【SDNECT®導入事例】
株式会社ツムラ様
FAXを利用した調達業務からの
脱却に向けた取り組み
従来はFAXを基本に調達業務を行っていた株式会社ツムラ様では、業務プロセスの改善・効率化を進めるため、受発注プロセスのデジタル化を検討されていました。その背景には、サプライヤから回答を受領したFAXをクラウド上で管理できる環境ではあったものの、サプライヤごとの整理までは対応できておらず担当者が情報整備をしなければならない煩雑さが残ってしまうという状況がありました。そのような中で、この「SDNECT®」のお試し利用の中で機能面や、インターフェースについてユーザー目線で様々なご意見をいただきつつ、メーカ・サプライヤの両社にとっての効果・メリットを出せることを最初期のユーザーとしてご体感いただいております。
そして、当初の課題となっていた業務効率化を実現するとともに、各取引の状況が把握しやすくなったことで、よりスムーズな連携・調整も可能になりました。今回は、システムの検討・導入から運用に携わられた皆さんに、SDNECTについての評価や、今後への期待を伺いました。
株式会社ツムラ 生産本部 購買部 購買管理課 岡野知幸 様 / 太田直子 様 / 須原雅博 様 (右から順) 凸版印刷株式会社 営業 及川麗 (左) |
SDNECT導入の背景とメリット
1. 調達業務のプロセスを大きな変更なく、コミュニケーション部分を効率化できる仕組みの導入を検討していた
→受発注に関わる従来の運用フローとノウハウを生かしながら、デジタル化のメリットを活用。このシステムの大きな特長でもある【両社の基幹システムをつなぐ役割】の部分に共感していただいた。
2. FAXをベースとした既存の運用フローを、デジタル化することで効率化したかった
→受信したFAXは自動的に電子ファイル化されていたものの、サプライヤごとに分類するといった作業が発生していた。SDNECTによりこうした業務が省略され、調達業務の効率が向上。
3. 既存の管理体制では、各取引の履歴確認や、請求金額の照合といった作業が煩雑だった
→SDNECTでは各取引に関するデータが一元化されているため確認しやすく、変更・調整履歴のトレースが容易に。サプライヤともデータを共有することができるため、ミスが生じにくくなった。
SDNECT導入以前の調達業務のフローについて、どんな課題を感じていらっしゃいましたか。
【須原(株式会社ツムラ)】:従来はFAXを基本とした運用で、受信した書類については自動的に電子データ化され、そのファイルがネットワーク上で共有されていました。ですから書類の内容は手元のパソコンから確認することができていたのですが、それぞれのファイルをお取引先ごとにフォルダ分けするなど、整理・管理にかかる作業が発生していました。取引内容を確認する際にはそれぞれのファイルを開いてチェックするといった手間もあり、デジタル化による業務の効率化を進めたいと考えていました。
時期的にも、コロナ禍によるテレワークの導入やペーパーレス化推進の取り組みと連動し、導入が進められました。
SDNECTの開発にあたってはさまざまなアドバイスをいただきましたが、特に意識されていたことや、期待されていたことはありますか。
【岡野(株式会社ツムラ)】:デジタル化するからといって、あまり凝った機能を持たせようとすると難しくなってしまうのではないかと思いました。ですから基本的には、手間のかかる部分を簡略化しながら、従来の運用フローをそのままデジタル化していくという観点で考えていました。とくにコメントさせていただいたのは、操作画面についてですね。画面上に表示されて見やすい・確認しやすい情報量だとか、「こうした操作ができるようになるといいな」というような、現場のユーザー目線での要望をお伝えしました。
実際に導入が進んでからも、操作方法については特に不安はなかったですね。とても使いやすいものができているという手応えがありました。使い込んでいくうちに「こんなに便利な機能もあるんだな」という部分は出てきそうですが、調達業務の基本的な作業については、すぐに操作方法が理解でき、問題なく使用することができました。
SDNECT®導入のメリットとして、特にどんなことを感じていらっしゃいますか。
【太田(株式会社ツムラ)】:サプライヤとのやり取りが一元化され、取引の内容や経緯がパソコン上でまとめて確認できる点については部内からの評価が特に高いところでした。チャットについても、細かなやり取りの履歴が残るのでとてもよい機能だと思います。
メールや電話での連絡だと勘違いが起きてしまうこともありますが、SDNECTなら、お取引先と同じデータを見ながら確認できます。情報が一元化されたことでそもそもミスをしにくくなり、万が一問題が起こったときも、原因を突き止めやすい。たとえば請求金額照合について差異があった場合なども、トレースが容易になりました。各取引の履歴がツリーになっているので確認しやすいですね。
チャットはメールよりも気兼ねなく連絡できて、調整が必要になったときも細かく連絡をとりあうことができています。
管理する立場としては、画面上での「要調整」表示や、チャットの履歴をもとにお取引の経緯がすぐに確認できるところにもメリットを感じています。SDNECTの画面を見ていれば状況が把握でき、どういった対応が必要かを判断しやすくなりました。
反対に、導入にあたってご不安だったことや、懸念されていたことはありますか。
【岡野】:社内外のシステムとの連携については懸念していました。実際には、特段のエラーはありませんでしたし、サポートを必要とすることもありませんでした。むしろ注文データをCSVに出力するような、二次的な加工・利用がしやすい環境がつくられていると思います。導入前には実証実験も行いましたが、取引件数の約8割で採用していただければ、社内でのメリットが得られるという感触がありました。
一部のサプライヤとのお取引については現在もFAXでの運用を行っていますが、お取引のボリュームが特に大きなサプライヤは概ねSDNECTに移行できているため、併用によって特に負担が増えたということはありません。
SDNECTを導入されるサプライヤについては、TOPPANの担当者にも協力してもらいながら説明を進めました。コロナ禍という状況もありオンラインで説明会を実施しましたが、当初はこまかな操作方法などについてお問い合わせがあったものの、サービスデスクもあり、運用が進むにつれて解消されていくだろうと思います。
今後の展開について、SDNECTに期待されていることがあればお聞かせください。
【須原】:チャット機能には大きなメリットを感じていますが、もっと便利に活用できるようになればと思っています。現状でも、送信したメッセージの未読・既読という状態は確認できるのですが、たとえば「社内検討中」「対応を進めています」など、その後のアクションについても簡単に連絡・把握できるような仕組みがあるといいですね。
現在は、納品いただく数量や期限が決定した時点で注文書を発行しています。さらにいえば、中・長期的な計画を踏まえたおおまかな時期や数量での発注(見込み)についてもSDNECT上でフォローできると利用方法が広げられそうですね。こうした利用企業からの要望を取り入れてアップデートされていくという、クラウドならではのメリットにも期待しています。
※文中は敬称省略しております。
※所属企業名、部署名は2022年4月時点
2023.10.19