【SDNECT®導入事例】
株式会社アサヒコ様
包材から原料サプライヤへ
段階的なシステム導入で注⽂の80%をデジタル化
韓国の食品大手プルムウォングループの一員として、豆腐や油揚げ、植物性たんぱく質食品「豆腐バー」などを展開する株式会社アサヒコ。同社は、各工場で個別に行われていた注文業務を改善し、全社で一元化することを目指してSDNECT®を導入しました。
導入からわずか1年あまりで、包材発注から大豆などの原料発注へと活用範囲を拡大。全社で購買情報を一括管理し、業務効率化を実現した経緯について、導入プロジェクトを推進した購買課および生産管理課の皆さまにお話を伺いました。
| 株式会社アサヒコ 金福音 様 / 宮原典子 様 / 山本武様 / 齊藤加奈子 様 TOPPAN株式会社 マーケティング部 伊藤穂香 / 営業 荻原明宏 (右から順) |
SDNECT®導入の背景とメリット
1. 5つの工場が個別に発注業務を行い、在庫や仕掛品の情報が全社で集約されていなかった
→全工場の発注業務を一本化。将来的なボリュームディスカウントの検討など、戦略的な購買管理ができるようになった。
2. FAXでの発注が主体で、送信後の到着確認や、大量のFAX用紙のファイリング・廃棄作業の負担が大きかった
→システム化により、注文1件あたりの作業時間を3分の1に削減。FAX未到着によるトラブルや、FAX用紙の管理・廃棄の手間もなくなった。
3. サプライヤも含めてアナログな業務が多く残る商習慣の中、システムによる発注業務をどう浸透させるか懸念があった
→包材サプライヤから導入をスタートし、運用を通してノウハウを蓄積した後、取引額の大きい原料サプライヤへ段階的に展開した。
SDNECT®導入前に抱えていた課題を教えてください。
【山本(株式会社アサヒコ)】:アサヒコでは、5つの工場(現在は4工場)が購買を個別に行っていました。各工場で生産管理の担当者が購買業務も兼任し、独自のプロセスで原料や包材を注文していたため、在庫や仕掛品を全社で一元管理出来ておりませんでした。豆腐業界はアナログな商習慣が残っており、受発注の多くがFAXで行われていたことも、一元管理を阻む壁となっていました。そこで、在庫管理が曖昧になっている部分をなくし、ボリュームディスカウントも進めてコスト抑制と購買管理の見える化をしていくために、購買課を立ち上げて全社一括で管理することを目指しました。
システム化を検討する際、重視したポイントは何ですか。
【山本】:最大のポイントは、コストと導入のしやすさです。豆腐という商品は単価が低く、薄利多売によって収益を上げていく特性があります。そのため、購買管理のために何千万円もシステム投資をすることは現実的ではありません。
いくつかのシステムを比較検討しましたが、他社サービスは初期投資やランニングコストが重く、導入までのスピードも考慮するとハードルが高いと判断しました。一方、SDNECT®はサプライヤ様と共に、費用を抑えて運営できるモデルであり、発注者側のコストを抑えられます。複雑な導入プロセスも必要なく、大きな負担をかけずに使い始められる点が当社の実情にミートしました。
SDNECT®運用開始までのプロセスをお聞かせください。
【山本】:導入にあたってはTOPPANと相談し、包材サプライヤから運用を始めることにしました。包材はまとまった数量を注文した後、サプライヤ側で在庫を保管してもらい、必要な分量だけを都度納品してもらうのが通例です。こうしたロット管理や納品依頼などもSDNECT®の機能として搭載されており、既存の業務フローにマッチしていると考えました。そこで、メインで取引をしている包材メーカー7社と話し、取引における運営メリットを理解頂いたメーカーから順次導入したという経緯です。
【金(株式会社アサヒコ)】: 私は導入時に工場の生産管理担当として入社したばかりで、購買業務の理解と並行してマスタ設定などの準備を進めました。あらゆることに不慣れな中、SDNECT®は使い方がシンプルでわかりやすく、購買課のメンバーと協力しながらスムーズに導入できたので助かりました。
【荻原(TOPPAN株式会社)】:アサヒコ様もサプライヤ様も納得してSDNECT®をご活用いただけるよう、本導入の前にトライアル期間を設けさせていただきました。トライアルをするサプライヤ様も段階的に増やし、最終的に7社に導入いただきました。
現在は、どのようにSDNECT®を活用していますか。
【山本】:導入から半年ほどで包材サプライヤとの運用が軌道に乗り、「これなら他のサプライヤに展開しても問題なく運用できそうだ」と確信したため、主原料である大豆などの原料サプライヤへもSDNECT®を導入しました。
