データテクノロジー&プラットフォームサービス コラム

店舗集客チラシのコスト削減
~デジタル広告と予算と効果を最適化する方法とは?

「チラシのコストを削減したいが、店舗への集客をデジタル広告だけに絞って大丈夫なのだろうか・・・」「チラシ依存の店舗集客を脱却し、Web広告へとうまくデジタルシフトするには、どうすればよいのだろう・・・」そんなお悩みの声を、よく耳にします。

そこで今回は、チラシとデジタル広告の予算配分および集客効果を上手に「最適化」する具体的な方法について、現状のチラシ集客の課題整理から正しい予算配分の考え方、そして成果の計測と継続的な改善までの実現のステップを、TOPPANの「Print to Digitalサービス」を交えて解説します。

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流通・小売業向け「Print to Digital」サービス


<目次>
■チラシ集客のメリット・デメリットとは?
■チラシとデジタル広告「予算」最適化の3つの考え方
■チラシ予算の削減アイデア
■チラシとデジタル広告「効果」最適化の3つの注意点
■チラシとデジタル広告の最適化・実現までの3ステップ
■TOPPAN「Print to Digital」サービスによる最適化の実現方法
01| 来店計測環境の整備
02| 来店効果の把握と評価
03| 来店獲得傾向に合わせた最適化の実行と改善
■まとめ


チラシ集客のメリット・デメリットとは?

リテール・小売業界での店舗集客ツールと言えば、なんといってもチラシです。しかし消費者生活のデジタルシフトが進み、新聞購読者数も年々減少する中で、効果測定ができない紙媒体の予算確保は難しさを増しています。

折込やポスティングによるチラシ集客には、

・インターネットやスマホを使いこなせない世代にも情報が届く
・一目で情報が伝わり、全体が把握しやすい

といったメリットがある一方で、

・デジタル世代に情報が届きにくい
・制作~印刷~配布に時間とコストがかかる
・効果の測定と把握ができず、検証や改善が図りにくい

というデメリットがあります。そのため、これからの集客施策においてチラシをどのように扱い、デジタル広告との棲み分けをどうすべきか、お悩みの企業が多いのが現状でしょう。


チラシとデジタル広告「予算」最適化の3つの考え方

まずは予算配分の考え方について解説します。チラシのコストを削減し、デジタル広告との予算を最適化するには、大きく3つの方向性があります。

1. 既存の紙による広告媒体予算は変えず、さらなる来店者数を向上させるためにデジタル施策の予算を追加して来店者数を増やす「売上最大化」。

2. 予算はそのまま、チラシ予算を削減してその分をデジタル広告に回して来店客増加を目指し、売上増を目指す「インクリメンタル最大化」。

3. 予算を節約しながら、来店数を最大化することで利益を確保する「コスト節約」。

現実的にはチラシ予算を削減し、その分をデジタル広告に回す(全体予算を増額しない)、2を目指すことが一般的でしょう。


チラシ予算の削減アイデア

チラシ予算を削減する方法は、たとえば以下のような方法があります。

■チラシ仕様の見直し
チラシの紙質やサイズの見直し(例:B3サイズをB4になど)により、印刷コストが削減できます。

■配布地域を縮小する
配布地域を絞り込むことで、部数を減らし、コスト削減可能です。

■配布頻度の見直し
たとえば月4回の配布を月2回にすれば、その分コストは削減できます。

ただし、「これまで長く続けてきたチラシを縮小したり配布頻度を減らして、ほんとうに大丈夫なのか?」と不安を感じますよね。そして浮いたコストでデジタル化を推進しよう、としたときに、「デジタル広告は果たして、チラシ代替えとしての集客効果はあるのか?」との不安もあるでしょう。

この不安を解消するためには、予算削減ありきではなく効果も含めた「最適化」が必要です。


チラシとデジタル広告「効果」最適化の3つの注意点

そこで次に、効果測定と改善の視点から、チラシとデジタル広告の最適化を考えていきましょう。チラシとデジタル広告の最適化を進める際、注意すべき3つのポイントがあります。後々実施してから「しまった・・・」とならないよう、事前に把握、しっかり検討することが大切です。

01 | メディア間における共通のKPIをどう設定するか

チラシなどのオフラインメディアは、そもそも効果が測定できないことが課題でした。一方、デジタル広告はアクセスログ、CTR (Click Through Rate:ユーザーに表示されたインプレッション数のうち、ユーザーがクリックした回数の割合)やCPC(Cost Per Click:クリック単価)が取得できますが、これらはあくまでも「どれだけの人が見た、アクションしたか」の数値であり、売上に直結したKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)ではない、という課題があります。また、後述するジオターゲティングなどで成果にあたる「来店CV(コンバージョン)」も計測できるとはいえ、計測環境が異なることから単純比較が難しい、という課題があります。

02 | 計測環境の違いをいかに克服するか

こちらもチラシはそもそも計測ができません。デジタル広告では広告の管理画面やサイト解析ツールなどがありますが、多種多様なメディアやツールが存在し、それぞれ条件が微妙に異なる点が課題です。

