コラム

【展示会レポート】第26回自動認識総合展

TOPPANグループが全社の総力をあげて社会や企業のデジタル革新を支援すると共に、グループのデジタル変革を推進するコンセプト「Erhoeht-X®」(エルヘートクロス)。

TOPPANデジタルはこのコンセプトに基づき、東京ビッグサイトで9月11日から13日まで開催された「第26回自動認識総合展」に出展。
「Erhoeht-X®で新しい未来を創るTOPPAN 自動認識ソリューション」をテーマに、製造・医療医薬・流通分野などでのDXに向けた省人化・効率化を実現するソリューションを展示、紹介しました。多くの来場者から注目を集めたTOPPANデジタルによる画期的な自動認識技術の展示の様子をリポートします。


NAVINECT® 製造DXが簡単に 工場の自動化・リモート化で生産性向上へ

NAVINECT本部 吉中郁夫

まずご紹介するのは工場の自動化とリモート化で生産性の向上を実現するソリューション「NAVINECT®」です。TOPPANグループが提供している製造DX向け総合ITソリューション「NAVINECT®」はペーパーレスや製造IoT、品質向上支援など、製造業のDXに必要な12種類のパッケージを組み合わせてお客さまに提案しています。展示会の会場ではその中の一部ではありますが、デモンストレーションを行って使いやすさや利便性を来場者に紹介しました。

NAVINECT®「作業者管理」× 顔認証

スピードと精度を両立した顔認証技術

こちらは顔認証サービスです。今回の展示では検査や品質管理で不正を防ぐ用途として展示しています。従業員それぞれの属性として資格や習熟度、業務経験などを付与し、相応の人員が作業に対応する計画を登録します。

人員ごとの作業履歴を一目で確認

操作しやすいパソコンの管理画面で作業履歴と共に運用することが可能です。最小単位ではパソコン一台あれば導入が可能で、専用のカメラやデバイスは新たに必要ありません。その一方で「認識速度1秒以内、精度99.83%」というスピードと精度を両立。最新の顔認証技術で企業にとって大きな損失になりかねない改ざんや不正を抑止できます。
また別途関連デバイスと組み合せることで、顔認証によってゲートや扉を開くことができたり、非接触で発熱者やマスクの非着用者を検知しアラートを出せます。

NAVINECT®「在庫管理」

アプリで商品がどこにあるのか「見える」

アプリに製造現場に特化した機能が盛り込まれ、在庫管理や棚卸が簡単に行えます。この「在庫管理アプリ」を使えばどこに何があるのかリアルタイムで一元管理。クラウドサービスのため、パソコン、スマートフォン、タブレットでどこからでも確認することが可能です。

データと現物を照合 不整合の防止も

「棚卸」アプリでは棚卸の計画作成から結果承認まで管理が可能。実地棚卸では在庫に貼られた管理ラベルを読み取ってデータと現物を照合し、整合を確認できます。一元管理された在庫情報はグラフなどで「見える化」。わかりやすさで正確な在庫の運用を支援します。

ID-Watchy® UWB

画面に人員などの動きがリアルタイムで確認可能

こちらは工場・倉庫内で作業員や搬送車がどのように移動したのか詳しい動線の履歴を可視化するサービスです。位置精度が数cmから50cmという高い精度の計測が可能で、パソコンの管理メニュー画面でライブデータが可視化できるほか、シミュレーション機能などを活用して詳細に分析、作業の効率化をはかることができます。
また既存の他社製品と比べて安価で提供できることもサービスの魅力です。

「NAVINECTにはお客さまそれぞれが製造現場で抱えている課題を解決できるサービスを多数揃えています。TOPPANグループが持つ技術力を駆使して効率化・省力化、安全・安心などの課題やご要望の解決にNAVINECTが役立つと考えています。ぜひお気軽にご相談ください。(吉中)」


