バリアフィルム採用事例10選~日用品・パーソナルケア用品のパッケージ編~
日用品、パーソナルケア用品のパッケージに求められる機能には、成分の蒸散防止や香りの保持など多くのものがあります。
TOPPANのバリアフィルムGL BARRIERは優れたバリア性を持ち、さまざまな日用品やパーソナルケア用品のパッケージに使われています。本コラムでは、日用品やパーソナルケア用品のパッケージへのGL BARRIER採用事例と採用されたポイントを解説します。
採用商品例~日用品・パーソナルケア用品編~
日用品やパーソナルケア用品におけるTOPPANのバリアフィルム「GL BARRIER」採用例は以下の通りです。様々な素材からなる製品で利用されています。
1. シャンプー、コンディショナーの詰め替えパウチ
2. 食器洗い洗剤、キッチンアルコール除菌スプレーのパウチ
3. ウェットシート、ウェットティッシュのパッケージ
4. 防虫剤のパッケージ
5. 備蓄用トイレットペーパーのパッケージ
6. 大容量フェイスマスクシートのパッケージ
7. クレンジング、クレイパック・泥パックの口栓付きパウチ
8. 歯磨き粉のチューブ
9. ホテルアメニティ用の歯磨き粉の紙包材
10.化粧水の詰め替えパウチ
1. シャンプー、コンディショナーの詰め替えパウチ
ー従来の課題:保香性、パッケージの透明化
シャンプーやコンディショナーのような香り付きの商品では、香りを保護するためにパッケージのバリア性の要求に対して妥協はできません。また、近年ボトルの透明化が業界全体のトレンドとなっていることから、詰め替えパウチも透明にすることで商品のラインアップに統一感を持たせたいという企業が増加しています。
ー採用のポイント
GL BARRIERはアルミの代替として使用できるほどの高い酸素バリア性、水蒸気バリア性が特長です。GL BARRIERを使用することでパッケージの脱アルミが可能になり、環境負荷を軽減することができます。また、透明なフィルムなので、パッケージの透明化によるデザイン性の高さも評価されました。
GL BARRIERシリーズの1つである「メカニカルリサイクルPET・GL」も環境配慮の観点から詰め替えパウチに採用されています。「メカニカルリサイクルPET・GL」は、ペットボトルをリサイクルしたフィルムを使用しています。
2. 食器洗い洗剤、キッチンアルコール除菌スプレーのパウチ
ー従来の課題:プラスチック削減、中身の水分蒸散防止
従来はプラスチックボトルに洗剤やキッチン用アルコール除菌液を入れており、環境配慮の観点からボトルに使用するプラスチックの削減が課題でした。ボトルのプラスチック削減のために容器をパウチに変更した場合、中身の水分蒸散による品質の変化(劣化)が懸念されました。
ー採用のポイント
採用のポイントは、GL BARRIERの高いバリア性です。GL BARRIERは水蒸気バリア性が高く、水分蒸散を防ぎます。プラスチックボトルからフィルムのパウチに変更することで、中身の劣化を防ぎながら容器のプラスチックを減量化できました。
3. 除菌ウェットシート、ウェットティッシュのパッケージ
ー従来の課題:環境配慮、水分蒸散防止、アルコール耐性
除菌ウェットシート、ウェットティッシュのパッケージとして、環境に配慮したアルミレスパッケージが検討されていました。その際、ウェットシート、ウェットティッシュの乾きを防止するバリア性と、薬液に含まれるアルコールへの耐性が課題となっていました。
ー採用のポイント
GL BARRIERの高い水分蒸散防止性能が評価されました。GL BARRIERはウェットシート、ウェットティッシュに含まれる薬液の蒸散を防ぐことができます。また、アルコール耐性もあるので除菌シートのパッケージとしても使えます。従来の仕様からフィルムの層構成の合理化を提案し、コストダウンを実現できた例もあります。
4. 防虫剤のパッケージ
ー従来の課題:防虫成分の保持、透明性
防虫剤のパッケージにおいて、防虫成分が外に漏れ出ないようにすることが必要です。また、中身のデザインを見せるために透明なフィルムが求められました。
ー採用のポイント
採用ポイントは、バリアフィルムGL BARRIERのバリア性です。防虫成分がパッケージの外に漏れ出ることを防ぎ、商品の品質を維持できることが評価されました。また、透明で中身の製品が見えるため安心感を与えられます。
5. 備蓄用トイレットペーパーのパッケージ
ー従来の課題:長期保存の際の湿気による劣化防止
備蓄用トイレットペーパーは長期にわたり保管されるため、その間の湿気による製品の劣化防止が課題でした。従来では屋外倉庫に保管する際、湿気による製品の劣化が起き、緊急時にトイレットペーパーが使用できないケースが見られました。
ー採用のポイント
備蓄用トイレットペーパーでの採用のポイントはGL BARRIERの高いバリア性です。GL BARRIERは湿度の影響を受けにくく、課題であった湿気による劣化を防止します。また評価によると、品質を10年相当維持できることが確認できました。
6. 大容量フェイスマスクシートのパッケージ
ー従来の課題:プラスチック削減のため容器の紙化、水分蒸散防止
大容量入りのフェイスマスクシートは、従来プラスチックの箱を使用していましたが、近年の環境配慮に向けた社会動向やコスト削減の観点を踏まえ、外箱を紙箱へリニューアルしました。その際、中身のフェイスマスクシートの水分保持が課題となっていました。
ー採用のポイント
