コラム

ビジネスにおけるファン化とは?
メリットや顧客をファン化させるポイントを解説!

  • TOPPAN CREATIVE編集部

ファン化とは、既存顧客との関係性を強め、ファンにしていくことを指します。ファンは商品やサービスに対する愛着があり、リピート率も高いため、ファンが増えると安定的な売上を確保しやすくなります。

LTV(顧客生涯価値)の向上や顧客獲得コストの削減など、さまざまなメリットがあるファン化ですが、どのように取り組めば良いかわからず、なかなか一歩が踏み出せないケースも多いでしょう。

そこで本記事では、ファン化の基礎知識から導入方法に至るまでを体系的に解説します。


ファン化とは

ファン化とは、既存顧客とのエンゲージメント(つながりの度合い)を高めることで、自社商品・サービスに対する愛着や、応援したい気持ちを育て、ファンにすることを指します。

ファンは一般的な顧客よりもリピート率が高いうえに、競合他社に移行する可能性も低く、商品・サービスを長期間使い続けてくれる存在です。

自社のファンが増えれば、顧客1人あたりのLTV(顧客生涯価値)が向上し、長期的・安定的な売上拡大が見込めます。

また、ファン化をめざした集客やブランディングの施策をファンマーケティングと呼びます。ファンマーケティングについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。


顧客のファン化の必要性・重要性

なぜ既存顧客をファンへと昇華させる必要があるのでしょうか。ここでは近年、ファン化が重要視されている理由を、3つのポイントに分けて解説します。

人口減少による市場の縮小

画像引用元:統計局ホームページ/人口推計(令和5年(2023年)5月確定値、令和5年(2023年)10月概算値) (2023年10月20日公表)(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)

総務省統計局の人口推計によると、2023年10月1日時点の国内人口は1億2,434万人で、前年同月に比べて60万人近く減少しています。過去約10年間の推移からは、人口減少に歯止めがかからない現状が見て取れます。

人口減少によって市場が縮小するなか、従来の方法で新規顧客を獲得するのは困難です。そのため、既存顧客との関係性を強め、中長期的な売上を確保することが多くの企業にとって急務となっています。

市場の成熟と差別化の難しさ

現在の日本は市場が成熟化し、商品・サービスの品質や機能性で差別化を図るのが難しくなっています。たとえ品質や機能性に優れた商品・サービスをリリースしても、すぐに模倣品が現れ、価格競争に陥ってしまいやすいためです。

このような環境下だからこそ、ファン化の考え方が重要視されています。商品やサービスへの愛着(ロイヤルティ)を高め、ファンになってもらうことで、不毛な価格競争に陥ることなく売上を確保することが可能になるのです。

企業の利益の大部分は優良顧客(リピーター)からもたらされる

マーケティング業界では、売上全体の8割は、顧客全体の2割を占めるファンによってもたらされるといわれています。これを「パレートの法則」と呼びます。また、新規顧客の獲得コストは既存顧客よりも5倍高いという、「1:5の法則」も有名です。

つまり企業にとっては、既存顧客に注力し、いかにファン化できるかが重要といえます。


顧客のファン化によって得られるメリット

既存顧客をファン化することによって次のようなメリットが生まれます。

 ● 収益基盤が安定する
 ● 購入単価の向上
 ● 価格競争からの脱却
 ● 新規顧客の獲得につながる
 ● 新規顧客獲得にかかる広告費を削減できる

収益基盤が安定する

前述したパレートの法則の通り、売上全体の8割は顧客全体の2割を占めるファンが生み出しているとされています。

ファンは自社商品・サービスへの愛着があるからこそ、容易に競合他社へと流れず、中長期的で安定した利益をもたらしてくれます。ファン化の施策が定着することで、盤石な収益基盤が築けるでしょう。

購入単価の向上

既存顧客のファン化が実現すれば、顧客単価の向上が見込めます。ファンのようなロイヤルティの高い顧客に対しては、アップセルやクロスセルなどの提案が通りやすいからです。

アップセルとは、既存顧客が現在使用している商品やサービスの上位版の購入を促す手法です。クロスセルは、購入のタイミングで関連商品・サービスのまとめ買いを促進する手法を指します。

すでに何らかの商品やサービスを購入し、それに愛着を抱く顧客ほど、上位モデルや関連商材に興味を示しやすくなります。結果的に顧客1人あたりの購入単価が増え、安定的な売上につながるでしょう。

価格競争からの脱却

ブランドや商品、サービスなどに愛着がある顧客は、価格やスペックの変動に影響されにくい傾向があります。

たとえば、サブスクリプションサービスの月額会員費を値上げする場合も、長期間そのサービスを使ってきたファンにとっては、値上げ額以上に他社に乗り換えるコストの方が大きいため、結果的に値上げを受け入れてもらえる可能性が高くなります。

だからといって、高額な値上げはファンを離脱させる一因となりますが、価格競争に巻き込まれにくく、比較的自由に価格を設定できるのは、ファン化の大きな利点の一つです。

新規顧客の獲得につながる

既存顧客のファン化を進めることで、新規顧客の獲得にもつながります。

商品やサービスに愛着が湧き、自社のファンとなった顧客は、知人や不特定多数に向けて積極的に情報を発信してくれる可能性が高まります。SNSや口コミサイトなどに、商品・サービスへの好意的な意見が増えることで、新規顧客を呼び込むきっかけが生まれます。

口コミや紹介による新規顧客獲得をめざすマーケティング戦略のことを、リファラルマーケティングといいます。

新規顧客獲得にかかる広告費を削減できる

リファラル効果によって新規顧客を獲得すると、集客のための広告費を削減できるメリットがあります。なぜなら、UGCが集客の起点になるためです。

UGC(User Generated Contents)とは、商品やサービスのユーザーが自ら生み出すコンテンツを指します。商品ページのレビューや口コミサイトへの書き込み、SNSへの投稿などが代表的です。このようなUGCには広告費をかけずに済むため、新規顧客獲得コストの大幅な削減が期待できます。


