推し活マーケティングとは?
事例や成功させるポイントを解説
- TOPPAN CREATIVE編集部
近年、ビジネスシーンでも「推し」という言葉を耳にするケースが増えつつあります。今回紹介する「推し活マーケティング」は、推しを支援するファンの消費活動を促進し、売上拡大を図るマーケティング方法です。
推し活マーケティングを効果的に実施するためには、基礎的な知識を身につけたうえで、他社の事例を知ったり、施策実施のポイントを理解したりすることが重要です。
そこで本記事では、推し活マーケティングの概要やメリット、導入時のポイントを解説します。実際に施策を行っている3社の事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
推し活マーケティングとは?
推し活マーケティングとは、自分の好きな人や物にお金を支払う「推し消費」を促進し、自社商品・サービスの売上拡大をめざすマーケティング方法です。
具体的には、芸能人やアニメキャラクターといった「推し」に対するファン層をターゲットにした、コラボ商品・サービスを提供が多く見られます。また、推し消費を推進するためのオリジナル商品・サービスを用意したり、その人気投票を行ったりすることも、推し活マーケティングの一手法に含まれます。
主にSNSやファンコミュニティを用いてアプローチすることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)発信が促進され、ブランディングに効果を発揮します。口コミの増加によって売上向上が見込めることも利点の一つです。
そもそも「推し活」とはなにか?
そもそも推し活とは、自分の好きな人や物を応援する活動です。そのなかには、芸能人や著名人、アニメ・ゲームのキャラクターなど、ジャンルを問わず多様なものが含まれています。
「○○推し」という言葉が一般的に定着したのは、「推しメン」が流行語大賞にノミネートされた2011年頃からです。それから10年以上が経過した現代では、以下のように推し活の内容が多様化しつつあります。
【推し活の具体例】
● コンサート・握手会などのイベント参加
● コラボカフェへの参加
● ファンクラブへの加入
● 公式グッズの購入やオリジナルグッズ制作
● オフ会やSNSを通じたファン同士のコミュニケーション
● 推しの誕生日祝い
推し活マーケティングと「推し消費」の関係性
推し活マーケティングと推し消費には密接な関係があります。
推し消費とは、推し活の一環として、自身の好きな人や物に関連する商品・サービスを購入する行為です。
たとえ自身の欲しい商品やサービスでなくても、推しに貢献する行為として購買行動を起こす点に特徴があります。ファンからすれば、推しへの貢献は正当性があるため、その分消費に対する後悔が少なくなります。
このような推し消費を促進することで、推し活マーケティングの目的である販売促進を達成しやすくなります。
推し活マーケティングが注目されている理由
推し活マーケティングの注目度や重要性が、近年高まっています。ここでは、推し活マーケティングが注目される理由を解説していきます。
消費傾向の変化
大量生産・大量消費時代が終わりを迎え、消費者の価値観や行動傾向は大きく変化しました。現代の消費傾向は「モノ」から「コト」へと変わり、消費者は商品やサービスよりも、自身の体験に価値を見出すようになっています。
このようななかで推し活マーケティングに注目が集まるのは、推し活そのものに、消費を通じて推しの夢や活動をサポートできる魅力があるためです。ライブに参加したり、購入したグッズをSNSで共有したりと、体験によって得られる幸福感や達成感が、現代の価値観にうまくフィットしたといえるでしょう。
企業は、推し活の盛り上がりに対応した施策を行うことで、売上の向上が期待できます。
経済効果の高さ
推し活応援メディアを運営する株式会社Oshicocoは、推し活女子の消費行動に関するアンケート調査を実施しました。その結果によると、18~24歳の約4割の人が、1ヶ月の推し活に3万円以上を支出することがわかっています。また、支出額は年齢が上がるほど増加する傾向にあります。
このように推し消費が盛り上がりを見せる環境は、推し活マーケティングでニーズを捉えた施策を展開するには好機だといえます。
Z世代にアプローチできる
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが実施した「Z世代のヲタ活に関する意識調査」によると、15~24歳のなかで何らかの推し活をしている人は全体の8割を超えています。
つまり、推し活マーケティングを推進すれば、Z世代の消費の受け皿になれる可能性があります。また、Z世代はSNSなどによる発信力が高いうえに、今後年齢を重ねて収入が増えることで消費活動もいっそう活性化することが見込まれるため、早期からアプローチをかける価値が高い存在といえます。
推し活マーケティングの事例
推し活マーケティングの具体的な施策を考えるには、他社の成功事例を参考にするのがおすすめです。ここでは3社の事例を紹介していきます。
初音ミクとのコラボ企画(ローソン)
