働き方改革

安全教育にVRを導入するときの機器は?
VRコンテンツ制作のポイント

健康経営や働き方改革などを背景に、企業の労働災害を防ぐ安全教育の重要度が高まっています。しかし、その安全教育の教育効果については疑問視されており、対策としてVRを安全教育へ導入する方法が取り入れられています。
トッパンには多くの「安全教育VR」コンテンツ制作実績があります。そこで今回は、安全教育にVRを導入する際に必要となる機器や導入効果、VRコンテンツ制作のポイントを解説します。


進む安全衛生教育へのVR導入

安全衛生教育は、労働安全衛生法において実施の旨が定められており、多くの企業はPDCAサイクルを回しながら安全衛生管理を行う労働安全衛生マネジメントシステムなどをもとに取り組んでいます。
また、企業価値を高める意味で、厚生労働省による「安全衛生優良企業公表制度」に認定されるための取り組みも広く行われています。
こうした安全衛生教育においてはとくに危険体感教育の重要性が説かれており、厚生労働省が発行している「第13次労働災害防止計画」冊子では、危険体感教育及び震災に備えた対策として、VR技術を応用した教育が推奨されています。

安全教育VRで使用するVR体験機の種類

安全教育をVRで実施する場合、VR体験機の導入が必要になります。一般的に次の3つの種類がありますが、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

・6軸HMD
メリット:VR空間内を自由に移動できる、インタラクティブな操作ができる
デメリット:体験にあたり一定のスペースが必要、操作に慣れが必要、運用ハードルが高い

・3軸HMD
メリット:場所を選ばず体験できる、比較的導入コストが安い、運用が簡単
デメリット:VR空間内を自由に移動ができない

・紙製スマホ活用タイプ
メリット:気軽に配布できる
デメリット:没入感が低い、VR空間内での移動ができない

これらの種類のうち、メリットとデメリットを考慮すると、比較的どのような企業でも導入・運用がしやすいのは「3軸HMD」と考えられます。

安全教育VRにおけるトッパンの制作実績と体験者の声

2018年度から2020年度にかけて、トッパンでは建設、道路工事、製造業、農作業、防災教育において30コンテンツ以上の安全教育VRを制作しています。2021年度も新たに10以上のコンテンツを制作しています。

体験アンケートでは安全教育VRは好評

ある防災イベントで安全教育VRを100名以上の方々に体験してもらいました。体験後にアンケートを実施したところ、約99%の方が「VRのほうが映像に比べて怖さを実感できる」、約94%の方が「今後、VRによる安全教育を体験したいと思っている」とご回答されました。

同じ時間、教育動画を視聴する場合に、映像による安全教育よりもVRによる安全教育のほうが有効であることがわかりました。

安全教育VRのオリジナルコンテンツ制作手法

安全教育VRを取り入れる場合、オリジナルでコンテンツを制作することで、自社の現場に即した安全教育を行うことができます。ここからは、そのVRコンテンツ制作手法と工程について解説します。

フォーマット仕様

VRコンテンツを制作する際、「3分間の自分ごと体験」というフォーマットを作り、すべてのコンテンツに踏襲しています。

1.被災する(1分)
自分ごととして事故を体験して頂きます。実際に起きた事故事例を参考に、汎用性の高い状況を設定します。

2.原因を知る(1分)
被災した原因、被害が拡大してしまった原因を、様々な角度から検証し解説します。類似する事故事例も併せて紹介します。

3.自分を守る(1分)
原因を知った上でどのような準備や行動が必要だったのか正しい行動を体験します。

被災を体感することで挫折感を味わい、自分ごととして「事故に遭いたくない」というモチベーションを喚起します。次に被災した原因・対策についての知識を得ます。最後に正しい行動と対策を自分ごととして体験することで、事故の怖さと安全行動の重要性を身を持って実感して頂きます。

これはハリウッド映画やビデオゲームで採用される王道の展開であり、体験者の感情の変化に合わせたシナリオで学習効果を最大化します。

体験強度を高める4つのポイント

演出においては、体験強度を高めるために、次の4つにポイントを置いて制作します。

1.視線の管理
VR映像の中に視点を誘導するガイド表示を入れて、VR映像内の見せたいポイントに誘導し、効果的な体験ができるように設計します。

2.こだわりの音響効果
迫真の事故シーンのアフレコと音響効果の作り込みで、臨場感のある事故シーンを再現します。

3.スタントマンの起用
プロのスタントマンを起用することで、よりリアルに事故のシーンを再現します。

4.CG×特殊メイク
CGと特殊メイクを組み合わせることで、リアルに事故による被災を再現します。

制作工程

制作工程は、全体で2ヶ月ほどとなります。

1.企画作成
目的などを決め、コンセプト、方向性などVRコンテンツの制作内容を決定します。

2.撮影
シナリオで決めた内容に従ってVRコンテンツの撮影の準備を行い、実行します。

3.編集
撮影素材を編集して、ナレーションを入れます。

4.納品
ヘッドマウントディスプレイにインストールし、納品します。納品時に使い方と運用方法をご説明します。

まとめ

如何でしたでしょうか。
労働災害防止の為の安全教育は、教育ツールが定着しにくい点や、教育効果が持続しにくい点が課題点としてあげられます。しかし、VR安全教育ツールを活用し、事故体験という臨場感を追加することで、学習効果を飛躍的に向上させることが可能となります。

中でもVRゴーグルとVR安全教育映像が一体となったトッパンのソリューション、安全教育VRは、現在多くの企業にニーズがあると考えております。複雑な設定やダウンロード等の作業不要、到着したその日から使って頂ける安全教育VRは、既に多くの企業様からお問合せを頂き、労働災害防止に日々貢献しております。
もし安全教育VR導入・制作にご興味のある場合には、トッパンがサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

2022.04.05

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