リブパネルの用途や種類別特徴、事例で見るデザインのコツを解説|不燃製品についても
リブパネルは壁や天井の仕上げ材として使われる凹凸加工されたウォールパネル材です。
規模問わず多くの建築物へ採用されています。
そこで本記事では、リブパネルの用途やメリット・魅力、材質の種類、採用事例で見るデザインのポイントを紹介します。
建物の設計デザインを検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
■ リブパネルとは|用途と魅力・メリット
■ リブパネルの素材種類とそれぞれの特徴
■ リブパネルを壁・天井に採用した事例
■ TOPPANの木目が美しい不燃リブパネル
■ まとめ
■ リブパネルとは|用途と魅力・メリット

リブパネルとはウォールパネルの一種で、板材を押し型成形して凹凸に加工するか、棒材を格子のように並べて固定した板材です。
主に内外装における壁や天井の仕上げ材として使われます。
リブパネルが採用される理由は、主にデザイン面と施工面におけるメリットにあります。
・表面の凹凸によって単調な印象になりがちな平面に陰影が生まれて重厚感や高級感が増す
・工場でパネル化されて現場へ納品されるため、格子やルーバーのような組み立て作業は必要ない(高精度で工程短縮や施工費削減につながり、狭い現場でも設置しやすい)
・格子やルーバーより短時間で設置・撤去ができるため、短期間で出入りするテナントにも採用しやすい
最近はシンプルモダンなデザインの建築がトレンドで、無駄のないミニマルなデザインのアクセントにリブパネルを採用する事例が増えています。
■ リブパネルの材質種類とそれぞれの特徴

リブパネルは、主に「木製」と「アルミ製」に分かれます。
それぞれメリットとデメリットが異なるため、材料選定の前に特徴を確認しておきましょう。
木製
木製のリブパネルには、無垢材と突板化粧板※から作られるものがあり、どちらも板材に等間隔で棒材を並べて固定する方法で作られます。
※突板(つきいた)化粧板:原木を厚さ0.2〜0.3mmの薄いシート状にスライスした突板と呼ばれる素材を合板などに接着したパネル材
【メリット】
・無垢材はもちろん突板化粧板製も、表面は天然木そのものなので色味や質感がナチュラル
【デメリット】
・湿度や温度変化によって、反り・ねじれ・収縮・木割れなどの変形が起きやすい
・木製リブパネルはアルミ製よりも厚く重量があるため、施工や運搬時の効率が悪い
・経年変化(紫外線による褪色など)が起こりやすい
・雨・に当たりやすい場所は、腐食(木材腐朽菌)・シロアリ・カビを防ぐための定期メンテナンスが必須
アルミ製
アルミ製のリブパネルは、板材をプレスして凹凸状に成形する方法によって作られます。アルミ製のリブパネルは、リブスパンドレルと呼ばれることがあります。

特性は木製リブパネルと全く異なるため、材料選定の際は注意しましょう。
【メリット】
・天然素材を含まないため、品質や形状の安定性が高い
・耐候性が高く、基本的にはメンテナンスフリー
・木製リブパネルよりも軽量で施工効率が良い
・ホコリやチリなどが雨ですぐに流れ落ちる(シミにならない、汚れが目立ちにくい)
・木目タイプからメタル調まで選択肢がある
・不燃認定を受けているものは、防火材料を使用しなくてはいけない内装制限※の対象範囲や耐火建築物※(準耐火建築物)にも採用できる
※内装制限:建築基準法及び施行令で定められており、公共性の高い特殊建築物に該当する建物において、天井・壁を準不燃もしくは不燃材料の認定を受けた材料で仕上げなくてはいけない規定。
※耐火建築物:建築基準法及び施行令で定められており、防火地域や準防火地域における一定規模以上の建物は主要構造部に耐火性能の高い材料(=不燃材料・準不燃材料など)を使用しなくてはいけない。
【デメリット】
・木目はプリントなので、質感は本物の木と異なる
アルミ製は施工性やメンテナンス性、品質安定性が高いため、多くの現場で採用されています。
特に公共的な建物や規模の大きい建物は外壁や天井(軒裏天井)に不燃材料を使用しなくてはいけないケースが大半なので、非住宅の外装には木製よりもアルミ製リブパネルの方が多く施工されます。
最近は印刷技術の進歩により、木目タイプを近くで見ても木製かアルミ製かほとんど分かりません。
■ リブパネルを壁・天井に採用した事例

こちらは、貸しテナントのファサード(正面デザイン)へリブパネルを採用した事例です。
フラットなパネルで全面を仕上げると平滑で単調な印象の外観になりがちですが、部分的にリブパネルを取り入れることで陰影が生まれます。
格子やルーバーでも同様のデザイン効果を得られますが、短期間で施工・撤去しなくてはいけないテナントの場合は、施工効率の良いリブパネルがおすすめです。

こちらは、天井から壁に向かってルーバーとリブパネルを組み合わせた事例です。
直線的なラインが連なることで遠近感が強調されて、奥行きの深い印象になります。
ルーバー・リブパネルが主役のデザインは、シンプルながらもシャープな印象に仕上がるため、デザイン性の高い空間への採用事例は少なくありません。
TOPPANでは、同じ素材でルーバーとリプパネル、そしてスパンドレルを製造しているため、トータルコーディネイトにこだわったデザインを検討中の方はぜひ製品の詳細をご覧ください。
■ TOPPANの木目が美しい不燃リブパネル

TOPPANは最新の印刷技術によって、リアルな木目のアルミ製不燃リブパネルを製造販売しております。アルミ製のリブパネルは、リブスパンドレルと呼ばれることがあります。
内装仕様・準外装仕様・外装F仕様(F)に加えて、さらに耐候性の高い外装R仕様もお選びいただけますので、施工部位に合わせてご選定ください。

【耐候性】
外装仕様は屋外環境条件に近い試験でRタイプが10,000時間、Fタイプは8,000時間の耐候性能基準をクリアしており、長期間メンテナンスフリーです。
【軽量】
アルミニウムは鉄と比べて約1/3程度の比重で、木材よりも薄い形状で強度を確保できるため、軽くて施工性に優れているだけではなく建物への荷重負荷を最小限に抑えられます。
【不燃認定】
国土交通省認定不燃認定番号を取得済みなので、関連法規による制限を受ける場所にもご採用いただけます。
同素材でフラットパネルやルーバー、スパンドレルのラインナップもあるため、空間のトータルコーディネイトが可能です。
■ まとめ
リブパネルは様々な規模・用途の建築物へ、壁や天井の仕上げ材として採用されています。
単調になりがちな平らな面にリブパネルを取り入れることで、シャープでモダンな中にも凹凸が生み出す陰影によってデザインに深みと高級感をプラスできます。
木製とアルミ製がありますが、施工面ではアルミリブパネルがおすすめです。
不燃材料として認定を受けている製品であれば、防火関連の規定を受ける範囲にも安心してご採用いただけます。
TOPPANでは、環境に配慮しデザイン性を豊かにする外装建材を開発・製造しております。
「環境に優しい建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
2024.12.25