調達業務のDXやSDGs対応のポイント~デジタル時代の調達業務とは
DXやSDGsなどさまざまなテーマがビジネスでも登場する変化の時代において調達部門に求められる業務内容も大きく変化をしています。これからの時代の企業活動に対応していくために、業務変革と新たな取り組みへの調整をどのようにバランスを取りながら進めていくか、調達部門や業務のあるべき姿を含めその一例をご紹介いたします。
社会の変化
テクノロジーの急激な進化は産業の在り方を大きく変え、世界レベルでの爆発的な感染症の拡大はその変化のスピードをさらに加速させました。また、拡がる地球温暖化の影響に対しては、欧州を中心に規制の動きは強くなり、日本国内でも省庁横断で取り組み目標が定められてきています。そんな時代に企業は新たな対応を迫られるなど、従来と同じような事業活動を行っていては淘汰されてしまいます。DXやSDGsへの対応など企業の「調達」活動に求められる要素は増えていく一方であり、既存業務を効率化しつつ、新たな取り組みに時間を使っていくことが今求められています。
企業における調達とは
まず、企業における「調達」とはどのような意味かを解説します。一般的に「調達」という言葉には「必要なものを揃える」ことや、また、「必要とする人に必要なものを揃えて届ける」という意味があります。しかし、企業で使われる「調達」とはこれらの意味とは少し違い、より包括的な意味で利用されます。企業では、提供する製品を製造するために様々な材料を仕入れる必要がありますが、この仕入れの業務には様々なフローが発生します。例えば、在庫の管理や、発注業者の選定、品質の管理、見積もりの依頼、納期の管理などです。また発注する側だけでなく受注する側にも、見積もり作成や、配送の手配などの業務が発生します。企業における「調達」とは、これらの意味を包括的に含み使われることが多くあります。
これまで調達業務とは
調達部門の主な業務、求められている機能として、下記のようなものが挙げられます。
■製品の品質を支える資材調達(Quality)
・調達資材、サプライヤ企業の品質監査
・技術情報の収集 など
■製品の原価に貢献する資材調達(Cost)
・仕入価格交渉
・資材原材料選定、調達 など
■製品の生産を支える資材調達(Delivery)
・生産計画からの所要量計算
・在庫把握(社内外の棚卸、生産使用量の確認)
・発注作業、調整(状況確認)
・納入処理 など
■法令順守(Compliance)
・サプライヤとの健全な取引関係の構築 など
上記の通り調達部門の業務は一口に資材調達といっても様々です。既存事業の商品・サービスの安定的な供給を実現するための「QCD」に関連する業務を中心に、新たな取引先の選定や技術情報の収集といった業務内容が挙げられます。これらの業務をいかに効率化して新たに求められる業務に対応していくか、そのような考え方を持つ事が調達部門においては重要となってきます。
これから調達部門に求められることとは?DXやSDGsへの対応
DXやSDGsなど新たなテーマが出てくる中、これからの時代に求められる調達部門の業務とはどのようなものがあるでしょうか。
■SDGs/ESG経営に即した調達の実施
・環境配慮目標に対する調達戦略の検討
・対応状況の進捗、成果の管理 など
■データ活用による高度な調達オペレーションの遂行
・需要予測に基づく最適購買の実施 など
SDGsやサステナブル、デジタル、DXといったこれからの時代に求められるキーワードに対応し、持続的な企業活動を支えるため、調達部門とはどうあるべきか、新たな調達業務の姿を実現していく必要があります。
進む調達業務のDX
調達業務のDXは、今や企業においても持続可能な社会の実現においても重要な取り組みとなります。一方で、多くの企業において調達業務は重要な業務の一つであるにも関わらず、これまでの習慣から抜け出すことができずに古い慣習のまま実施されていることも少なくなく、なかなかDX化が進まないというケースも見られます。
調達業務のDX化は業務効率の改善だけでなく環境負荷の低減にも貢献し、SDGsの面においても貢献します。例えばシステムの活用を行い、デジタル上で調達業務を完結できれば、今だに残るFAXでのやり取りも削減することができペーパーレス化を進めることができるので、不要に紙資源を使わなくて済みます。
このように新たな取り組みにチャレンジすることで新たな調達業務の姿を実現していくことができるのです。
調達業務の効率化を支援する「SDNECT®」
それでは調達業務でできることとはなんでしょうか?定常業務の効率化を実現しながら、新たな取り組みへの時間を創り出していくことが必要です。限られた勤務時間の中で効率的な業務を行うためには、デジタルテクノロジーへの対応が求められます。SDNECT®はこれまでFAXやメールによって行われていた発注業務や、付随して行われる電話やメールでの例外処理業務を一つのプラットフォームの中で管理することができます。搭載されたチャットでのやり取りは情報の共有化と同時に、発注情報との関連付けも行われるため、シームレスな業務環境を実現しています。
社会の変化とともに、業務のあり方も大きく変わってきています。これからの調達業務のあるべき姿とはどのような姿か。TOPPANでは、お客様の課題に寄り添い、未来のあるべき姿の実現をサポートいたします。
2023.11.28