「開封検知機能付きデュアルICタグラベル」
医療医薬業界を中心に安全・安心と効率化を実現

カード・IoTソリューション本部 秋葉直樹

次にご紹介するのは医薬品が開封されたことを検知し、使用する医師や患者などが簡単に確認できる画期的なICタグラベルです。TOPPANデジタルがこのほど新たに開発し、従来使われているUHF(物流在庫管理などの長距離管理で使用、専用リーダで読み取り)とNFC(医者や患者による医薬品の真贋、商品情報の閲覧で使用、スマートフォンでも読み取り可能)の2種類の周波数に一枚のICタグラベルで対応できます。
患者の安全・安心のため医薬品などの管理の厳格化が求められている中で、安全性と利便性を兼ね備えた製品となっており、ブースではその一括読み取りのデモンストレーションを披露しました。

開封で回線が切断

医薬品が開封され回路部が切断されると読み取りデータが変化し、検知されます。
2種類の周波数に対応できることで、製造現場から実際に使用される医療現場までのトレーサビリティが実現。検品などの負荷軽減や医師や患者による適切な服薬管理にもつながります。

開封・未開封をパソコンやスマートフォンで確認できる

「両方の周波数に対応し、開封も検知できるという点で画期的な製品と考えています。医療という人命に関わる分野では医薬品の中身の入れ替えなどは絶対に起きてはならないことで、医師や患者の方々がこれまで以上に安心して医薬品を使用できることが大きなメリットです。また読み取りも簡単で迅速にできることから利便性も高く、製造や物流の現場での効率化で業務負担も減り、多くの方に喜んでいただける製品となっています(秋葉)」

この「開封検知機能付きデュアルICタグラベル」は今年(2024年)10月から販売されています。


「スマートシェルフ管理システム」
複数店舗の管理を一元化、消費者行動を可視化・販促活動に活用へ

カード・IoTソリューション本部 張茹

店舗で消費者がどの商品に関心を寄せているのかデータで知りたい、またその商品の情報を消費者にわかりやすく伝えて販売促進につなげたい。そんな小売業者に役立つ「スマートシェルフ管理システム」のデモンストレーションを、「書籍」と「化粧品」の売り場を想定して実施しました。

「スマートシェルフ管理システム」は、まず消費者が店舗の棚からICタグ付き商品を手に取ると、棚の上に設置されたアンテナによって商品が取られたことが自動認識されます。手に取られた日時や回数、回数のランキング、それに在庫状況などのデータもパソコンにグラフなどを使ってリアルタイムで可視化できます。これによって人気商品などの分析が簡単になり、棚の陳列の見直しなどに役立ちます。また、一つの店舗だけでなく複数の店舗のデータも一元的に管理できるのも特長で、各店舗での売れ筋情報を高い精度で迅速に把握することも可能です。

商品が手に取られた回数などがわかりやすく可視化

さらに消費者が商品を手に取ったことを感知すると棚などに設置されたモニターにその製品に関連する配信コンテンツを自動的に再生させることも可能です。消費者に商品の情報をその場でわかりやすく伝えることで販売促進をはかることができます。人気商品に重点を置いた配信コンテンツの切り替えもでき、消費者へのプロモーションにも役立ちます。

消費者行動に即応した配信コンテンツへの切り替えにも役立つ

「スマートシェルフで使うICタグとRFIDリーダの周波数帯にはUHF版とNFC版の2種類があり、使用するICタグの周波数帯に応じてどちらかをシステム導入時に選択可能です。どちらの周波数帯でも、棚の形状や大きさ、アンテナの設置位置など、現在お使いの棚に合わせて柔軟に対応が可能です。今回紹介した書籍や化粧品だけでなく、様々な管理対象物、用途に合わせて提案させていただきます。システムを検討・導入される際には私たちが丁寧にサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。(張)」

この「スマートシェルフ管理システム」は2025年4月から本格提供を開始します。


製造・医療医薬・流通など幅広い分野で課題解決に貢献します

今回の自動認識総合展では、製造現場のDXから医療医薬、そして消費者にとって身近なショッピングなどの分野でTOPPANデジタルの画期的なソリューションを展示し、多くの来場者に知っていただく貴重な機会となりました。
TOPPANは今後も多岐にわたる分野で社会課題や様々な業界の課題解決に貢献いたします。

2024.10.15

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