デジタルアセットマネジメント(DAM)とは?必要性や導入するメリットを解説
昨今では、Webサイトやモバイルアプリ、デジタルサイネージなど、さまざまなシーンでデジタルコンテンツが発信されています。しかし、デジタルコンテンツの種類が多くなれば、管理の煩雑化が課題になりがちです。このような環境下で必要となるのが、煩雑化するデジタルコンテンツの一元管理です。
デジタルアセットマネジメントを導入し、あらゆるデジタルコンテンツを一元管理すれば、社内での情報共有がスムーズになり、販促活動やマーケティングを効率的に実施することができます。
本記事では、デジタルアセットマネジメントの機能や活用シーン、導入メリットを詳しく解説します。導入時に注意すべきポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
デジタルアセットマネジメント(DAM)とは?
デジタルアセットマネジメント(以下DAM)とは、テキスト・画像・動画など、さまざまなデジタルコンテンツを一元管理するシステムです。「Digital Asset Management」を略称した「DAM」や「DAMシステム」、「デジタル資産管理システム」とも呼ばれています。
DAMには、次のような機能が搭載されています。
● デジタルデータの収集・登録
● デジタルデータの検索・参照
● データの変換
● デジタル著作権管理(DRM)
このような機能を活用すると、システム内のデジタルコンテンツへと容易にアクセスでき、コンテンツ制作の工数削減につながります。また、膨大な量のデジタル資産を安全に管理できるのも特徴です。
DAMとよく似たツールにPIMシステムがありますが、こちらは商品タイトルや価格といった商品情報を扱います。PIMは仕様寄り(製造・基幹向け)、DAMは販促寄りの領域区分というイメージです。
デジタルコンテンツと商品情報は組み合わせて利用する機会が多いため、両ツールを併用するのも方法の一つです。
デジタルアセットマネジメント(DAM)の主な機能
DAMに搭載されている主な機能は以下のとおりです。
機能 | 詳細 |
デジタルデータの収集・登録 |
テキスト・画像・動画などのデジタルコンテンツを一つのシステムに集約 |
デジタルデータの検索・参照 |
メタ情報やカテゴリーをもとに蓄積したデータを検索 |
データフォーマットの変換 |
媒体ごとの最適なファイル形式・サイズに変換 |
著作権管理(DRM) |
コンテンツごとの利用範囲や利用期間などの規定を一元管理 |
蓄積された情報を階層別に整理できるほか、検索性にも優れているため、紙やExcelでデジタル資産管理を行っているケースに比べて属人化に陥りにくい傾向にあります。
また、さまざまな関係者のアカウントを追加し、細かく権限を設定できるのもポイントです。クリエイターや編集者などの現場担当者と、著作権管理者との間で著作権の規定や範囲を正確に擦り合わせできるため、手戻りの工数を最小限に抑えられるでしょう。
デジタルアセットマネジメント(DAM)の活用シーン
DAMは、主に小売業での活用機運が高まりつつあります。規模が大きく取り扱うデータが多い企業や、これから事業の拡大を目指している企業にとっては特に有効なソリューションです。
TOPPANが提供するDAM「PROMO CORE®」を導入された企業様の事例をご紹介します。
B社様は、それまでEC部・販促部・ギフト部が個別にデータを管理していました。これを「PROMO CORE®」に集約したことで、情報連携ができるようになり、全体の業務負荷が大きく軽減されました。
※「PROMO CORE®」はDAM・PIM両機能を有するシステムです。
デジタルアセットマネジメント(DAM)の必要性
DAMは、以下のような点から必要性が高まっています。
● チャネルの多様化によるデジタルコンテンツの量・種類の増加
● データ管理ミスによるブランドイメージ低下の回避
● コンテンツの著作権管理の対応
以下でそれぞれのポイントを解説します。
チャネルの多様化によるデジタルコンテンツの量・種類の増加
デジタルコンテンツは幅広いチャネルで活用されています。WebサイトやECサイト、デジタルサイネージ、モバイルアプリなどが代表的で、オンラインとオフラインを問わず不可欠なものになっています。
チャネルが多様化した結果、必然的に管理すべきデジタルコンテンツの量や種類も増加しています。多様化したデジタルコンテンツをそのままにしておくと、情報管理が煩雑化したり、業務上の属人化が生じたりとさまざまなリスクに見舞われるため、適切な対策が必要です。
DAMは、適切な運用をすることで社内に散在したデータ群をまとめ上げ、スムーズな情報共有やデータ統合を果たすために効果を発揮します。
データ管理ミスによるブランドイメージ低下の回避
企業のブランドイメージを向上するには、最新かつ正確な情報を発信しなければなりません。販売チャネルが多様化し、管理業務が煩雑化すると、Web上の情報と営業担当者の案内に齟齬があるといったミスが生まれがちです。
