コラム

IoT見守り・監視サービス事例
「ID-Watchy®」
※2022年12月に開催した当社セミナーのレポートです。

※本記事は、2022年12月14日(水)に開催した当社セミナーのレポートです。

「ID-Watchy®」は、カメラとビーコンを組み合わせ、工場、作業現場及び各種施設等で人やモノを可視化するサービスです。ビーコンによる居場所の把握のほか、バイタルデータ取得も可能なため、作業者や見守り対象者の健康管理やストレス管理による働き方改革、感染症対策にもご活用いただけます。

本記事では「ID-Watchy®」の機能のご紹介に加え、近年課題とされている幼稚園や保育園におけるお子様の見守りへの活用事例と、より精度の高い位置情報の取得が可能な「ID-Watchy® UWB」についてご紹介します。


IoT監視・見守りサービス「ID-Watchy®」とは

「ID-Watchy®」は、BLE(Bluetooth Low Energy)センサーとビーコンタグ(Bluetooth電波を発信する小さな端末)による検知・識別機能と監視カメラの映像を組み合わせ、「誰が、いつ、どこで、どのような状態にあるか」を確認することができるサービスです。
BLEセンサー技術と監視カメラを組み合わせて、人やモノの動きを可視化するサービスは、TOPPANが開発し2017年から提供を開始、2021年には特許を取得しています。クラウド環境を使ってセンサーから得た情報を記録し、監視カメラが設置された半径30m以内で、現場の作業状況を遠隔地から閲覧することができるため、工場や作業現場などの安全管理や各種施設での見守りに対しても有効なソリューションです。

※「ID-Watchy®」「ID-Watchy® Bio」の監視カメラのご利用はオプションサービスです。


「ID-Watchy®」 によるお子様の見守り支援

「ID-Watchy®」 通園バスの園児見守り

 昨今、幼稚園や保育園等の通園バスでのお子様の置き去り事故が相次いでおり、2022年9月に発生した「通園バスの園児置き去り死亡事件」以来、安全対策について様々な検討が行われ、2022年12月20日、国土交通省によってガイドラインが制定されました。

TOPPANでは、この事案に対し、「ID-Watchy®」の「不正侵入アラート」が活用できると考え、検証を進めています。不正侵入アラートは、「センサー内に誰かが入るとブザーで知らせる」「センサー外に誰かが出るとブザーで知らせる」という機能です。例えば、通園バス車内と園内にビーコンセンサーを設置し、お子様たちがビーコンカードを所持することで、お子様の移動状況(何人がバス内にいて、何人がバス外に出たかなど)を検知することができます。

通園バスでの移動について実証実験を行ったところ、通園バスから園内へ移動する園児の移動時間の誤差は約10秒程度と、ほぼリアルタイムで確認できることがわかりました。
今後も国土交通省のガイドラインを踏まえた検証を進めていく予定です。

「ID-Watchy®」園外での園児見守り

また、公園などに園外に行く場合でも、園出発時、公園到着時、公園退出時の人数確認が可能になります。先生がビーコンセンサーを所持すれば、園児がセンサーの受信範囲からはずれるとアラートが鳴り、園内でも確認して、公園にいる引率の先生に通知することもできます。

「ID-Watchy®」でお子様の事故を防止

TOPPANでは園内での安全確認、事故防止にも「ID-Watchy®」の活用を広げています。例えば園内にセンサーを設置することで、園内のどの教室に園児が何人いるのか、どの教室に移動したかを把握できますが、さらにオプションのバイタルモニターBeaconを使って園児たちの血圧や心拍数などのデータを取ることで、園児のストレス検知を行い、データを分析することで、より手厚い見守りが可能になります。

「ID-Watchy® Bio」は、位置情報とネットワークカメラの映像データによって腕時計型生体センサーを装着した人のバイタルデータを取得するIoT可視化サービスです。「ID-Watchy® Bio」を使った園内見守りサービスの実証実験では、「MEDiTAG」というバイタルモニタービーコンをお子様たちに装着して普段の生活の中で計測、監視カメラの映像を見ながら、脈拍や血圧などとの関係性を検証しました。ストレス値が上がった時間と実際の映像を照らし合わせることで、興奮状態になったのがどのような場面かを把握できます。そのため、園内では特に「落ちる」「転ぶ」など事故に繋がる場合に注目した活用が期待されています。保護者からは、「園内での子どもの事故が減ることを期待する」「会話が難しい子どもの助けになる」などのお声が寄せられました

※「ID-Watchy® Bio」は2023年4月に、「ID-Watchy®」にサービスを統合しました。


より精度の高い位置情報の取得可能な「ID-Watchy® UWB」

「ID-Watchy®」はBluetooth技術による位置情報の取得をおこなっているため、電波測定誤差が2mほどありました。そこで、より詳細な位置情報が必要な現場に対応するため、超広帯域無線通信(Ultra Wide Band, 以下UWB)を活用した「ID-Watchy® UWB」を開発し、誤差50cmまでの正確な計測が可能になりました。

従来の「ID-Watchy®」では同じ区画で作業している人の位置情報は把握できても、どの席で作業しているかまではわかりませんでした。「ID-Watchy® UWB」なら、1m間隔で作業する作業者の状況も、より正確に把握することができます。
サービスについての詳しい説明やお問い合わせは、以下各サービスページよりご確認いただけます。
ぜひお気軽にお問い合わせください。


【登壇者】
凸版印刷株式会社
DXデザイン事業部 事業推進センター
松枝 毅(まつえだ つよし)

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2022.12.14