コラム

ルーバーを室内間仕切りに|材料の種類とメリット・デメリット、選び方のコツ

空間を間仕切るためにルーバーを採用する事例が増えています。しかし、間取りに取り入れる場合は事前に知っておいていただきたい注意点もあります。

そこで、本記事ではルーバーの用途や材料の種類、ルーバー間仕切りのメリット・デメリットを解説します。併せて材料選びのポイントやTOPPANおすすめの内装材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


◎◎

<目次>

■ ルーバーとは|用途と材料の種類
■ ルーバー間仕切りのメリット
■ ルーバー間仕切りのデメリット
■ ルーバー材選びのポイント
■ 耐久性・意匠性の高いTOPPANの内外装ルーバー材「フォルティナ」
■ まとめ


■ ルーバーとは|用途と材料の種類

ルーバーとは羽板(はいた)と呼ばれる細長い材料を一定の間隔で縦もしくは横に並列したものを指します。建築においてルーバーはいくつかの役割や用途があり、材料の種類によって特徴が異なるため、事前に違いを確認しておきましょう。

役割・用途

ルーバーの役割は、主に「日射・視線の遮蔽」と「デザインアクセント」、「通風の確保」で、以下の部位に採用されます。

・【ガラスカーテンウォール(外壁)】:日射遮蔽・視線の遮蔽(室内のプライバシー保護)
・【開口部(窓)】:日射遮蔽・視線の遮蔽(室内のプライバシー保護)・通風確保
・【庇】:日射遮蔽
・【天井】:デザインアクセント
・【間仕切り(パーテーション)】:視線の遮蔽(空間ごとのプライバシー保護)・デザインアクセント

ガラスカーテンウォールや窓、バルコニーの前にルーバーを設置すると、日射熱や紫外線による影響が軽減され、室温の上昇や空調効率の低下、内装材の劣化を抑えられます。ビルなど周囲の建物の影に入らず常に日当たりの良い場所では、ルーバーが大きな効果を発揮するため、省エネの観点から採用されるケースも珍しくありません。

日射遮蔽に加えて視線遮蔽の目的でルーバーを取り入れる事例も増えています。間仕切りに採用するケースは、人の視線を“適度”に遮りつつ、採光や通風を確保できる点がポイントです。

材料の種類と特徴

ルーバー材は主に、「木製」「アルミ製」に分かれます。

・【木製ルーバー】:天然木を細い角材に加工したもので、ナチュラルな見た目と質感が魅力的である一方、変形しやすく樹種によっては重く高価
・【アルミ製ルーバー】:軽量で施工性が高く、雨による影響や汚れに強いため、メンテナンスにかかる手間やコストを抑えられる

このように、それぞれ特徴が異なるため、デザインや予算に適したルーバー材を選ぶ必要があります。

【ポイント】
TOPPANは60年以上培った建物デザインのノウハウや技術を活かし、化粧シートとアルミニウムを組み合わせた不燃意匠材「フォルティナ」を製造しております。
内外装材としてご採用いただけるルーバー・手すりルーバー・スパンドレル・リブパネル(フォルティナレッジ)がございますので、ぜひご採用ください。

■ ルーバー間仕切りのメリット

ルーバーを間仕切りに採用する事例は少なくありません。その背景には、以下のようなメリットが関係しています。

視線を適度に遮断できる

ルーバーは細長い材料が連なって構成されるため、壁のように視線を完全に遮断せずに空間をゾーニングできます。また、壁を建てるよりも圧迫感を抑えられて軽やかな印象に仕上がる点もポイントです。主に部屋の一角にある商談スペースなどの半個室空間に採用されます。

採光・通風を完全に妨げない

ルーバーは間仕切り壁のように通風や採光を完全に妨げる訳ではありません。そのため、空調機器や照明器具を増やす必要がない場合もあります。ただし、何もない状態よりは空調効率や照度(照明の明るさ)は劣るため、設計段階でのシミュレーションが必要です。

間仕切り壁を建てるよりも省スペース・省コスト

ルーバーを設置する場合、間仕切り壁を作るよりも必要になるスペースは少なく、コストも抑えられます。そのため、ルーバーによる間仕切りは「コンパクトなスペースでも空間を区切りたい」「費用をかけずに落ち着けるスペースを作りたい」という場合におすすめです。

後から撤去しやすい

賃貸物件やテナントの場合、契約終了時に原状復帰したりスケルトンにしたりしなくてはいけない場合が大半です。その場合でも、壁をたてるよりルーバーの方が工事費用(作業費・廃材処分費など)を抑えられます。そのため、ルーバー間仕切りは店舗やオフィスの内装で多く採用されています。

インテリアデザインのアクセントになる

ルーバー間仕切りはシンプルなインテリアに取り入れると視線を集めるデザインアクセントになります。ルーバーの幅が広くなるほど高級感が増すため、オフィスやホテル、店舗などのエントランス正面に採用される事例は少なくありません。

【ポイント】
ルーバーは、間仕切りの用途に加えて室内天井や外壁仕上げ材、目隠しとして取り入れられます。TOPPANのアルミ不燃意匠材「フォルティナ」は内装・準外装・外装仕様をお選びいただける点が強みです。

