コラム

見本帳とは?
実物を貼らない新時代の見本帳もご紹介!

  • TOPPAN株式会社
  • 情報コミュニケーション事業本部 情報メディア事業部
    クリエイティブ本部
  • 仲山 遵

既存の見本帳・サンプル帳は、実物を貼っていくのでとにかく手間がかかる。そもそも実物を切断したり、加工するのも大変。壊れたり、割れたりしないようにも気を使う。重くてかさばるので、営業ツールとしても使いづらい。廃棄も大変。そうした不満を抱えている担当者の方は、少なくないのではないでしょうか?

この記事では、それらの問題点が全て解消できる“新時代の見本帳”をご紹介します!その革新的技術の詳細や開発秘話をお伝えし、既存の見本帳・サンプル帳とは違うメリットが明らかになります!



そもそも「見本帳」とは?

①見本帳を作成する目的

見本帳とは、建築資材など商品そのものを切り貼りして1冊の本にまとめたもの。商品購入の際に、お客様に商品の色や質感を確認してもらうための素材のカタログ・パンフレットのことです。企業にとっては、口頭での説明や画像だけでは伝わらないリアルな情報を、見て触って確かめてもらい、商品の魅力を最大限お客様に知っていただくために、とても大切なツールとなります。

②見本帳の種類

< 直貼りタイプ >
素材をカットして、台紙にそのまま貼り付けるタイプの見本帳です。

< 窓貼りタイプ >
直貼りした素材の上に、窓を開けた台紙を重ねて貼るタイプの見本帳です。窓によって素材がきれいに揃って見えることや、窓の形を円形や長方形など自由にデザインすることがメリットとして挙げられます。

<【最新技術】実物を貼らない印刷タイプ >
最新のスキャン技術と特殊印刷技術を駆使し、実物を貼らずに、素材の色や質感を印刷物として再現した新時代の見本帳です。

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新時代の見本帳が解決する不満とは?

実物を貼った見本帳・サンプル帳は、替えがきかない営業ツールとしてこれまでも使われてきました。商品のリアルな情報をお客様に確認してもらうためには欠かせませんが、残念なことに「使いづらい…」といった声も耳にします。

まず当然のごとく、実物が大量になければ既存の見本帳・サンプル帳は製作できません。したがって量の手配が難しい商品は掲載不可。あらたに新商品を追加した見本帳・サンプル帳を作る場合も、掲載済みの商品の実物まで再度手配しなければならず、毎度大がかりな準備が必要です。

実物の切り貼り作業は人力で行うため、製作に時間がかかり、タイルなど割れやすい商品の実物は、作業工程の度に破損していないかの確認が発生したりで、さらに手間が取られます。

他にも重たくて扱いづらいので、営業時の持ち運びが大変だったり、実物を貼っているだけに、産業廃棄物として処分しなければならないなどのデメリットも。

特に実際に見本帳・サンプル帳を扱う担当者さんは「そうそう!」とうなずいていただけているのではと思いますが、そんなみなさんに朗報です。当社がご提案する新時代の見本帳ならば、再現性が非常に高い独自の印刷技術「リアルテクスチャ®」を使用し、上記のデメリットをすべて克服できるのです。

ではここからは、その技術力にフォーカスし、革新的な見本帳・サンプル帳の魅力を明らかにしていきたいと思います。


「リアルテクスチャ®」はなにが革新的?

簡単に申し上げると、「リアルテクスチャ®」とは当社が培ってきた印刷技術に、先鋭的なデジタル技術をかけ合わせた印刷商材です。作り出される印刷物は、通常の印刷では表現できない表面の立体感を再現しており、まるで実物が紙の上に存在しているかのような表現が可能です。

その肝となるのが以下の2つの技術で、これにより革新的な見本帳・サンプル帳が実現できているのです。

①一般のスキャナーと全く違う立体スキャニング技術

「リアルテクスチャ®」は、まず実物をスキャンするところから始まります。

一般的なスキャナーは影が映らないよう真上から光を当てるのが通常ですが、リアルテクスチャ®のスキャンは素材の凹凸がしっかりと出るように光源を斜めから当てることで、まるで太陽の下で撮影したかのような光と影のあるスキャン画像に仕上がります。

たとえば日本刀などの反射物をスキャンすると、通常のスキャンと違い、剣先から柄に向けて一筋のきれいなハイライトが入るのです。この実物のリアルな再現技術が、まるで本物のような質感を表現する鍵のひとつなのです。

②素材に合わせた盛り上げ加工がポイント!スクリーン印刷

まず「立体スキャン」で獲得した画像データの色調や陰影に合わせてスクリーン印刷(孔が空いたシルク版を製版し、版画の要領で紙に直接インキを乗せられる印刷技術)を数回に分けて実行します。質感を再現するために盛り上げ加工を施していくのです。

結果として完成品はいくつものインキが重なった状態に。「立体スキャン」と「盛り上げ加工」の2つの技術のかけあわせで、リアルな見た目と触り心地を再現できるのがもうひとつの鍵なのです。

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革新性を支えるプロの職人技

この「リアルテクスチャ®」の技術は、実用へこぎつけるまでに多くの苦労がありました。

開発時、特に我々の頭を悩ませたのが実物との色合わせでした。立体スキャニングで取り込んだ画像に色調補正を行い、印刷して実物と色合わせをしても、さらにスクリーン印刷を重ねる(テクスチャを乗せる)ことで印刷物の色がまたガラっと変わってしまうのです。

そこで我々が尽力したのが、加工後の色調変化を補正する、独自の変換技術です。これを行うことで、さまざまな加工に合わせてかなりの精度まで自動で色合わせをすることが可能になりました。

しかしながらこれでもまだ十分ではありません。より本物に近い色を再現するためには、プリンティングディレクターによるさらなる色合わせの技術が必要なのです。我々が長い年月をかけて培ってきたハイレベルな製版技術、その経験に裏打ちされたプロの技こそが「リアルテクスチャ®」の真髄なのです。

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お客様からのうれしい反響も

おかげさまで、現在「リアルテクスチャ®」を使ったサンプル帳は建築業界に浸透してきており、着実に受注数が伸びています。

お客様からは、「市場の売れ行きなどを見ながら適宜増刷でき、コストの適正化につながっている!」「実物を大量に使用しないため、発売前の新商品も掲載できて便利!」といった声もいただいています。


興味のある方はサンプル見本などもお送りできますので、ぜひ以下のリンクよりお気軽にお問い合わせください。


当社ではDX時代の新たな活用を見据えて、「リアルテクスチャ®」に使用する画像データを、商品の質感がオンライン環境でも体感できる高品質画像データの「ハイエンド-リアルデータ」として同時に販売を開始しました。

このデータを使えば、見本帳・サンプル帳自体が不要になるという未来も、そう遠い話ではないのではと思えます。百聞は一見にしかず、以下の当社サンプルサイトにて確認ができますので、まずはその実力のほどをぜひご覧になってください。



この「ハイエンド-リアルデータ」の活用や幅広い用途、ビジネス展開などについては、以下のコラムにて解説しています。

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2024.07.17

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