03 | 継続して改善を行うPDCAをどのような体制で運用するか

チラシでは前年、前月、前週などとの配布/来店者数での比較となりますが、そもそも施策効果によるものなのかがわかりません。デジタル広告ではCTRやCPC、もしくはサイト上のアクセスログをKPIとしての改善が可能ですが、短いスパンでの企画立案と実行が継続するために業務負荷が高く、体制や仕組みを準備しておかなければ、改善のためのPDCAサイクルを回すことができません。


チラシとデジタル広告の最適化 実現までの3ステップ

TOPPANでは、長年にわたる流通・リテール業界の店舗集客支援のノウハウを活かし、チラシとデジタル広告の最適化を実現する「Print to Digital」サービスを提供しています。

本サービスでは前述の注意すべき3つのポイントへの最適解をお客様にご提供すると共に、最適化の実現までを大きく以下の3つのステップに分け、さまざまなテクノロジーと解析手法を掛け合わせたワンストップサービスとしてお客様にご提供します。

ここからはTOPPANの「Print to Digital」サービスを基に、チラシとデジタル広告の最適化の具体的な実現方法について解説していきます。


TOPPAN「Print to Digital」サービスによる最適化の実現方法

チラシとデジタル広告の最適化に向けた前提として、タイムリーに計測可能なPrimary KPI(最重要成果指標)の設計が必要となります。ここはプロジェクトの成果を測る上でも重要なポイントですが、TOPPANでは「来店数」をKPIとして設計する ことをおすすめしています。

そして来店効果を分類・整理します。この際、チラシやデジタル効果施策の来店効果だけではなく、施策の影響を受けていない来店やEC広告による副次的な来店についても評価し、店舗集客施策全体でのスコープを明確にすることが大切です。

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01 | 来店計測環境の整備

来店コンバージョンを計測する
来店コンバージョンを測るにはさまざまな方法があり、各デジタルメディアのサービスで来店コンバージョンを計測できるツールが提供されていますが、その仕様や定義はサービスにより微妙に異なります。そのため、それらの条件を揃えて正しく把握する仕組みを構築しておくことが大切です。

来店コンバージョン計測ツールの一例としては、Google広告の来店効果を可視化する「Google Store Visit」があります。Google Store Visit計測可能な広告アカウントとWebサイト解析ツールであるGoogle Analyticsを連携することで、Google Analytics計測環境下のユーザーの来店CVも計測可能です。

ターゲティングおよび効果測定(分析)のためID-POSデータを活用する
Google Store Visitの活用などにより来店数の計測は可能ですが、最適化の本質的な目的は売上向上です。そのため、入口である来店データの計測に加えて、出口にあたるID-POSデータの活用が必要となります。

02 | 来店効果の把握と評価

次に、店舗別の来店獲得傾向の把握です。店舗ごとのオンラインからの来店獲得情報を一覧化し、エリア情報/売上実績/会員情報などから、ランク別にグルーピングします。

TOPPAN「Print to Digital」サービスでは、以下のような分析とグルーピングを提供します。

店舗単位での来店傾向の詳細を把握する
実際に配信した広告の配信結果から、店舗単位の来店獲得傾向を把握します。「来店最大化広告の店舗別来店獲得の結果=デジタル上の来店獲得傾向」と位置付け、店舗単位の来店傾向を把握し、デジタル広告により来店成果を獲得しやすい店舗をランク付けします。

最適化にむけたデータの取集~解析~グルーピング
さらに「Print to Digital」サービスではデジタル広告による来客獲得効果に加えて、店舗単位のエリア情報/売上実績/会員情報などの数値から因果関係を解明しながら、店舗毎のグルーピング/意味付けを精緻化し、さらなる集客に向けた最適化のための分析を提供します。

03 | 来店獲得傾向に合わせた最適化の実行と改善

そして、これらのグルーピングに応じて、「デジタル強化店/チラシ強化店」ごとに、デジタル・チラシのアロケーション(アクションと予算の最適化)を実施します。

以下は実施の例です。グルーピングした店舗の中からテスト店舗を選定し、施策を実行。最適化の前後比較や統計解析検証を実施します。


まとめ

いかがでしょうか。今回はチラシ予算を削減しつつ、全体予算を増額することなくデジタル広告へシフトさせ、効果も含めて最適化するための具体的なステップを、TOPPANが提供する「Print to Digital」サービスを交えて解説しました。

TOPPANは、チラシやDMなどのオフラインメディアから、デジタル広告、アプリ、SNS、メルマガなどを含む幅広いメディアの運用ノウハウを保有しています。また、バナーや動画、LP、Webサイトなどのコンテンツ制作や運用もサポート可能です。

店舗における集客手法において、チラシ依存から脱却したい、チラシとデジタル広告の双方の強みを活かしつつ最適化を図りたい、とお考えの方は、ぜひTOPPANまでお問い合わせください。

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2023.11.30