コラム

小売業の人手不足対策のアイデアを詳しく解説

小売業を運営するうえで、慢性的な人手不足に悩まされている管理者の方も多いのではないでしょうか。人手不足の問題を放置すると、業務効率や生産性を阻害し、業績に大きな悪影響を与えるおそれがあります。

人手不足を解決するためには、人手不足の現状と原因を整理したうえで、それぞれの課題に即した対策を講じることが重要です。

本記事では、小売業が抱える人手不足の主な原因をあげて、対策となるアイデアをそれぞれ解説します。IT技術を活用した方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

小売業の人手不足の現状

厚生労働省が発表した「労働経済動向調査」によると、卸売・小売業の労働者過不足判断D.I.(「労働者不足」の事業所から「労働者過剰」の事業所を差し引いた指数)は、2023年11月時点で28ポイントを記録しました。前年同期比で3ポイント上昇していることから、人手不足の度合いが強まっていることがわかります。

また、株式会社東京商工リサーチの「2023年上半期(1-6月)「人手不足」関連倒産の状況」によれば、人手不足が原因で倒産した小売系の企業は3件(前年同期比200%増)と、4年ぶりに前年同期を上回っています。

小売業の人手不足の原因

小売業の人手不足の主な原因は、次のような点が考えられます。

● 労働時間
● シフト制勤務の労働環境
● 接客の大変さなど

小売業の人手不足の対策

前述した人手不足の原因を踏まえ、その対策となるアイデアを詳しく解説します。

● 労働環境の改善
● スキルアップやキャリアアップできる環境作り
● 従業員間コミュニケーションの強化
● 外国人労働者・シニア世代の雇用
● 採用したい世代によって求人媒体を使い分ける

労働環境の改善

労働環境の改善は、新たな人材の確保や従業員の定着化に効果的です。具体的には、適切なシフト管理や、長時間・連続勤務を避ける仕組みの導入などが挙げられます。

シフト管理においては、単に従業員の勤務日程をやりくりするだけでは効果を発揮しません。従業員の働きやすさを向上するには、あらかじめ作業計画を立てて現状の業務量を洗い出したり、ムリ・ムラ・ムダの3つの指標から課題を特定したりする工夫が求められます。

また、パートやアルバイトの従事者にも正社員と同様の配慮を心がけましょう。

スキルアップやキャリアアップできる環境作り

スキルアップやキャリアアップは、従業員のモチベーションを高められる重要な要素です。自身の将来に明るい希望を見出せると、従業員は伸び伸びと働けるようになり、定着率の向上につながります。

代表的な施策としては、マネージャー向けの社内外研修やeラーニング、経験豊富な先輩従業員が指導するメンター制度といった、研修プログラムを充実させる方法が挙げられます。

また、人事評価制度を見直し、日々の目標やパフォーマンスを可視化するのも一案です。その際は、成果を重視するのか、それとも上司や部下からの評価も踏まえて多角的に判断するのかなど、軸となる評価基準を明確にしましょう。

従業員間コミュニケーションの強化

店内の雰囲気をより良くするために、従業員同士のコミュニケーションを強化することも重要です。店長や売場マネージャーが、社員、パート・アルバイトの区別なくダイレクトなコミュニケーションを心がけ、お店全体で気軽にやりとりできる環境・雰囲気を構築しましょう。

また、情報共有不足も、コミュニケーションの悪化につながります。情報を一元管理できるツールの導入や、報連相に関するルールの策定などの取り組みも欠かせません。

外国人労働者・シニア世代の雇用

外国人労働者やシニア世代を積極的に雇用すれば、労働人口の減少を補えます。とくに、外国語を扱える人材は、インバウンド需要に対応できる貴重な存在です。また、小売業の経験があるシニア層は、現場で若手への指導にも力を発揮するでしょう。

ただし、文化や年代の異なる従業員が加わると、チームの雰囲気が変化しやすい点には注意が必要です。迎える従業員、加わる従業員とも、今までの経験やコミュニケーションでは通用しづらい事象が当然のように発生しますので、それを放置すれば互いにフラストレーションをため込むことにもつながりかねません。このような事態を避けるためにも、チームのコミュニケーションをより密にすること、相手をより理解できる環境を整えることを心がけましょう。

