既存設備の見える化をサポートするZETABOXの活用事例
様々な計測器が工場には存在しており、
これらのデータの収集にあたっては有線を使ってデータを収集しているケースが大半です。
ただし、有線でのデータの収集を実現するためには、
ケーブル敷設などのコストや作業負担が大きくなるデメリットがあり、
既存設備を後から有線で見える化するのは難しいケースが多いです。
本コラムでは、既存設備の見える化をサポートするZETABOXの活用事例についてご紹介します。
<目次>
■既存設備の見える化に無線サービスが最適な理由
■既存設備の見える化を実現するZETABOX
■ZETABOXが対応可能な出力と活用事例
■ZETABOXの活用事例まとめ
■既存設備の見える化に無線サービスが最適な理由
冒頭でもご紹介した通り、
有線を使用して工場の設備を遠隔監視することは難しいケースが多いです。
基本的に有線のネットワークは工場やラインの立ち上げ時に、
製造ラインや什器の位置などを考慮して構築されます。
当然、立ち上げ時に実施するこのような作業を、
すでに立ち上がった後の既存の設備に対して実施するのは
コストの観点からも、作業的負荷の観点からも現実的ではないです。
有線での導入が難しいとなると、
既存の設備等に対してデータ収集を後から実現するためには際しては
無線通信の導入を検討するのが適切だと言えます。
■既存設備の見える化を実現するZETABOX
TOPPANが提供するZETABOX、およびZETABOX-Smart(以下総称としてZETABOX)は、
既存設備の見える化を実現する上で最適な機器です。
ZETABOXは、既存設備が持つ出力と接続することにより後付けで計測器の無線化を実現します。
対応可能な出力と接続可能機器台数による使い分けが可能な機器として、
ZETABOXとZETABOX-Smartを用意しています。
ZETABOX-Smartは、4-20mA・RS-485(Modbus RTU)・ドライ接点、パルスの出力に対応が可能です。
ZETABOXは、4-20mA・RS-485(Modbus RTU)・ドライ接点の出力に対応しており、
4-20mA・RS-485(Modbus RTU)のいずれかの出力と接続が可能な端子を3端子備えています。
加えて、ドライ接点と接続が可能な端子を1端子備えているので、
1台のZETABOXで多くの設備との接続が可能です。
※こちらのZETABOXはパルス出力には未対応です。
これらのZETABOXは電池駆動となっており、電池で3年以上稼働するため、
有線の敷設工事が不要なだけではなく、新たに電源工事を実施する必要がありません。
(ZETABOX-Smartは電源駆動も可能です。)
■ZETABOXが対応可能な出力と活用事例
前項で説明した通りZETABOXは様々な出力に対応が可能です。
本項ではこれらの出力についてそれぞれ説明します。
・4-20mA
1. 4-20mAとは
アナログ出力の一種で、電流出力の範囲が4mAから20mAの範囲で出力されます。
例えば、pH計であれば、0~14の計測値を、pH0 = 4mA、pH14 = 20mAとして出力します。
4-20mAは、計装用機器の標準アナログ出力を中心に、
センサーの出力や制御信号として幅広く使用されています。
2. 4-20mAの使用例とZETABOX接続例
4-20mAは、pH計、温度計、圧力計などに使用されています
例えば、ZETABOXとTOC分析計測器との接続などに使用が可能です。
TOC(Total Organic Carbon:全有機体炭素)は水中に存在する有機物を構成する炭素の総量であり、「水の汚れ」を示す代表的な水質指標のひとつです。
TOC分析計測器とZETABOXを接続することによって、
遠隔で排水の数値のチェックが可能になり、水質公害の予防のサポートが可能です。
・RS-485(Modbus RTU)
1. RS-485(Modbus RTU)とは
シリアル通信の一種です。
データを送受信するための伝送路を1本、ないしは2本使用して、
データを1ビットずつ連続的に送受信する通信方式です。
シリアル通信の規格には、RS-232C、RS-422A、RS-485があります。
これらの中でも前身となったRS232-C/RS422-Aの上位モデルであるRS-485が
産業用機器において最も多く用いられます。
Modbus RTUとは、RS485は物理的なインターフェイスを指すのに対して、
MODBUSは様々なベンダーのデバイス間でデータを交換するための国際標準通信プロトコルです。
2. RS-485(Modbus RTU)の使用例とZETABOX接続例
RS-485(Modbus RTU)は、コンプレッサーや、電力量計などに使用されています。
例えば下記のような形でZETABOXと電力量計の接続が可能です。
・パルス
1. パルスとは
英語で脈拍や鼓動などを意味する言葉で、
製造業で一般的に使われるパルス信号とは、電気信号に一定の幅を持った波のことを指します。
パルス信号で電気を供給する際は、電圧がかかったり電流が流れたりする時間や、
電源のオン・オフの間隔によって情報を伝達します。
2. パルスの使用例とZETABOXの接続例
パルスは流量計や、電力量計において使用されています。
ZETABOX-Smartを使用することで、パルス出力の無線化が可能です。
・ドライ接点(無電圧接点)
1. ドライ接点とは
接点がONになっても通電になるだけで電圧を供給しない接点のことです。
一方で、ウェット接点は接点がONの状態になったときに、
接点にも電圧が印加されている状態のことをいいます。
ZETABOXにおいては、既存の設備の信号を受け取るため、
ドライ接点との接続が可能になっています。
2. ドライ接点の使用例とZETABOXの接続例
ドライ接点は、火災報知器や防犯アラーム、
異常があった際の警報機などに使用されるケースが多いです。
現場では警報音が鳴り響く一方で、遠隔で異常を検知することが難しいですが、
ZETABOXを使用することによって無線でのデータ化の実現が可能です。
■ZETABOXの活用事例まとめ
ZETABOXを使用することによって、
従来は現地でしか確認が出来なかったデータを遠隔で監視することが可能になります。
工場によっては、多くの計測器が現地でしか閲覧できない状況にあるなど、
大半の計測器の見える化は対応しているものの、一部のみ見える化が完了していないケースもあり、
お困りごとにあわせてZETABOXおよび、ZETABOX-Smartを選択することで課題の解決が可能です。
また、e-Platchのアプリケーションにおいては、
・収集した値のグラフ化
・収集した値に対して上限値・下限値を設定することによる閾値の設定
・設定した閾値に連動したアラートメールの発報
・収集したデータをエクセル形式で出力
といった機能を実装しているため、
データを集めるだけではなく、巡回点検作業の改善をサポートします。
TOPPANはZETABOXとe-Platchによって、様々な現場の既存設備の見える化を実現しております。
計測器データの無線収集をご希望の方は、一度ご連絡いただけますと幸いです。
2024.10.23