ブランドの世界観を五感で楽しめる
ミュージアム|アサヒビール株式会社様
スーパードライミュージアムは、従来イメージされる工場見学施設とは一線を画す、五感すべてを使ってスーパードライの世界観を体験できる施設です。
ブランド価値をダイレクトに伝える場からどのようなコミュニケーションを展開するのか、ミュージアムマネジャーの森信広さんとTOPPANの担当者上村亮子に、ミュージアム設立のねらいや、今後の展望について聞きました。
※所属企業名・部署は2023年1月時点のものです。
鮮度、キレ、辛口。 ブランドの価値を五感で 感じさせるテーマパーク
森 スーパードライミュージアムは2021年4月にオープンしました。茨城工場の見学施設を「特別なブランド発信の場にしたい」というのが、企画の出発点でした。「ミュージアム」という名前にはその思いがこもっています。
上村 TOPPANではこれまでアサヒビール様の店頭プロモーションを主に担当させていただいていましたが、2019年秋から茨城工場の見学通路の企画・施工全体に携わらせていただくこととなりました。コロナ禍でオープンが延期となりましたが、その間に検討を重ね、規模や内容が現在の「ミュージアム」というブランドコンセプトへ発展しました。
森 従来の工場見学では、製造工程を学ぶことはできても、鮮度やキレといった価値まではなかなか伝わりませんでした。スーパードライミュージアムでは、お客さまに製造工程を学んでいただいたり、実際に味わっていただくことはもちろん、目や耳、香り、手触り、五感すべてでスーパードライの世界観を体験していただきたいと考えています。
上村 企画段階ではブランドの世界観への理解を深めるため、ブランドマネジャーの方に資料をお借りしたり、資料室に通いながらスーパードライ35年の歴史を勉強し、スーパードライの本質を理解しました。そして、スペースデザイン担当者にも共有して企画に活かすことができました。ブランドの強みである「できたての鮮度」が最も伝わりやすい「充填」コーナーを充実させたことは、一つのポイントとなっています。
森 当初からそこは、ブレがなかったのですね。私も初めて目にしたときは、「まさにテーマパークだな」と感じました。缶に乗った視点で「充填」の圧倒的なスピード感に没入できる「SUPER DRYGO RIDE」をはじめ、さまざまな仕掛けでスーパードライの世界観を楽しんでいただける、お客さまが主役のミュージアムになっていると思います。
上村 ブランドの世界観を迫力のある映像や、VRアトラクションで感じてもらったうえで、スーパードライのことをより知っていただける流れになっています。
森 提供するのが知識だけでは記憶に残りません。スーパードライの世界観と高揚感を実感しつつ、できたてのビールを飲めばそれは格別の味わいになるはずです。ミュージアムにご来場のお客さまからも五感を通じてブランドを体感していただけたことで、「工場見学のイメージが変わった」「さまざまなビール工場に行ったけれど、ここは群を抜いている」などうれしい感想をいただいています。私自身、初めて見学した後は、スーパードライのことをさらに好きになっていました(笑)。
ブランディングの起点として 進化を続けるミュージアム
森 スーパードライミュージアムは、まだまだブランド価値を伝えるテーマパークとして進化の余地があります。今、2023年1月のさらなるリニューアルに向けて準備を進めています(※1)。このリニューアルでは、充填コーナーの「SUPER DRY GO RIDE」は着席型にし、映像だけではなく風や振動、ミストでさらにリアルな体験ができる「4D仕様」にしています。発酵コーナーは、キネティックライトと映像によって、スーパードライならではのキレを生む酵母のダイナミックな働きを、より印象的に伝えていきます。
上村 どちらも工場見学施設ではまったく前例のない試みですので、挑戦の先に見える景色が楽しみです。私たちもお客さまの期待をいい意味で裏切り続け、何度来てもスーパードライの新しい魅力を発見できるようなミュージアムを目指します。
森 スーパードライミュージアムは「進化し続ける」施設として、これからもお客さまを主役としたミュージアムをつくりあげていきます。五感に訴える体験で、ビールに関心が低い方の関心が高まり、スーパードライのファンになってもらえたらうれしい限りです。
上村 ここで得られたお客さまの生の声を最大限に活かし、DXなども活用してビール市場の拡大とブランド育成のためにどんなお手伝いができるか、今後も考えていきたいです。
(※1) 2022年12月時点の情報をもとに、記事を作成しております。
2023.01.04