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■ ルーバー間仕切りのデメリット

ルーバー間仕切りには、空間構成やデザイン、コストなどの観点からメリットがありますが、一方でプランに取り入れる際に知っておいていただきたいデメリットもあります。

木製は変形しやすい

木製ルーバー材は断面積が小さくなるほど温度や湿度の変化によって反り・ねじれ・伸縮などの変形を引き起こします。そのため、ルーバー材が施工前に現場で材料を保管している段階で反ってしまったり、施工してから伸縮によってルーバーが美しく見えなくなったりするケースは珍しくありません。

それに対して、アルミ製は温度・湿度の変化による変形リスクはないため、管理や施工をしやすいと言えます。

掃除しにくい

横ルーバーは材料1本ごとにホコリやチリが積もるため、掃除の手間が増えるので注意しましょう。

こまめに掃除しにくい場所や特に清潔感が求められる場所には、ホコリなどが溜まりにくい縦ルーバーがおすすめです。定期的な清掃を前提にルーバーの間隔を広めにしておく方法もあります。

ユニット化されていない製品は工事手間がかかる

ルーバーは材料を1本ごとに設置する納まりと、「ストリンガー」と呼ばれる受け材を用いる納まりの2種類があります。

どちらの場合も等間隔でつけられるようにユニット化されている製品がおすすめです。無垢材など1本1本の材料を個別に揃える方法もありますが、現場加工や取り付け手間がかかるため注意しましょう。

【ポイント】
TOPPANのアルミ不燃意匠材「フォルティナ」は同じ素材とデザインで、「直付けタイプ」と「ストリンガータイプ」をお選びいただけます。

■ ルーバー材選びのポイント

ルーバー材は、以下のポイントを押さえて最適なものを選びましょう。

材質

木製・アルミ製はそれぞれメリットとデメリットが異なります。

木製

【メリット】

  • ・ナチュラルな木目と色合い、質感
  • ・無垢材は調湿効果がある

【デメリット】

  • ・温度や湿度変化による変形リスクが高い
  • ・樹種や産地によって価格の差が大きい
  • ・天然素材は品質ムラのリスクがあり、まとまった量を確保できない可能性も
  • ・汚れやキズ防止のための塗装処理が必要
  • ・定期的な塗装メンテナンスが必要
  • ・アルミ製より耐用年数が短い

アルミ製

【メリット】

  • ・変形リスクがない
  • ・価格が比較的一定
  • ・工業製品なので品質ムラが少なく、多量な材料も入手しやすい
  • ・原則としてメンテナンスフリー
  • ・木製より耐用年数が長い

【デメリット】

  • ・木目は印刷による化粧シート
  • ・木製よりも価格が高い可能性がある

【ポイント】
TOPPANのアルミ不燃意匠材「フォルティナ」は、高度な印刷技術によりリアルな木目と色合いを再現しています。また、表面の耐久性が高くメンテナンスや交換にかかる費用を削減できるため、長い目で見ると木製ルーバー材と比べてコストを抑えられます。

施工性

ホテル客室など多数の場所や広範囲にルーバーを設置する場合は、ユニット化されているルーバー材がおすすめです。ユニット化されているタイプは、施工に加えて材料の拾い出しや積算の手間も省けます。

不燃性

特殊建築物※に該当する建物では、室内における壁・天井の仕上げ材に防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)として認定されているものを採用する必要があります。この規定を「内装制限※」と呼び、部分的な間仕切りであるルーバーやパーテーションも対象です。

そのため、特殊建築物のプランニングにルーバー間仕切りを採用する場合は、その材料が告示※によって防火材料として認められているか、もしくは製品ごとに国土交通大臣による認定を受けているかを確認しましょう。

※特殊建築物:学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。(引用:建築基準法第2条「用語の定義」第2項)

※内装制限:特殊建築物において火災時に建物利用者の安全と避難経路を確保するための規定

※告示:建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」、建設省告示第1401号「準不燃材料を定める件」、建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」

【ポイント】
TOPPANのアルミ不燃意匠材「フォルティナ」は、内装・準外装・外装仕様それぞれで不燃認定を取得済みです。

内装仕様

内装E:NM-5462(1)

内装L:NM-5723(1)

準外装仕様

NM-5462(1)

外装仕様

外装R:NM-5462(1)

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■ 耐久性・意匠性の高いTOPPANの内外装ルーバー材「フォルティナ」

TOPPANは1900年の創業以来、高耐久で環境に配慮した建築内外装材を開発製造しております。

【TOPPAN内外装材の特徴と強み】
・長年培った高度な印刷技術によって木目と質感をリアルに再現
・製造時のCO2排出量が少なく燃焼時にも有毒ガスが出ないオレフィンシートによる環境への配慮
・高耐久・長寿命(特に耐候性の高い外装仕様も)
・メンテナンスフリー(定期的な塗装は不要)

「フォルティナ」は、高意匠・高性能で環境負荷の少ない(対塩ビ系材料比)オレフィン系化粧シートとアルミニウムを組み合わせた内外装不燃アルミ意匠材です。自然素材が持つ風合いを可能な限り再現し、形状のラインナップは、ルーバー・スパンドレル・手すり・リブパネル(フォルティナレッジ)と多岐に渡ります。

■ まとめ

ルーバー材は日射や視線を適度に遮り、通風や採光を完全に妨げない点が強みで、間仕切りに加えて天井や庇、外壁などにも採用されています。ただし、材料によって特徴は異なり、設計の際には押さえておくべきデメリットもあるので注意が必要です。

TOPPANでは、高耐久で環境に配慮しデザイン性を豊かにする内外装建材を開発・製造しております。「環境に配慮した建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

2025.09.19

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