ローソンでは、初音ミクとのコラボを定期的に開催し、2023年で16周年を迎えます。店頭販売を中心に、クリアファイルやピンバッジ、オリジナル食品などの様々なコラボグッズを展開しています。
また、SNSを用いた推し活の促進を行っていることも特徴です。公式アカウントをフォローし、専用ハッシュタグ付きで対象のポストを引用すると、初音ミクとのコラボQUOカードがプレゼントされます。
推しに特化したカラオケプラン(カラオケパセラ)
カラオケチェーン「カラオケパセラ(PASELA)」は、カラオケボックスを活用したオフ会・イベント用のプランを提供しています。同プランを利用すると、「推しカラードリンク」や「推しカラーハニトー」などの特典を得られるのが特徴です。
オリジナルフォトグッズの販売(横浜エクセレンス)
B.LEAGUE所属のプロバスケットボールクラブ「横浜エクセレンス」は、ファンコミュニティを活用してオリジナルフォトグッズを販売しています。ファンにとっては、好きな選手のコンテンツを気軽に入手できたり、推しに貢献している実感を得られるメリットがあります。
この活動に用いたのは「MINTSUKU(みんつく)」というプラットフォームです。MINTSUKUでは、目的のフォトコンテンツを選び、レイアウトやトリミングなどの設定をするだけでオリジナルフォトグッズを作成できます。
推し活マーケティングを成功させるポイント
推し活マーケティングを成功させるには、次の5つのポイントを意識することが大切です。
● 自社商品と推し活の接点をみつける
● ファンが自発的にシェアしたくなるコンテンツを提供する
● シェア・拡散したくなる仕組みを取り入れる
● 自社の商品ではなく推しが主役のコラボにする
● 形に残る商品・サービスにする
自社商品と推し活の接点をみつける
事例からわかる通り、推し活マーケティングには様々な施策が考えられます。そのため、いまいちど自社の商品やサービスを棚卸しし、推し活と相性の良いものや、接点が生まれそうなものを探すと良いでしょう。
たとえば、推しのイメージカラーに沿って商品をレイアウトし直すだけでも、随分と雰囲気が変わるものです。そのほか、カラオケパセラのように、自社サービスのなかに推し活そのものを導入できないか、検討してみるのもおすすめです。
ファンが自発的にシェアしたくなるコンテンツを提供する
推し活マーケティングではSNSを活用するケースが多いことから、他者と共有したくなるようなコンテンツを考案することが大切です。自社コンテンツにまつわる投稿がSNS上に増えたり、トレンド入りしたりすれば、集客やブランディングなどの数多くの恩恵が期待できます。
そのためには、推し活ユーザー同士の話題を先取りしたり、写真を投稿して楽しめるコラボ商品を考えたりといった工夫が効果的です。
シェア・拡散したくなる仕組みを取り入れる
SNS上でのシェアや拡散の機会が増えるよう、各プラットフォームの機能を有効活用しましょう。
たとえばローソンでは、公式アカウントをフォローしたうえで指定のポストをリポストしたユーザーに対して、抽選で1万円分のQUOカードをプレゼントしています。1万円という高額なリターンによって、ユーザーのアクションを促しています。
ハッシュタグ付きの投稿を行う、引用やコメントで情報を拡散するなど、ユーザーが何らかのアクションをすることで、どのような特典や恩恵を得られるのかを明確にすることが重要です。
自社の商品ではなく推しが主役のコラボにする
推し活マーケティングを進める際は、自社の商品やサービスをアピールしてしまいがちですが、あくまで推しが主役になるような調整が必要です。自社商品・サービスばかりをアピールし、推しが脇役になってしまうと、ユーザーから反感を買い、最悪の場合は炎上につながる恐れがあります。
推しを主役に据えるためには、企画の段階から綿密な情報収集が求められます。推しの魅力や特徴、ファンのニーズ、NGワードなどをしっかりとリサーチしたうえで、適切なコンテンツを考えましょう。
形に残る商品・サービスにする
推し活をするユーザーのなかには、コレクション気質のある人も一定数存在します。そのため、商品パッケージのみのコラボだけでなく、ときには形に残る商品やサービスを提供することも大切です。
食品のような形に残らない商品を提供する際は、コラボ用の付録を用意するのも良いでしょう。形の残るコラボグッズは中長期的にユーザーの印象に残るため、リピーターや企業に対するファンを獲得する際に役立ちます。
推し活マーケティングなら「MINTSUKU」
推し活マーケティングは、芸能人やキャラクターに対するファンの推し消費を推進し、売上拡大を図るマーケティング方法です。コラボ商品の提供やイベントの開催など、推し活を起点にユーザーとの接点を生み出すことで、エンゲージメントの強化につながります。
これから推し活マーケティングを実施する方は、当社が提供している「MINTSUKU(みんつく)」を活用してみてはいかがでしょうか。
MINTSUKUを利用したユーザーは、企業が公開する画像を選び、自分だけのオリジナルフォトグッズを作成できます。自社の遊休資産を通じてファンエンゲージメントを高められるのが特徴です。詳細は以下のページで紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2024.02.01