原料業界もアナログな業務フローが多く、当初は「WEB発注は初めてだ」と驚かれることも多くありました。それでも、導入から半年間かけて包材サプライヤと一緒に作り上げたSDNECT®での業務フローを説明すると、スムーズに受け入れていただけました。原料サプライヤの中には、今回のシステム導入をきっかけに「自社内でもWEB化、デジタル化を推進していこう」と喜んでくださる会社もあり、思わぬ波及効果を感じています。
具体的な導入効果について教えてください。
【山本】:2025年9月時点で、注文全体の約80%をデジタル化することに成功しました。作業効率の面では、以前は1件の発注に紙資料の出力やFAX送信で10分以上かかっていましたが、現在は3〜4分で完了しています。業務時間を約66%削減できた計算になり、コスト換算でも約3.9百万円と大きな成果を上げています。
【宮原(株式会社アサヒコ)】:私は原料の発注を担当しています。SDNECT®導入後は、FAX送信後にサプライヤへ到着確認する手間がなくなっただけでなく、サプライヤ側の「未受領」「受領済み」「調整不要」といったステータスをリアルタイムで確認できるので、安心して業務ができています。以前はFAXが届いていなかったトラブルも起きていましたが、それぞれの注文のステータスを抜け漏れなく把握できるようになり、ミスが減りました。これまでFAXでの注文業務に慣れていたので、当初は「登録作業などの負担が増えるのではないか」と不安がありましたが、逆に精神的な負担が減りました。購買課があるオフィスに行ってFAXを確認しなければならなかった情報も、システム化のおかげで本社に出勤してもチェックできるのでありがたいです。
チャット機能も便利で、メールで書くような定型的な挨拶を抜きに、具体的な注文番号に紐づいたやり取りができるため、コミュニケーションのスピードが格段に上がりました。また、以前は大量のFAX用紙をファイリングし、定期的にシュレッダーにかけるだけで数時間を費やしていましたが、その作業も一切なくなりました。
TOPPANのサポートで印象に残っていることはありますか。
【齊藤(株式会社アサヒコ)】:私は金と一緒に、システム導入準備を担当しました。こうした業務は初めてで、何をどういったプロセスで進めればいいか見当がつかなかったのですが、TOPPANと月1回の定例会を開き、具体的なタスクを洗い出してもらったことが助かりました。「次の定例会までにこの作業を終えて、この時期にサプライヤ向けの操作説明会をしましょう」といったように、スケジュールも組んでいただき、ありがたかったです。
また、多い時で1日20件ほどの発注がありますが、一件ずつ入力するのは手間がかかります。そこで、データを一括アップロードできる表計算ソフトのマクロツールをTOPPANに提供いただきました。
【伊藤(TOPPAN株式会社)】:既存の業務フローを大きく変えずにSDNECT®を活用いただけるようにツールをご提案しました。プルダウン形式で発注情報を入力いただき、そのファイルをアップロードすれば登録が完了できるものです。また、そのツールをより実務の中で使いやすいように定例会の中でフィードバックをいただきながら改修対応も行い、アサヒコ様にご提供の準備などもしました。定例会だけはなく、疑問や操作で困ったところがあれば、ショートな打合せなども適宜組ませていただきながらアサヒコ様の操作面で詰まるところがないようにTOPPAN側からもサポートを実施しました。
【山本】:TOPPANには、システム導入から運用の定着、包材から原料サプライヤへの導入拡大まで、手厚くサポートいただいたことに感謝しています。リリース後もサプライヤからのフィードバックに対する改善案を資料化してもらうなど、伴走型のサポートがあるからこそ、安定した運用ができています。
今後の展望についてお聞かせください。
【山本】:SDNECT®によって、工場とサプライヤが「つながる」状態になりました。2026年以降は、確実性や効率性を上げ、より「使える」機能にしていくことを目指します。具体的には、SDNECT®と社内の基幹システムを連動させ、1回の注文入力で基幹システムにもデータが保存される仕組みをTOPPANと一緒に作りたいと考えています。こうして捻出できた時間で、今まで着手できていなかった業務を推進していきたいですね。
食品業界は安全基準が厳しくなる一方、受発注などのバックヤード業務は未だにアナログから脱却できていない中小企業が多いのが実情です。システム導入はハードルが高いと思われがちですが、SDNECT®のようにコストを抑えつつ、現場が使いやすいツールから始めることで、着実に変革を起こせます。今後も、サプライヤの皆さまと一緒に業務改善し、より価値を生み出す仕事へとシフトしていきたいと考えています。
※文中は敬称省略しております。
2026.06.18