社内ルールの周知が難しい理由と徹底させるための方法を解説
社内ルールには、労働条件を定めた就業規則やコンプライアンス規程など法律に関わる重要な情報をはじめ、業務フローのように業務に大きな影響を与えるものが少なくありません。こうした社内ルールは経営陣のような一部の社員だけでなく、全社員に周知徹底が行われてはじめて効果を発揮します。一方、ルールの周知が行われていない場合、法律違反など重大な事故にもつながる可能性も。
今回は社内ルールの周知徹底が難しい理由と、徹底させるための方法を詳しく解説します。
社内ルールの周知徹底が必要な理由
社内ルールとは、基本的に「社員全員が守るべき決まりごと」を意味します。まずは、具体的に「どのような場面・理由で周知徹底が必要になるのか、その理由はなぜか」について解説します。
法律に関わるため
社内ルールには、個人情報保護法など法律に基づき策定されているルールも多くあります。周知徹底が行われていないことで、個人情報や機密情報の不正流出など犯罪に関わる大きな事故が発生する可能性も高まります。
業務の効率化・生産性の向上のため
社内ルールには、円滑な業務遂行に関わるものもあります。つまり、業務の効率化や生産性の向上を目的とした社内ルールです。社員全員が一定の規程の下で業務を行うことで、非効率な業務をなくせるほか、無駄なコストを削減できるメリットもあります。
社内ルールはなぜ周知徹底が難しいのか
社内ルールを策定していても、社員への周知徹底ができずスムーズな運用につながっていないケースもあります。実際に社内ルールの周知徹底に悩む方も多いのではないでしょうか。
社員への周知徹底が難しい原因はさまざまですが、主な3つの原因について解説します。
情報の重要性が伝わっていない
社内情報が正しく共有されない原因の一つに、「情報の重要性が社員に伝わっていない」ことが挙げられます。
一般的に、社内情報は部内回覧や社内ポータルなどで共有されます。ですが、社員の中には業務の忙しさから、内容を確認しないまま閲覧済みの印を押して次の社員に回したり、ポータル上で開封したまま読まずに放置したりする例も少なくありません。その結果、内容が十分理解されないままとなり、トラブルにつながることもあるでしょう。
社内ルールなど重要な情報の周知を行う場合、表題に【重要】を付けるなど、誰が見ても重要性を理解できるような工夫が必要になります。
周知方法が明確に決まっていない
従業員の多い企業などでは、全社で共有すべき情報は社内ポータル、部署やチーム内での情報共有は回覧やメール、というように周知方法が統一されていないこともままあります。このように周知方法が情報によってバラバラだと、必要な情報の見落としが発生する可能性が高くなります。
あらかじめ社内全体で周知方法を統一し、情報の見落としが起こらない環境を整えることが重要でしょう。
誰もが使えるツールを使用していない
社内ルールをはじめとした社内の情報の共有方法としては、口頭での伝達やオフィスの掲示板がありますが、出張中やテレワーク中の社員、欠席している社員などには情報が伝わらない可能性があります。こうした伝達不足や、社内での伝達ミスを防ぐには、PCやスマートフォンなどを使ったデジタルツールの活用が有効です。具体的な方法には、ポータルサイトやビジネスチャットなどがあります。
これらの方法は手軽に情報を共有できるメリットがある一方、ログインやダウンロードなどの操作方法が複雑なツールだと、使い方が分からず閲覧ができない社員も一定数出てくる可能性があります。社員全員への周知徹底を行う場合、あらかじめツールの操作方法の案内・説明を行う場や時間を設ける必要があるでしょう。
社内ルールを周知徹底させる方法
社員全員に向けて社内ルールの周知徹底を行うために効果的な方法として、以下の5つがあります。それぞれの方法について詳しく解説します。
ルールブックを作成し、各部署に配布する
社内で周知したいルールを一冊にまとめたルールブックを作成し、各部署に配布・回覧する方法です。ルールブックを活用した周知方法のメリットには、企業理念や業務で必要なルールを一つにまとめることで情報の見落としを防げること、紙ベースなので社員のITリテラシーが問われないことが挙げられます。
ルールブックを活用した周知方法のデメリットは、変更や改訂が行われるたびに新しいルールブックを作成する必要があることです。また、作成に手間とコストがかかることや、どれが最新版なのかが分かりにくい、社内で周知されているかの実態が把握できないといったことも挙げられます。
各部署内で読み合わせを行う
ルールブックや、社内掲示板などで共有した社内ルールを、部署内のメンバーで読み合わせる方法です。部署やチームでルールの読み合わせを行うことで、ルール自体を知らない社員をなくすことができます。また、複数人で読み合わせを行うことによって、より理解が深まることも大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、読み合わせを行う時間を設ける必要があるため日程調整が難しい、時間に制約がある場合すべての内容を確認することが難しいといったことが挙げられます。
オリジナル教材の活用
ルールブックの内容理解を深めるために、実際の業務で生じるであろう事例などを盛り込んだオリジナル教材を作成し、共有する方法です。読み合わせのように時間や場所に縛られず、従業員各自の都合に合わせて履修できます。理解度を確認するために、履修後のテストなどを実施するとなおいいでしょう。
デメリットとしては、教材制作にある程度のリソースが必要なこと、教材活用を促すための取り組みなど担当者の負担が大きいことが挙げられます。
セキュリティチェックの実施
「形式的にルールを定めただけでなく、実際にこの通り運用していくのだ」ということを周知するために、担当者による抜き打ちでの現場チェックや、アンケート形式でのセルフチェックなどを実施する方法です。これもやはり、実施のためのリソースが必要なこと、運用にあたっての担当者の負担などがデメリットとなるでしょう。
専用のシステムを活用する
社内ポータルやチャットツールの汎用(はんよう)的なツールは利便性が高い半面、規程管理の観点では機能や仕様などがマッチしない可能性があります。汎用的な機能や仕様に合わせる必要があるツールではなく、規程管理に必要な機能や仕様があらかじめ備わっていて、誰でも簡単に閲覧が可能な専用の規程管理システムを活用することが重要です。簡単に扱えるシステムを選ぶことにより、紙の資料に慣れている社員も閲覧方法など使い方の研修を行うだけで利用できるようになります。
社内ルールの周知には「誰でも・いつでも・どこでも閲覧できる」環境づくりと、お互いに確認し合う姿勢が重要
今回は、社内ルールの周知徹底が必要な理由と徹底させるための方法を詳しく解説しました。社内ルールを周知徹底することで経営の健全化をはじめ、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。ですが、社員一人ひとりへの周知徹底は難しく、正しく運用が行われていない企業も多いのが現状です。
この場合、周知が徹底できない理由を知り、適切な周知方法を理解、実践することでスムーズな運用が可能になります。
弊社の規程管理システム「DocLAN(ドックラン)」は、社内ルールなどの重要な文書や情報が「誰でも・いつでも・どこでも」閲覧可能なシステムです。改訂時も作成文書を管理サーバーに入れるだけで、常に最新の文書が公開されます。こうした環境を整えた上で、読み合わせやオリジナル教材の活用、セキュリティチェックなどのお互いに確認し合う方法も併せて運用していくことにより、より一層社内ルールの周知を徹底していけるでしょう。
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社内インタビュー
2022.12.15