採用したい世代によって求人媒体を使い分ける

小売業の求人募集には、店内ポスターや知人からの紹介など、さまざまな方法があります。既存の方法で人が集まらない場合は、採用したい世代によって求人媒体を使い分けるといいでしょう。

たとえば、若い世代を対象にするならWeb求人サービスの利用、シニア層であれば地域の求人雑誌での募集が効果的です。まずはペルソナ(ターゲットとして想定する人物像)を設定したうえで、ペルソナの行動傾向や嗜好などを明確にして、求人媒体の選定や募集文言の作成を行うと良いでしょう。

小売業の人手不足を打開するIT・デジタル技術を活用したアイデア

IT技術を活用することで、業務効率や生産性を高めながら人手不足の解消を図れます。特に小売業では、次のような取り組みが考えられるでしょう。

● セルフレジの導入
● ロボットの活用
● AI技術を活用した業務の効率化
● クラウドシステムの導入

セルフレジの導入

セルフレジを導入すると、レジ打ちや金銭のやり取りが機械化され、釣り銭ミスなどのヒューマンエラーが発生せず、レジ締めをはじめとする売上管理業務の効率化につながります。

現在、セルフレジは全国の小売店で導入が進んでいるものの、まだ利用に抵抗を感じる消費者も少なからず存在します。そのため、有人レジとセルフレジを併用して、顧客自身に選んでもらえるようにするのが理想的です。セルフレジがあれば有人レジの待ち時間軽減につながるため、顧客満足度の向上にも寄与します。

ロボットの活用

売り場案内や商品説明といった顧客応対時に、ロボットを活用するのも方法の一つです。ロボットであればスムーズな多言語対応が可能で、データ収集も効率良く行えます。上手く活用すれば、店内の省人化につながるでしょう。

たとえば、ある大手ホームセンターでは、一部の店舗で売り場案内ロボットを導入しています。タッチパネルをタップすると、Web注文後の店頭受け取りや、レジを通さない決済などのサービスが利用できる仕組みです。また、目的の商品を検索すると、ロボットが商品の並んでいる棚まで案内してくれます。

AI技術を活用した業務の効率化

AIを導入して業務効率化を図ることで、繁忙期対応の合理化や、残業時間の軽減といった効果が期待できます。

一概にAIといっても、画像認識や音声認識、自然言語処理といったさまざまな技術が含まれています。そのため、まずは活用したいシーンを明確にしたうえで、どのような機能が必要かを洗い出しましょう。

小売業では、次のような形でAIが活用されています。

● 客数や陳列状態、天気などの情報を複合的に分析し、将来的な需要を予測
● 来店客の顔データと顧客データを紐付け、おすすめの商品を提案
● 監視カメラから来店客の動線を読み取り、商品の陳列や人員配置の最適化を実施
● 来店客の不審な行動を検知して従業員のスマートフォンに通知

クラウドシステムの導入

クラウドシステムには、受発注管理や販促管理など、業務効率化につながるさまざまなツールがあります。インターネット上でスムーズに情報を共有できるため、属人化の解消に効果を発揮します。

小売業向けのクラウドシステムは次のようなものが代表的です。

● ERP(企業資源計画)パッケージ
● CRM(顧客関係管理)ツール
● 販売管理システム
● 在庫管理システム
● シフト管理システム

「PROMO CORE®」で小売業の業務を効率化!

小売業の人手不足の問題を解消するには、社内体制を整えるほか、業務効率化や生産性向上に結び付くIT技術を導入することが大切です。しかし、社内システムが増えるほど、管理すべきデータが多くなり、かえって業務効率を阻害するケースも珍しくありません。

そこで、小売業向けの販促支援システム「PROMO CORE®」が役立ちます。

PROMO CORE®は、社内に散在する商品・販促・実績情報をクラウド上で一元管理できるシステムです。あらゆるデータを集約したうえで、コンテンツ制作やメディア展開などに活用できるのが特徴です。「情報の煩雑なやり取りを削減したい」「販促業務で属人化が発生している」といった悩みを抱えている方は、ぜひ導入をご検討ください。

2024.03.11

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