コラム

【展示会レポート】第25回自動認識総合展

TOPPANは2023年9月13日から15日に東京ビッグサイト東ホールで開催された、国内唯一の自動認識技術&ソリューションの専門展示会「第25回自動認識総合展」に出展いたしました。

今回のTOPPANブースのテーマは、『Erhoeht-X®(エルへートクロス)で拓く 未来志向のトッパンIDソリューション~凸版印刷からTOPPANへ~』。※
省人化・効率化のニーズがますます高まる中で、遠隔での作業支援を可能とする「通信」「センシング」「画像認識」に関するTOPPANの技術を紹介しながら、遠隔支援ソリューションの活用が期待される業界「製造」「物流」「医療」での活用例・アプローチ例を展示しました。

本レポートでは、第25回自動認識総合展で展示したソリューションの一部をご紹介します。

※Erhoeht-X®(エルへートクロス)とは
TOPPANグループが全社をあげ、社会や企業のDXを支援するとともに、グループ全体のDXを推進するコンセプトです。


展示ソリューションのご紹介

販促プロモーションにもつながる「容量検知NFCラベル」

TOPPANブースでは製造から流通まで幅広いシーンで活用可能な様々なICタグを紹介していました。
まず本レポートで紹介するのは「容量検知NFCラベル」です。

スマートフォンのタッチパネルでも使用されている静電容量式センサーですが、本製品はその静電容量式センサー機能を搭載したICチップを採用しています。TOPPANのアンテナ設計技術を組み合わせることで、ボトルなどの容器内の液体残量を非接触で検知する機能を持ったNFCラベルを実現しています。不透明で中身の見えない液体ボトルの残量も、スマートフォンで読み取ることで簡単に把握できます。

化粧品の容器は意匠性を重視するため中身が見えない仕様であることが多く、ユーザーが残量を簡単に確認できないというシーンがあります。本製品を容器に貼付することで、残量確認が簡単に行えるようになります。企業側もキャンペーンと組み合わせて活用し、センシングデータを集約することで、ユーザーのリアルな使用実態を把握した販促プロモーションを実施することが可能になります。
ユーザーは欲しいタイミングと頻度で追加購入の有益な情報を得られるなど、双方にとってメリットある活用が期待されます。

さらに真贋判定機能を掛け合わせることでブランドプロテクションとの両立も可能です。

「こんなふうに簡単に確認ができます(TOPPANデジタル RFID販促チーム 秋葉)」

製造DXソリューション「NAVINECT®」

生産拠点のリモート監視で異常の早期発見や早期対応することができるのがNAVINECT。
今回の展示では「遠隔監視」の様子を体感いただけるよう、TOPPANグループの生産設備拠点を「高画質」「低遅延」「常時接続」のほぼリアルタイムでつなぎ、ご覧いただきました。

リアルタイム把握を実現しているこの遠隔監視では高圧縮カメラを使用し、遅延が少ない状態で映像の美しさもキープ。低容量・クラウドとの連携を視野に入れた運用設計になっています。

生産設備の実際の動きがソフトウェアの数値としてどう表示されるのか、その連動の様子を中央管制指令室のように画面切り替えをして把握することも可能です。

「すぐそこに現場があるような使用感をご確認いただけたら…!(TOPPANデジタル 品質企画チーム 佐藤)」

工場の点検作業の業務改善を実現「e-Platch」

保全に必要なデータをLPWA通信技術「ZETA」を使用して自動収集するe-Platchは4月に販売開始して以来、多くの関心をお寄せいただいています。
工場や設備の巡回・保守点検をする上での人手不足や、CSR認証といった環境配慮型の企業運営をしていく上で、より素早くデータを取得することや異常発見を早くすることに注目されている方が多い印象です。

そのデータを取る際にどこに着眼点を置くかが大切で、弊社の出自が製造業であったということからヒントを得るということも多いです。
今回展示したアナログメーターのデータ読み取りは、針の角度でデータを取るものになっています。今までOCRや画像認識で行うことはありましたが、例えば、1と2の間に針があった際にどうしても読み取る人によって、1.5なのか1.6なのか数値のとらえ方は違ってきます。ここを角度で取ることで標準化することが可能になります。

収音センサーはTOPPANの工場でも実験的に導入されており、販売開始以降はお客さまの騒音対策として試験導入の希望をいただくことも多いです。

これらはどれも巡回・保守点検という実際に人が見て回る作業をピンポイントで改善できます。弊社内工場では巡回・保守点検に月500時間ほどかかっていましたが、ZETAを用いることでそのうちの200時間を置き換えることができました。
点検業務だけではなく、資料を作るなど周辺業務の効率化にもつながっています。
また、夜中の点検は安全面からも危険が多く、点検置き換えによって純粋にこの危険を減らせることも有益ではないでしょうか。

あとは測定の回数が増やせるので、よりデータの粒度も上がって読み取れる情報が増えていき、今後のデータ活用もより有益な内容にすることができるようになります。
今後はこのデータ解析のところでもご支援できることがあれば、と考えています。
(TOPPANデジタル ZETA・IoTソリューションチーム 山田)

TOPPANエッジのソリューション

今回医療分野での自動認識ソリューションとして、グループ会社TOPPANエッジのボックス型RFIDリーダを展示しました。このリーダの中にICタグが付いた医薬品や医療材料などを入れると、中に入れた物だけを一括で読み取りができるため、医療現場での業務改善が可能となります。

医薬品や医療材料などは、メーカーの物流センターや病院の倉庫など、限られた作業スペースで入出荷検査や員数管理を行う必要があります。
ボックス型RFIDリーダは机の上におけるコンパクトサイズで設置も簡単です。周囲にICタグが付いた医薬品や医療材料がたくさんあっても、中に入れた物だけを瞬時に読み取るため、目視やバーコード読み取りと比べ、作業の大幅な効率化が可能です。

また、医薬品や検体などは輸送・保管時の温度管理が重要です。オントレイシスタグ(温度ロガー)なら保冷箱や冷蔵庫などに設置することができ、医薬品や検体などの輸送・保管時の温度に対する逸脱確認や位置確認に役立ちます。

通常、基準温度に対する逸脱があると薬品の品質が保たれないため廃棄をしなくてはならず、時には数千万円に及ぶ廃棄金額が問題になることもあります。
このオントレイシスタグを用いると、設定した間隔で温度情報を取得することができ、廃棄を減らすことにもつながっていきます。
廃棄される薬品が少なくなれば、その薬品を必要とする人にも行きわたる分が多くなり社会的にも意義は大きいのではと思います。
また、将来的に実用化が望まれる、離島や過疎地へのドローンを使った医薬品配送の実証実験でもオントレイシスタグは活用されており、様々な輸送方法での温度管理対応を実現しています。

このように、ボックス型RFIDリーダとオントレイシスタグを活用し、医療分野の現場が効率化されることで、人による手当てが必要なところに人を配置できるようになればよいと思います。

最後に

今回ご紹介した、製造・物流・医療業界以外にも様々な業界で応用可能なソリューションがございます。
是非お気軽にお問合せください。

2023.10.31

新着記事 LATEST ARTICLE
    人気記事 POPULAR ARTICLE
      関連サービス SERVICE