理でき、人員の負担を軽減できます。

AIチャットボット

AIチャットボットは人工知能技術を活用して、テキストベースでの会話を行い、問い合わせに応答するシステムです。チャットボットは、プログラムされた一連のルールや機械学習アルゴリズムに基づいて会話を行い、基本的な情報提供や問題解決をサポートします。さらに高度化されたチャットボットでは、自然言語理解技術を用いて、より複雑な質問や文脈を理解し、最適と思われる回答を提供することもできます。

自己解決型(FAQ、ナレッジデータベース)サービスの提供

自己解決型サービスは、顧客が自分で問題を解決できるように促す仕組みです。FAQ(よくある質問)やナレッジデータベースを提供することで、顧客は自分で問題を検索し、解決策を見つけ出せるようになります。自己解決が増えれば、単純な問題や一般的な情報に関する問い合わせを人員が対応する必要が無くなり、より重要な問題に専念できるようになります。

上記のような対応手段が求められる背景にあるのは、問い合わせ対応業務が抱える課題です。
一般的に顧客はすぐに答えが欲しいと感じるため、24時間対応が好ましいところですが、実際には人的リソースなどの問題で実現は困難です。また、対応者により応対品質や回答の精度が異なることで、問い合わせ対応の統一が図れないのも顧客満足度の低下につながる大きな課題となります。

人手不足であるうえ、問い合わせのチャネルが多様化しており、回答が遅れる状況も多く発生しています。オフィスソフトなどを使った管理手法のままでは、対応履歴や情報が整理されず共有化されないため、ノウハウが蓄積されず、品質向上が遅れる原因となります。

複数チャネルの問い合わせ内容が一括管理されていないと、未対応、未解決の案件が放置されるなどの混乱が懸念されます。



問い合わせ対応ツールの選び方

問い合わせ対応ツールは、問い合わせ業務を円滑に進めるためのサポートを行うツールです。問い合わせ内容・回答履歴などの情報を管理・共有するために利用することで、現状の課題解決の有効策となります。

問い合わせ対応ツールを選ぶ際に留意したいこととして、以下のようなポイントがあります。

チャネル対応

現代社会の多様化するチャネル(電話、メール、Webフォーム、チャット、ソーシャルメディアなど)に対応し、一括管理が可能であることが重要です。多チャネルから流入した情報が自動的にデータベース化され、共有しやすい形となり、また検索やカテゴライズ機能を使えるタイプが理想的です。

チケット管理

「チケット管理」は、問い合わせやクレームを「チケット」と呼ばれる単位で管理するための仕組みで、「サポートチケット」などとも呼ばれます。チケット管理システムが提供されていると、未解決の問い合わせを見逃さず、効率的に追跡・管理できます。チケットに集約されることで、担当者が変わる場合の引き継ぎもスムーズにでき、対応の内容を履歴から見ることができます。

カスタマイズ性

企業のニーズに合わせたカスタマイズが可能であることも、選択のポイントとなります。自社の問い合わせの種類やカテゴリー、優先度に即した設定を行い、効率的な対応を実現するための柔軟なカスタマイズ性が求められます。

レポート機能

問い合わせの統計やトレンドを把握するためのレポート機能があると、データに基づく分析が可能となります。問い合わせ業務を客観的に評価し、改善に役立てられます。

既存システムとの連携

顧客情報管理システム(CRM)、カスタマーサポートシステム、メールプラットフォームなどとのシームレスな連携があると業務効率が向上します。顧客情報や履歴を共有し、各接点において一貫性のある対応を行うことが可能となります。

セキュリティとプライバシー

顧客情報は機密性が高いため、セキュリティとプライバシーに配慮したツールを選ぶことが重要です。データの暗号化やアクセス制御などのセキュリティ対策が、十分に整備されていることを確認します。

ユーザビリティ

ツールとしては問い合わせ担当者が直感的に操作でき、情報を業務にすぐに活用できることが望ましいあり方です。高度な知識を必要とせず、誰でも簡単に使えると、教育負担が軽減でき、対応者を補充・代替する場合でも現場対応を迅速に行うことができます。

まとめ:品質を保持しながら問い合わせ対応の負担を軽減するツールの活用がおすすめ

問い合わせ件数がごくわずかであれば、電話での応対でもさばくことができます。しかし、現代の顧客はさまざまな形での対応を希望し、その多くは迅速な解決を望みます。これに応えるためには、チャネルの多様化に対応し、問い合わせ内容の整理と活用を視野に入れた管理を行う必要があります。多種多様な機能を搭載したツールのなかから、自社の業務に合ったサービスを賢く選択することで、問い合わせ対応の品質と効率化に役立ちます。

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お客さまインタビュー

2023.10.11

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