大容量フェイスマスクシートのパッケージでの採用のポイントは、環境対応と水分蒸散防止機能です。外箱を紙箱にし、その紙箱の内袋に高い水分蒸散防止機能を持つGL BARRIERを用いることで、環境への配慮とフェイスマスクの水分保持を可能としています。
7. クレンジング、クレイパック・泥パックのパッケージ
ー従来の課題:透明性、環境に配慮したサステナブルパッケージの導入
パーソナルケア、特に肌に触れるクレンジングやスキンケアの分野では環境に配慮した製品やブランドが支持を集めています。社会動向として環境へ配慮した企業活動が求められている中で、サステナブルパッケージの導入が課題となっています。また、パーソナルケア系の商品は中身が見える透明なパッケージが求められることが多くなっています。
ー採用のポイント
「メカニカルリサイクルPET・GL」を用いることによる環境対応が評価されご採用いただきました。ペットボトルをリサイクルしたメカニカルリサイクルPETを使用したバリアフィルムである「メカニカルリサイクルPET・GL」は、高いバリア性を有し、環境対応ができる点が好評です。また、透明なフィルムを使用することによって内容物を可視化し、商品の安心感を訴求したり、商品の特徴を際立たせたりするパッケージを実現させました。
8. 歯磨き粉のチューブ
ー従来の課題:脱アルミ、香りの保持
環境配慮の点から、歯磨き粉チューブの脱アルミの需要がありました。従来はチューブに密封性が高く、内容物の保護に優れているアルミが使われていましたが、アルミは製造時に電力消費を多く伴うため環境負荷が高いといわれています。しかしアルミを使わない単なるプラスチックチューブでは、歯磨き粉の香りの保持が困難です。脱アルミと保香性の両立が課題となっていました。
ー採用のポイント
歯磨き粉チューブでの採用ポイントは、アルミと同等の保香性能を維持したまま環境配慮ができる点です。GL BARRIERを使うことでパッケージの脱アルミと保香性の両立が可能です。
9. ホテルアメニティ用の歯磨き粉の紙パッケージ
ー従来の課題:プラスチック削減、紙化
「プラスチック資源循環戦略」において使い捨てプラスチックの削減方針が定められ、ホテル業界では従来無償で提供されていたプラスチック製アメニティの削減が求められています。その中で、ホテルアメニティ用の使い捨て歯磨き粉チューブのプラスチック削減が課題のひとつとなっていました。
ー採用のポイント
紙とGL BARRIERを組み合わせたパッケージをご採用いただきました。従来のプラスチックチューブから紙とフィルムの複合素材に変更したことで、プラスチック削減と紙化を実現しました。GL BARRIERが高い酸素バリア性・水蒸気バリア性を持つため、紙と組み合わせても内容物の品質を維持することができます。当製品は、公益社団法人日本包装技術協会(JPI)主催の2023 日本パッケージングコンテストにて、日用品・雑貨包装部門賞を受賞しました。
10.化粧水の詰め替えパウチ
ー従来の課題:透明性、内容物の保護
安心・安全、デザイン性向上のため、化粧水詰め替え用パウチの内容液を可視化したいニーズがあり、従来のアルミでは内容物保護はできるものの、パウチの透明性の実現と内容物保護の両立に課題がありました。
ー採用のポイント
透明性のあるフィルムであり、さらに高いバリア性を持つGL BARRIERを使用することによって脱アルミが実現し、内容液の可視化・高い内容物保護機能を両立させることが可能です。
高いバリア性だけじゃない。GL BARRIERが日用品に選ばれる理由
GL BARRIERが日用品のパッケージに採用される理由は、世界最高水準の高いバリア性にあります。一言でバリア性といっても、外からの酸素の侵入を防ぐ必要があるのか、中から外への水分の蒸散を防ぐ必要があるのか、香りを保つ必要があるのかなどさまざまな要求水準があります。要求水準に応じた最適なパッケージを設計することが大切です。
また、GL BARRIERが日用品のパッケージに選ばれる理由はバリア性だけではありません。高いバリア性がある上に透明なフィルムであることも採用理由の一つです。中身を見せることでデザインの幅が広がる、消費者に安心感を与えられる、使用時にパッケージの中身の残量を確認できる、などのメリットがあります。
加えて、GL BARRIERのグレードには、「メカニカルリサイクルPET・GL」があり、PETボトルのリサイクルから再生したPETフィルムを使用することで、環境にもやさしいパッケージを実現できます。とりわけ、日用品やパーソナルケア用品では環境に配慮した製品づくりがブランドイメージの向上に大切なため、多くのパッケージで採用されています。
パッケージや容器において、その内容物の品質をどう維持するかということと同時に、見た目としてのデザイン性はどうか、環境への配慮はどうかなどさまざまな要件が求められます。あらゆる要件を満たす必要がある中で、GL BARRIERは前述のような特徴があることで多くの製品でご活用いただいています。
まとめ
本コラムでは、日用品やパーソナルケア用品でのバリアフィルムGL BARRIER採用事例をご紹介しました。GL BARRIERは、アルミに匹敵する高い酸素バリア性、水蒸気バリア性を持つので水分や薬用成分、香りの保持が必要とされる日用品パッケージに多く使用されています。パッケージの素材をアルミからGL BARRIERに置き換えることで、環境に配慮できる点も評価されています。透明性を活かして内容物を見せ、安心感を訴求することもできます。用途によって最適なバリアフィルムをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
2024.08.05