顧客をファン化させるプロセス

ファン化に向けた施策を実施するには、しっかりと事前準備を行うことが大切です。まずは、顧客をファン化させるプロセスを押さえておきましょう。

顧客リサーチを踏まえファンの定義を決める

ファンという言葉は企業によって捉え方や意味合いが異なります。そのため、自社にとってどのような顧客がファンにあたるのか、その定義を明確にすることが重要です。

ファンを定義するには、まず既存顧客の属性や行動傾向をリサーチしましょう。そして、購入金額や購入頻度、NPS(ロイヤルティを計測する指標)などを可視化します。

定義したファンに合ったアプローチをする

ファンの定義に沿って、自社がアプローチしやすい手法を考えます。また、口コミや紹介による新規顧客の獲得も見据え、コミュニティのような、ファンが自身の想いを共有したくなるような仕組みを構築することも大切です。

ファン化に向けた代表的な手法は次の通りです。

【ファン化の手法】
 ● SNSでの情報発信:
   商品のコンセプトやブランドの価値を発信し、共感を得ることで、ファンになるきっかけにつながる
 ● ファンコミュニティの構築:
  企業とファン、あるいはファン同士がコミュニケーションを取り合える環境(FAQフォーラムやチャットなど)を整える
 ● 商品デモンストレーション:
   ライブ配信を通じてデモンストレーションを公開し、コメントでファンとのコミュニケーションを図る


継続的かつ長期的なアプローチでファンとの良好な関係を構築する

ファンを増やすためにはある程度の時間が必要です。情報発信やコミュニケーションのための土台を築いたり、担当者のリテラシーやノウハウを強化したりするには、中長期的に環境を構築する必要があるからです。

そのため、ファンが喜ぶようなアプローチを繰り返し試行し、徐々に信頼関係を築き上げましょう。一度に数多くの施策を実行すると、社内にも顧客にも混乱を招く可能性があるため、スモールスタートを意識することが重要です。


顧客をファン化させるポイント

ファン化に向けて取り組みを行う際は、次のようなポイントを意識することが大切です。

 ● 顧客の共感や愛着を促す情報を発信する
 ● 顧客一人ひとりに合ったアプローチを行う
 ● 顧客の意見に耳を傾け改善する
 ● 誠実な対応で信頼を高める

顧客の共感や愛着を促す情報を発信する

ファン化に向けて企業から情報を発信する際は、顧客からの共感や愛着を意識することが重要です。そのためにも、ブランド・商品・サービスのコンセプトやアイデンティティを明確にしましょう。

それには、製品企画から製造、完成までの流れをストーリー形式で紹介する方法が代表的です。ほかにも、あえてUGC(一般ユーザーが作成したコンテンツ)のような雰囲気の画像や動画を作成し、ファンからの発信を促すケースも多く見られます。

顧客の共感や愛着の度合いが高くなるほどエンゲージメントが向上し、ブランディングにも好影響を与えます。ファンエンゲージメントを高める具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


顧客一人ひとりに合ったアプローチを行う

データ分析はファン化の施策を成功させるために欠かせない要素です。顧客一人ひとりの嗜好や行動傾向をデータから把握することで、パーソナライズ化されたアプローチが可能になり、満足度の向上につながりやすくなります。

顧客の誕生日にモバイルアプリからバースデー通知を送ること、購入頻度にもとづいてクーポンを配布することなどは、データ分析に紐づいた代表的な施策です。

顧客の意見に耳を傾け改善する

ファン化に向けた取り組みでは、単に施策を実施するだけでなく、その反応を定期的に収集することも大切です。顧客から寄せられた問い合わせや、商品・サービスに対するフィードバックなど、リアルタイムの顧客の声を施策に反映するほど成果が高まりやすくなります。

意見収集のための環境を構築するには、購入後のサンクスメールや会員サイトの退会ページなど、さまざまなタッチポイントにアンケートを設置するのが効果的です。ほかにも、アンケート調査会社や、モニター募集などを通じて意見を取得するのも良いでしょう。

誠実な対応で信頼を高める

ファンを増やすには既存顧客に対する誠実な対応が欠かせません。たとえ高品質な商品やサービスを提供したり、高度な施策を実施したりしても、不誠実な対応をすれば既存顧客は離れていってしまいます。

顧客から問い合わせがあった際は、親身になって相談に乗り、的確なアドバイスを行いましょう。また、商品・サービス購入後のアフターフォローを徹底することも重要です。長期的な関係構築を意識して誠実な対応を行うことで、顧客と接する一つひとつのタッチポイントが、ファンを生み出す重要な基盤となります。


「MINTSUKU®」で顧客をファン化させよう!

既存顧客がファン化すれば、安定した売上の確保や、顧客獲得コストの削減など、多くのメリットがあります。ファン化を進めるためには、自社にとってのファンの定義を明確にしたうえで、その特徴に沿った適切な施策を行うことが大切です。

もし、その取り組みの一環としてファンコミュニティを立ち上げたい場合は、当社が提供する「MINTSUKU(みんつく)」を活用してみてはいかがでしょうか。

MINTSUKUでは、独自のコミュニティプラットフォームに登録するだけでコミュニティを形成できるため、自社サイトを立ち上げる必要がありません。また、保有しているフォトコンテンツを活用し、オリジナルグッズを作成することも可能です。


ファン化に向けたプロモーションを効率良く実行したい方は、ぜひ以下の公式サイトから詳細をご覧ください。

2024.02.01

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