事例紹介

「BRIDGITAL for matching」の活用で
会員と農家をリアルにつなぐ!
~人と人とのマッチングが新たな旅の価値をつくる~

人口減少と高齢化が進む農村部では、担い手不足が深刻な課題となっている。一方、都市部では、本物の体験や人とのつながりへの需要が増すばかりだ。

農業体験を通じて、ANAマイレージクラブ会員様へ新しい出会いや生きがいを提供し、また農家の経営資源(主に人手)不足解消支援やふるさと納税など関係人口の創出に貢献していくことを企図して 全日本空輸株式会社様(以下、ANA様)が立ち上げたのが「ANAアグリ部」である。


ANAマイレージクラブ会員と全国の農家をつなぐマッチングプラットフォームとして、TOPPANの『BRIDGITAL® for matching』を採用した経緯と成果について、全日本空輸株式会社 CX推進室 千歳敬雄氏にお話を伺った。

全日本空輸株式会社 CX推進室 千歳敬雄氏

4,400万人のクラブに、人の交わりを生み出したい

旅や暮らしに関連したサービスを提供する「ANAマイレージクラブ」には、現在4,400万人の会員が在籍する。しかし千歳氏は長年、その規模に対してある課題意識を抱いていた。

「クラブという名称を掲げている以上、そこに人の交わりが生まれてこそ意味があるはず。会員基盤を活かして、人と人が直接つながれる場をつくりたい。その思いからANAアグリ部を立ち上げました」と、千歳氏はサービスページ立ち上げの想いを振り返った。

2025年11月にスタートしたANAアグリ部は、農業に関心を持つマイレージクラブ会員様と農家をつなぐサービスで、目的は単なるレジャー体験の提供とは一味ちがう。

「農家の日常や営みを『体験』として知ってもらい、農業や自然への関心を、実際の関わりを通じて深めてもらうことを重視している」と、千歳様はサービスに掲げた想いを説明した。

ANAアグリ部の特徴

ANAアグリ部の参加者層は30から50代までと幅広く、農家出身者から農業に初めて触れる都内在住者もいる。受け入れる側も、作業の手伝いを求める場合や交流そのものを歓迎するケースまでさまざまだ。

現在の舞台は千葉県の多古町。成田空港周辺に位置し、やまと芋や多古米で知られる農業地帯だ。ANA社内の人脈をたどるなかでつながりが生まれたが、この地を選んだ決め手は紹介だけではない。

今回の取り組みに前向きで、地域の魅力発信に意欲を持つ役場の姿勢が際立っていた。「農家の紹介や説明会の会場提供など、町全体で我々の活動をサポートしてくださいました。人のつながりを大切にする温かさに、長期的なサービスをともにおこなうビジョンが湧いたのを覚えています」と、千歳氏は振り返る。

また事業の根底には、千歳氏自身の問題意識がある。日本における農業の産業規模は、GDP比1%前後にとどまる地域も多い。しかし雇用創出やコミュニティの維持において農業が果たす役割は、数値だけでは測ることができない。「航空会社として人を全国に運ぶ以上、地方の経済的な営みとも接続していかなければ、移動そのものの価値も上がりません」と、千歳氏は語る。

※農林水産省:令和6年の国内総生産(https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/index.html)参照

一方的な取引で完結させない、関係性を育てる仕組みづくりへ

サービスの仕組みを設計するにあたって、千歳氏がまず問い直したのは「どのようなユーザー体験を実現すべきか」という点だった。

情報収集の当初はEC系のSaaSを中心に検討していた千歳氏だが、以前からサイト構築で付き合いのあった「株式会社サンカクカンパニー様」に相談したことが転機となったという。

サンカクカンパニー様が、TOPPANのサービス「BRIDGITAL® for matching」を発見。会員が自発的に活動へ参加するという構造に可能性を感じ、問い合わせへと進んだ。

「地域と利用者の関係性をどう育てるかという視点は外せませんでした。農家と参加者当日だけでなく、その後も関係が続くような場を目指したとき、サービスの購買を軸にしたシステムでは物足りないと感じました」

参加者・農家のニーズが“N対N”のごとく無限に広がる以上、画一的な購買フローでは対応しきれない。双方が希望を開示し合いながら最適な出会いを見つけていく「マッチング型」の設計こそが、ANAアグリ部の本質に合致すると結論づけた。

カスタマイズの柔軟さを武器に、早期リリースを実現

導入にあたり、直近の課題として挙げられたのはリリース期間の短さだった。2025年7月より相談を開始したものの、11月10日のサービス開始までは約4カ月しか残されていなかった。

