探究学習とは?~いま知っておきたい!
重要視されている理由~
近年重要視されている探究学習とはどのような学習なのでしょうか?いざ説明しようとすると、なかなか具体的には説明できない方が多いのではないでしょうか。ここでは探究学習が重要視されている理由や、具体的にどのような学習方法なのかを文部科学省が提示している学習指導要領の内容をもとに解説します。
目次
1. 探究学習とは?なぜ重要視されているのか
2. 子どもが「探究」するための適切な教師の関わり方とは
3. 探究要素を搭載、小中学校向けデジタル学習サービス「navima(ナビマ)」
1. 探究学習とは?なぜ重要視されているのか
そもそも「探究」とはどのような意味を持つのでしょうか?
辞書を引いてみると、下記のように記されています。
❝物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、すじ道をたどって明らかにすること(三省堂大辞林より)❞
探究が注目されている理由として、文部科学省が提示した学習指導要領の内容が大きく関わっています。学習指導要領では、生産年齢人口の減少やグローバル化の進展、絶え間ない技術革新等により社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化しており予測が困難な時代となっていることを背景として捉え、
・子どもたちが様々な変化に積極的に向き合い、他者と協働して課題を解決していくこと
・様々な情報を見極め知識の概念的な理解を実現し情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと
・複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすること
などが求められていると提言されています。
これらを実現するために全国の学校で積極的に探究学習が取り入れられてきているのです。
2. 子どもが「探究」するための適切な教師の関わり方とは
それでは、実際に教師は子どもに対してどのように関わるのが良いのでしょうか?
学習指導要領によると、探究的な学習の実現のために子どもたちは「①課題の設定」→「②情報の収集」→「③整理・分析」→「④まとめ・表現」のプロセスが重要であるとされています。
具体的には、子どもたち自身が課題の設定を行い、設定した課題に基づいて情報を集め、それらを整理・分析して、課題の解決案を自分の意見としてまとめ、文章や口頭で表現します。
さらに、この表現したものに対する他の子どもたちからの質問や意見、あるいは自身の振り返りをきっかけにして、新たな疑問や問題意識が生まれます。その疑問や問題意識をもとにまた新たな課題を設定し、情報収集や整理・分析に取り組んでいく…といったように、自らの考えや課題を更新し、探究のサイクルをらせん状に繰り返していくことを目標としています。教師の役割は子どもたちがこのサイクルを行うためのサポートとなります。
ただし、上記のような子どもたちを主体とした学びを実現するために、教師は気を付けなければならないことがあります。それは、課題設定や解決方法を必要以上に教え過ぎてしまうことです。この行為は、子どもたちが自ら学ぶことや気づくことを妨げてしまいます。少し難しいかもしれませんが、あくまで「子どもたちが自ら学ぶきっかけをつくるためのヒントを提示する」といった心持ちで臨むと良いかもしれません。
また、探究のプロセスにおいて子どもたちの知らない知識が必要になる場合もあります。この場合は、教師が資料を提示したり説明したりすることが適切とされています。例えば、子どもたちが課題への取り組み方を考えつかない場合には、これまでに取り組まれた事例を教師が示してあげたり、より達成しやすい小さな課題に分けて示したりするのが良いとされています。
そうはいっても、なかなか最初から思い通りの授業を行うことは難しいかと思います。教師も試行錯誤を重ねながら、「教え過ぎ」に気を付けて子どもたちの自主性を引き出せるような内容・取り組みは何かということを自分なりに導き出していくことも必要です。
3. 探究要素を搭載、小中学校向けデジタル教材「navima(ナビマ)」
探究学習についての理解は深まったでしょうか。
TOPPANでは小中学校を対象としたデジタル教材学習サービス「navima」を2021年4月より提供しています。「navima」は、TOPPANのグループ会社である東京書籍の教科書をもとにコンテンツ制作を行っており、特に理科・社会のコンテンツに探究要素が取り入れられています。
これまでの授業では先生一人に対して子どもが数十人という環境のなかで、先生から質問を投げかけても積極的に手をあげる子どもの発言を拾うことが精いっぱいで、引っ込み思案な子どもが自分の意見を表現する機会を作ることは難しかったと思います。
「navima」は理科・社会の授業中にクラス全員の子どもたちが一人ひとり考える・表現する機会を提供します。タブレットを用いて授業の中で先生から問いが書かれたカード(問いカード)を配信し、それに対して子どもたちはまず自分で考え、「navima」上で回答を表現して提出します。その後はクラス内で意見を共有・議論しながら他の子の意見を聞き、新しい気づきがあったり自分の考えを見直したりする中で、考え方の幅を広げたり深掘りをしていく学び(探究的な学び)を実現します。
また、先生用コンテンツには子どもの自発的な気づきや対話を促す声掛け例や学びのポイントなどがまとめられたファシリテーションシートも用意しており、問いカードを使った授業を効果的・効率的に進められるよう先生方をサポートいたします。
「navima」が気になった方はぜひお問い合わせください。
2024.06.17