その点、DAMがあれば、一つのシステム内に情報が統合されるため、常に整合性が取れた状態でデジタルコンテンツを活用できます。結果として、組織内で認識ミスや漏れが少なくなり、誤情報の発信による信頼低下を防げます。
コンテンツの著作権管理の対応
法令を遵守する企業姿勢は、顧客から信頼を得るために大切な要素です。
人物画像やキャラクターといった、著作権を有するデジタルコンテンツの適切な管理は、コンテンツ量が増えるにしたがって重要になっていきます。しかし、管理業務が属人化している状況では、著作権侵害に気付かずコンテンツを一般公開してしまう可能性があり、一元的な著作権管理を行えるDAMが不可欠といえるでしょう。
DAMでは、コンテンツごとに使用許諾範囲の情報を付与するため、現在の使用期限を正確に把握できます。
デジタルアセットマネジメント(DAM)を導入するメリット
DAMを導入するメリットは次の通りです。
● 業務の効率化
● データ管理に割いていたコストの削減
● 販促のPDCAの高速化
● デジタルコンテンツのセキュリティの強化
それぞれ見ていきましょう。
業務の効率化
DAMでは、情報量が多くなっても検索性を阻害することはありません。それぞれのコンテンツにはメタ情報が紐付いており、細かく条件を指定して必要な情報を検索できるためです。これにより、情報収集の効率性が大幅に向上します。
また、外部システムとの連携により、業務効率化につながる機能を柔軟に拡張できるのもポイントです。たとえば、製品によってはCMS(コンテンツ管理システム)と連携すれば、マスタ情報の更新のみでWebサイトやランディングページの情報が自動的に書き換えられます。
データ管理に割いていた人財とコストのより有効な活用
デジタルコンテンツの一元管理が実現すると、いままで情報管理に割いていた人員の、企画立案、接客部門への転換などで企業として人財強化に繋がります。
デジタルデータが事業に欠かせないものになるほど、管理するべきデータの量は増大していきます。それらを従来のように人の手で管理する場合、人員や時間がいくらあっても足りません。
DAMというシステムが膨大なデータの管理を担うことで、より重要な施策にリソースを割り当てたり、コストの最適配分が可能となり、自社にとって大きなプラスになるでしょう。
販促のPDCAの高速化
スマートフォンを使ってユーザーが効率良く情報収集を行える昨今では、いかに新商品開発や販売のサイクルを短縮できるかが問われます。そのためには、販促プランの策定や施策の洗い出しといった事前準備のスピード感を向上させることが重要です。
しかし、事前準備のための情報収集やデータの受け渡しに手間取っていると、サイクルに遅れが生じ、競合他社に先を越されてしまいかねません。
そこで、データの検索性や情報共有の容易性に優れる、DAMの導入が効果的です。同システムを導入すれば、効率的な情報収集やデータの受け渡しが可能になるため、PDCAが高速化し、企業競争力の向上にも寄与します。
デジタルコンテンツのセキュリティの強化
デジタルコンテンツには、企業の機密情報が含まれている場合があります。このようなデータをメールや文書でやり取りすると、情報漏洩のリスクが高まるため、十分な配慮が必要です。
DAMでは、ユーザーあるいはコンテンツ単位で権限を付与できます。特定の部署のみに閲覧権限を付与したり、特定の人物のみに編集権限を与えたりと、権限を細かく設定することで、より安全なデータ共有が可能です。
デジタルアセットマネジメント(DAM)の導入を成功させるポイント
一概にDAMといっても、価格や機能性、サポート体制といった細かい要素がシステムごとに大きく異なります。そのため、次のような選定基準をもとに、自社に合った製品を選ぶようにしましょう。
● 現状の課題を解消するために必要な機能
● 搭載されている機能と価格とのバランス
● 従業員がストレスなく利用できる操作性
● セキュリティ機能の豊富さと権限設定の柔軟性
● 外部システムとの連携範囲(拡張性)
● アフターサポートの充実度
また、導入後を見越して計画やスケジュールを策定することも重要です。マニュアルの整備や研修制度の導入、チーム体制の確立など、継続的な利用を想定して運用体制を整えましょう。
デジタルアセットマネジメント(DAM)なら「PROMO CORE®」がおすすめ!
DAMを導入することで、社内に散在したデジタルコンテンツを一元的に管理できます。その結果、属人化の解消や業務効率化など、さまざまな恩恵が得られるでしょう。
DAMには数多くの製品が存在しますが、特にコンテンツ制作・メディア展開・実績情報管理といったPDCAを効率良く回したい場合は、「PROMO CORE®」がおすすめです。「PROMO CORE®」は、デジタルコンテンツだけでなく、商品情報や販促情報をまとめて管理できます。
集約されたデータはすべてクラウド上に蓄積されるため、関係者全員が同一環境で情報をインプット・アウトプットできるのが利点です。販促業務の属人化や、商品情報の収集・管理業務の煩雑化にお悩みの企業様はぜひ導入をご検討ください。
2024.03.12