採用事例

バリアフィルムの採用事例10選~食品編~

食品のパッケージは、見た目のデザインはもちろん、食品の品質を保つ機能や、商品を手にする生活者目線での使いやすさが重視されます。食品の製造工程や商品特徴を踏まえて、それぞれに適したパッケージが選定されています。

TOPPANのバリアフィルムGL BARRIERは優れたバリア性を持ち、さまざまな食品のパッケージに使われています。本コラムでは、食品業界でのGL BARRIERの採用事例と採用されたポイントを解説します。


採用事例10選<食品編>

1. クッキー、ウエハース、せんべい、グミなどの菓子のパッケージ
2. レトルトカレー・シチュー、パスタソースのパウチ
3. チルド惣菜、カットフルーツのパウチ
4. 冷凍畜肉、冷凍魚介、冷凍加工食品のパッケージ
5. 無菌米飯のふた
6. 茶葉のパウチ
7. フレーバーパウダー、エキス粉末のパッケージ
8. 業務用液体調味料(かつおだし)のパッケージ
9. 業務用カレーのパウチ
10. ペットフードのパウチ


1. クッキー、ウエハース、せんべい、グミなどの菓子のパッケージ

ー従来の課題:食感・風味・香りの保持
菓子のパッケージには、食感、風味、香りを保持する機能が求められます。例えば、クッキーやウエハースのサクサク感や、海老せんべいの海老の香りなど、それぞれの商品の特徴を長期間維持できなければいけません。土産物としても重宝される菓子は日持ちすることが求められます。

ー採用のポイント
菓子パッケージでの採用ポイントは、バリアフィルムGL BARRIERの高いバリア性です。GL BARRIERは水蒸気バリア性が高く、中身がしけるのを防ぎます。酸素バリア性、保香性が高く、風味や香りを保持できます。菓子の品質を保持することで賞味期限を延長もでき、販売期間を延ばして店舗での商品廃棄コストを削減することにも繋がります。


2. レトルトカレー・シチュー、パスタソースのパウチ

ー従来の課題:電子レンジ温め対応
従来のアルミ箔を使用したレトルトパウチは電子レンジでそのまま温めることができず、湯せんまたは別の容器に移し替えて電子レンジで温める必要があります。この作業がユーザーにとって手間になっていました。

ー採用のポイント
GL BARRIERを使った加圧加熱殺菌用パウチなら電子レンジでそのまま温めることができ、ユーザーにとって便利で使いやすいパッケージになります。これまでの湯せん調理に比べて、電子レンジ調理にすることで調理時のCO2排出量を削減できた例もあります。
アルミ箔を使わないので、製造現場では金属探知機を使った製品検査が可能になります。アルミ箔を使わなくてもアルミ箔に匹敵する高いバリア性により、水分蒸散を防ぎ、味の劣化も防止します。


3. チルド惣菜、カットフルーツのパウチ

ー従来の課題:ロングライフ化、フードロス削減
従来はプラスチック容器に惣菜やカットフルーツを入れていましたが、賞味期限が短いためフードロス削減が課題になっていました。

ー採用のポイント
従来のプラスチック容器と比較して、バリアフィルムのパウチにすることでバリア性が向上し賞味期限を延長、フードロスを削減することができました。
従来のプラスチック容器と同様に透明で中身が見える点も、生活者の安心感を得られると評価いただきました。さらに、プラスチック容器と比較してプラスチック使用量の削減にもなり、環境配慮の面でもメリットがあります。


4. 冷凍畜肉、冷凍魚介(まぐろ、いくら)、冷凍加工食品のパッケージ

ー従来の課題:長期冷凍保存の品質劣化(冷凍焼け)防止
長期冷凍保存による品質劣化(冷凍焼け)が課題でした。収穫の時期が決まっている食材や需要が高まる時期に向けて作り置きする加工食品については日持ちがすることが求められていました。

ー採用のポイント
畜肉についてGL BARRIERのパッケージで保存評価したところ、数か月後も試験開始時と同じ色味を保つことができました。また、官能評価でも味、香りの点で優れていることが確認できました。長期間にわたって品質劣化を防ぎ冷凍保存できるため、輸出のためのパッケージにも適しています。