フルスクラッチ開発では到底間に合わないことは明白だったが、BRIDGITAL® for matchingの仕組みがこの制約を乗り越える鍵となった。

BRIDGITAL for matchingで実現できること

「このサービスを選んだ理由の一つに、既存の開発エンジンをベースにした“半カスタマイズ形式”でのサイト構築が可能な点があります」と千歳氏。サンカクカンパニー様がフロントサイトを担い、TOPPANの『BRIDGITAL® for matching』が部員専用サイトのマッチング機能を担う役割分担をしたおかげで、スピード感を持ってリリースへ漕ぎ着けられたという。

また、サービスにかかるコストについても「得られる機能と品質に対し、納得感のある水準でした」と、千歳氏は評する。

チャット機能による継続的な関係性が、想定を超えた成果を生む

リリース後、千歳氏が想定を超える成果を生んだと感じているのが、農家と参加者の間のチャット機能の存在感だ。ニーズに合わせたカスタマイズを得意とする同サービスにて「申し込み後に、農家と参加者が直接メッセージでやりとりできる仕組み」の構築が実現した。

「人と人のコミュニケーションが生まれる余地が、システムとしてデフォルトで担保されている点は、まさにANAアグリ部が理想とする運営形式です。参加者がどのような方なのかを事前に把握できるため、当日のミスマッチを防げる点もメリットとして挙げられます」と、千歳氏は力説する。

双方が直接認識を合わせられる構造は、運営の円滑さを支えることにもつながっている。参加者からの反応はポジティブなものが多く、事前のやりとりを通じて関係性が深まることで、継続して足を運ぶ方も見受けられるという。

「稼働後にこれほど安心感があったシステムは、これまでの経験でも記憶にないほどです。官公庁にも採用されているレベルのセキュリティ基準は、お客さまからの信頼を重視する当社にとって欠かせない要素でした」

また、やり取りにおいても「グループチャットへ質問を送ると担当者がすぐに受け取り、社内でエスカレーションする様子までオープンに共有されます。毎週のミーティングを起点に適切な回答も得られるため、進行が滞る感覚を覚えることがありません」

複数のベンダーを介することなく、ダイレクトに連携できる点にもメリットを感じているという。「TOPPANの企業規模からは想像もつかない柔軟さがある」と、千歳氏は強調した。

農業を起点に、世界へ「体験」の面白さを提供したい

ANAアグリ部は現在、個人会員と農家のマッチングを中心に据えているが、千歳氏はすでにその先を見ている。

旅行先として人気の高い石垣島でのサトウキビ収穫・植付とビーチクリーンを組み合わせたアグリツーリズム的な取り組み、法人向けの福利厚生としての活用、長期滞在のインバウンド旅行者へのローカル文化体験の提供、自治体との連携による取り組みへの発展など、地域と形態のバラエティ拡充が予定されているのだ。

「農業という接点が、航空事業そのものへの付加価値に直結すると考えています。ガイドブックに掲載されていない体験を提供できることは、ANAを選んでいただける理由になると感じています」と、千歳氏はサービスへ取り組む意義を語る。

またスケールについては、登録者数より参加者の“活動頻度”を重視する姿勢を保っているという。名目上の規模より、実際に継続して参加する会員の比率こそが、価値を測る指標だとし、既に多くの自治体や企業から連携の打診が来ていると反響の強さを語る

「将来的には、利用者数の増加に伴う“検索利便性の向上”を図らなければなりません。そのような未来に発生する課題についても、BRIDGITAL® for matchingのカスタマイズ性を駆使すれば解決が可能です」と、千歳氏はサービスへの期待を寄せた。

人と人をつなぐプラットフォームがここにある

千歳氏はインタビューの最後に、BRIDGITAL® for matchingの導入を検討している企業の担当者へこう語った。

「現代の消費者は、モノそのものではなく背後にある物語や体験に価値を見出しています。コンシューマー向けのサービスで人と人の関係性を育てることを目指しているなら、『BRIDGITAL® for matching』は有力な選択肢の一つです」

農業という営みと、4,400万人の会員基盤というデジタルネットワークが交差するところに、ANAアグリ部の可能性がある。その挑戦を支えるインフラとして、『BRIDGITAL® for matching』が事業要件と設計思想の両面で適合性を示したソリューションとなった。

さいごに

BRIDGITAL for matchingは、プラットフォームの構想策定からマッチングサイトシステム構築、さらには円滑な運営を支える事務局サポート、成果最大化のためのコンサルティングまで、お客さまのビジネスフェーズに合わせた伴走支援で、その成功をトータルでご支援します。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。


全日本空輸株式会社様インタビューコラム

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2026.07.15

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