ID-Watchy® UWB・
ID-Watchy® Bio
体験レポート
※2022年9月に開催された展示会のレポートです。
2022年9月14日から3日間にわたり東京ビッグサイトで開催された「第24回自動認識総合展」のTOPPANブースでは、『Erhoeht-X®で拓く未来志向のTOPPAN IDソリューション』をテーマに、製造・物流領域の様々なソリューションを展示。3日間を通して大勢のお客さまにお越しいただきました。今回は「ID-Watchy® UWB」と「ID-Watchy® Bio」のデモの模様をレポートします。
ここではTOPPANブースで、説明員を担当したDXデザイン事業部 事業推進センター 高橋 昂大(写真左)とDXデザイン事業部 事業推進センター 松枝 毅(写真右)より、「ID-Watchy® UWB」と「ID-Watchy® Bio」のご案内をいたします。
ID-Watchy®は、製造業や建設業などの現場を見える化し、ヒトやモノの安全を守るために開発したIoT監視サービスです。BLE(Bluetooth Low Energy)センサーと監視カメラの連動により高精度な監視を実現しています。今回の展示会で紹介した2つは、ID-Watchy®の基本となる技術やコンセプトを活かし、より高い精度で人員管理が実現できるほか、人手不足になりがちな、保育園・幼稚園や介護施設などでもご活用いただけるソリューションです。
【Part1】ID-Watchy® UWB
ID-Watchy® UWBとは、障害物の影響が少なく、より詳細な位置情報を取得できるUWB(Ultra Wide Band)帯の無線通信を利用する仕組みです。ID-Watchy® UWB最大の特長は、発信器の高さ・距離や動きを誤差数センチメートルほどの高精度で把握できることです。小型の発信器を身につけた人物の位置や動き、転倒有無などをリアルタイムで把握できます。
今回は、TOPPANブースの躯体の上部4箇所から下に向けて受信機(ロケーター)が設置されていました(ブース平面図の赤い■)。受信機(ロケーター)は今回3mほどの高さに設置されていたので、発信器(UWBタグ)の位置測定可能エリアは下図のような範囲です。
デモでは、まずはUWBタグを手に持ち、ID-Watchy®コーナーに置かれたモニター画面のすぐ左に立ってみました。モニター画面の青い丸が、受信機(ロケーター)で測位したUWBタグの位置です。
次に、そのままブース内を少し移動すると、画面上の青い丸もリアルタイムで移動。2~3mの距離の移動状況を、画面上で正確かつリアルタイムに確認できました。試しにUWBタグを手に持ったまま動かしてみると、ほんのわずかな動きにも反応して画面上の位置が変化。精度の高さが伺えました。
ID-Watchy® UWBの用途やニーズについて、松枝は次のように語っています。「今回の展示会では、製造業のお客さまに向けて、工場など現場での活用提案をおこなっています。製造業では“作業の無駄”を見つけて改善する活動を日常的におこなう必要がありますが、位置や動きを高精度で計測し記録できるID-Watchy® UWBを導入すれば、作業員の導線の無駄をあぶり出し、作業工程や現場のレイアウトを改善することができます。また、UWBタグを工具に装着すれば、使用頻度や取り出して使用して、片付けるまでの動きを可視化し、工具の配置を改善する際に役立てることができます。」
今回のデモで使用したUWBタグは5cm✕5cmで厚さが1cmほどで、ポケットに入れるには少しかさばる印象でしたが、現在カードサイズのUWBタグを開発中とのことで、存在を意識することなく携行したり、装着もしやすくなる為、さらに用途が広がりそうです。
【Part2】ID-Watchy® Bio
※「ID-Watchy® Bio」は2023年4月に、「ID-Watchy®」にサービスを統合しました。
ID-Watchy® Bioとは、専用のバイタルモニタービーコン「MEDiTAG(メディタグ)」を装着した人物の、脈拍/血圧/歩数/転倒有無/ストレスレベルなどの情報を、受信機(BLEセンサー)を介してリアルタイムで取得する仕組みです。お年寄りや幼児などの健康状態を可視化し、転倒や高ストレス状態時の迅速な対応を支援します。
健康状態をモニタリングするID-Watchy® Bioでは、対象者はバイタルモニタービーコン「MEDiTAG」を装着します。MEDiTAGは9軸センサーや気圧センサー、光学脳波センサーを搭載しており、脈拍/血圧/歩数/消費カロリー/転倒検知/ストレス値などの数値を計測可能です。ちなみにストレス値は、脈波センサーで計測した交感神経・副交感神経のデータを元に算出するそうです。建物の構造・環境にもよりますが、受信機(BLEセンサー)から最大半径20m程度の範囲で受信可能で、脈拍やストレス値、転倒などについてアラート設定も可能です。
展示会では、MEDiTAGを装着した高橋に展示会場内を歩いてもらい、数値の変化などを確認しました。下の写真がその時の数値(血圧/心拍数/ストレス値/転倒回数)が表示された画面です。念のため、高橋に広い展示会場内を早足で一周してきてもらったところ、心拍数の上昇がみられました。
計測データはクラウド上に保存され、専用アプリの画面で過去一定期間の推移も確認できます。
最後に、千葉県の保育園で2週間にわたりおこなわれたID-Watchy® Bioの実証実験について、松枝に尋ねたところ、次の様に語っています。「元々ターゲットとした製造業や建設業だけでなく、スタッフの確保が難しく人手不足になりがちな、保育園・幼稚園や介護施設などにおける“安全管理”にも有効だと考えています。2021年の10月18日から11月12日にかけて、株式会社ハイフライヤーズ様が千葉県で運営する保育園「キートスチャイルドケア・ベビーケア」の2施設で、園児の健康状態や行動を可視化する実証実験を実施しました。園児の体調異変や転倒・転落などをデータで検知し、ヒューマンエラーを補うことが目的ですが、保育室に設置しているネットワークカメラの映像とあわせて確認することで、園児の安全実現に一定の効果を確認することができました。あくまで事後対応にはなりますが、転倒を検知した瞬間や、ストレス値が高い状態について、その時園児がどこで何をしていたのかを映像で確認し、原因を分析して対策を施すことができるようになります。株式会社ハイフライヤーズ様では、今回の実証実験の結果を基に、2022年度に運営する13の保育園でのID-Watchy® Bio導入を予定しています。」
この実証実験では、ストレス値とカメラ映像を組み合わせて分析していましたが、同様の手法は、保育園・幼稚園だけでなく、介護施設での見守りや製造業などの安全管理に対しても有効なソリューションです。
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2022.10.10