5. 無菌米飯のふた

ー従来の課題:水分蒸散防止、酸化による味・食感の変化防止
電子レンジや湯せんで温めるパックご飯は常温で長期保存ができますが、米の水分量の変化や酸化による味・食感の変化を防ぐことが課題でした。

ー採用のポイント
ポイントは高いバリア性です。GL BARRIERは水蒸気バリア性が高く、中身の水分の蒸散を防ぎます。そして酸素バリア性が高く、酸化を防止し、中身の品質を維持します。官能評価の結果、GL BARRIERを使用する効果が確認でき、採用いただきました。


6. エキス粉末、フレーバーパウダーのパッケージ

ー従来の課題:ケーキング防止、香り成分の揮発や匂い移り防止
業務用のフレーバーパウダーやエキス粉末が海外輸送時に急激な温度変化、湿度変化により吸湿し、粉末がケーキングすることが課題でした。また、香りの強いパウダーについては香りの揮発や香り漏れも課題となっていました。

ー採用のポイント
GL BARRIERのバリア性は温度・湿度の影響を受けにくく、海外輸送による環境変化にも耐えられます。また、金属探知機を使用できることも評価されました。GL BARRIERのパッケージにすることでケーキングや香りの揮発・漏れを防ぐことができます。GL BARRIERを使用した場合、品質保持期間を従来の6か月から9か月に延長し、廃棄ロスを削減することができた例もあります。


7. 茶葉のパウチ

ー従来の課題:変色防止、アルミの値上がり
湿気による茶葉の劣化防止が課題でした。茶葉は日光によって変色を起こすため、従来は変色を防ぐために遮光性のあるアルミ箔を使っていました。しかし、近年のアルミの値上がりが材料調達の面での課題となっていました。

ー採用のポイント
湿気を防ぐ水蒸気バリア性が採用のポイントです。GL BARRIERには遮光性のあるアルミ蒸着タイプGL-ME-RCもあります。遮光性グレードGL-ME-RCで作成したパッケージを用い、日の当たる場所で6カ月間茶葉の保存試験を実施しました。その結果、茶葉の色や香りに変化はなく、お湯でお茶を入れた場合も品質を維持できていることが確認できました。


8. 業務用カレーのパッケージ

ー従来の課題:脱アルミ
カレーパンなどの加工食品の原材料として使われる業務用カレーのパッケージです。従来のアルミ箔を使用した大袋は、内容量が数kgあるとクラックの懸念があり、脱アルミが検討されていました。

ー採用のポイント
GL BARRIERは高いバリア性を持ち、アルミの代替が可能です。アルミを使用しないため、金属探知機での検査が可能になります。また、フィルムが透明なため、加工食品の工場で作業者が目視で中身を確認できるのでミスを防止できる点も評価されました。


9. 業務用液体調味料(かつおだし)のパッケージ

ー従来の課題:プラスチック使用量の削減
従来はプラスチックボトルに業務用調味料を入れていましたが、環境配慮のためボトルのプラスチック使用量削減が課題でした。

ー採用のポイント
プラスチックボトルから口栓付きエアホールドパウチに変更することでプラスチック使用量を削減できる点が評価されました。エアホールドパウチは、パウチのサイド縦方向に空気が入っており自立性があり持ちやすく、片手で安定して取り扱えます。ボトルよりも簡単に廃棄できるようになり、バックヤードのごみの減容化ができる点で使いやすさが改善されました。また、金属探知機にかけられることも評価されました。

口栓付きエアホールドパウチ

10. ペットフードのパッケージ

ー従来の課題:中身の視認性
安心して購入してもらうため、中身が見えるパッケージのニーズがありました。

ー採用のポイント
GL BARRIERは透明なため中身を見せるパッケージにすることも可能です。レトルト後のバリア性も評価いただき採用となりました。海外でも採用が増えています。従来の中身が見えないアルミ箔を使ったパッケージからGL BARRIERに置き換えれば、脱アルミが可能で環境配慮にも繋がります。


まとめ

本コラムでは食品業界のGL BARRIER採用事例をご紹介しました。GL BARRIERは高い酸素バリア性、水蒸気バリア性を持ち、食感・風味の保持や環境配慮などのポイントで多くの商品のパッケージとして採用いただいています。用途によって最適なバリアフィルムをご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。

2023.12.20

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