【官公庁・自治体・公共機関向け】
古くなったデザインや深化した階層をリニューアル!
ユーザーが求める情報にたどり着くサイト設計の手法を徹底解説
官公庁・自治体・公共機関のサイトは、住民から事業者、観光客までさまざまな人が閲覧するWebサイトであり、情報も多岐に渡るため、見やすく、わかりやすいのはもちろん、定期的なメンテナンスも必要になってきます。
しかし、過去に注力して制作したイトも、現在に至っては、デザインが古くなっていたり、発信する情報量が増え、サイト階層が深く複雑になってしまっていたり、ユーザーにとっては見にくく必要な情報にたどり着けない状況になっていることも多々あります。
そこで今回は、官公庁・自治体・公共機関サイトをリニューアルする重要性やWebサイトリニューアルを成功させるサイト設計のポイント、TOPPANの実績事例をご紹介します。
はじめに
まずは官公庁・自治体・公共機関のWebサイトにおけるよくある課題を見ていきましょう。
●官公庁・自治体・公共機関のWebサイトが抱える共通課題
・デザインが古いまま放置されている
・1ページの情報量が多すぎる
・サイト構造が深化している
・情報がユーザーに対してうまく伝わらない
・Webサイトが見づらいため、参照せずに電話で問い合わせするケースが多い
・モバイル端末での閲覧時に文字が小さくて読みにくい
・Webサイトの検索機能の精度が低い
●古くなったデザインが与える影響
Webサイトのデザインが古くなることによって、さまざまな問題が生じます。例えば第一印象として古いイメージがあると、ユーザーに「長らく更新していないのではないか」「このサイトには最新情報が掲載されていないのではないか」と情報の信頼性まで疑われる恐れがあります。
また、最近ではスマートフォンなどのモバイル端末で閲覧するユーザーも多いため、古い作りのままではスマートフォンでの表示に対応していないこともあります。その場合、文字が小さく読みにくかったり、横スクロールをしなければならなかったりと、ユーザーの使い勝手が低下してしまい、必要な情報を届けることができません。
セキュリティ面でも懸念があります。古いシステムや構造はサイバーセキュリティ対策の観点から穴が多く、狙われるリスクも高まります。これは特に官公庁・自治体・公共機関にとっては、大きな危険を伴います。

●情報が埋もれるサイト構造とユーザーのストレス
長年運用していると、官公庁・自治体・公共機関のサイトには膨大な情報が蓄積されていきます。サイト構造がどんどん深くなっていき、ユーザーにとってはサイト回遊の際に混乱を招き、必要な情報にたどり着けない事態を生み出します。そうなればユーザーにとってストレスとなり、「このサイトは使いづらい」と離脱し、電話での問い合わせなど、別の手段に頼らざるを得なくなってしまいます。その結果、簡易的な情報であっても問い合わせが増え、従業員の業務を圧迫する恐れもあります。
これらの課題を踏まえると、すべての課題を解決し得るWebサイトリニューアルを進めることは、有益な取り組みといえます。

■Webサイトリニューアルの重要性
次に、官公庁・自治体・公共機関がWebサイトをリニューアルする理由を整理します。
●ユーザーの利便性向上のメリットが大きい
Webサイトリニューアルを「ユーザーが使いやすい」という観点から実施することで、ユーザーの利便性が向上し、よりWebサイトを閲覧してもらいやすくなります。その結果、官公庁・自治体・公共機関側が住民に伝えたい情報や世間一般に発信したい情報が適切に伝わりやすくなります。
ユーザーにとっては「自治体サイトを見ればわかる」状況となり、電話やメールでの問い合わせはもちろん、窓口へ出向くことも不要になります。その結果、官公庁・自治体・公共機関側もユーザーへサービスを提供しやすくなると考えられます。適切にモバイル対応も行えば、より利便性が上がり、閲覧数も増えるでしょう。
●情報の可視化とアクセシビリティ向上
Webサイトリニューアルにより、デザインを刷新したり、サイト構造を見直し・整理したりすることは、情報の可視化とアクセシビリティ向上につながります。例えば、色や文字サイズ、ページ構成などを変更し、情報をわかりやすく可視化することで、伝わりやすく、探しやすくなります。
アクセシビリティとは、Webサイトにおいては年齢や身体的、精神的な条件によらず、より多くの人が利用できる基準のことです。Webサイトリニューアルによって全ユーザーが利用できる状態にすることは、全ユーザーへのサービス提供には必須の取り組みといえます。
●サイトの信頼性向上による住民満足度への貢献
Webサイトリニューアルをすることで低下していた信頼性が向上し、利便性やアクセシビリティの向上も併せて実現できれば、ユーザーの満足度の向上にも貢献できるでしょう。
●一時的な更新や改修では解決しない問題の根本的な解決につながる
わざわざWebサイトをリニューアルしなくとも、日常的な更新の際に、文字サイズを大きくしたり、画像を使ってわかりやすくしたりすれば済むのではないかと考えるかもしれません。
しかし、一時的な更新や改修では解決しない問題である、サイト構造がわかりにくく、どこに必要な情報があるのか探せない、スマートフォンで正常に表示されないといった問題が解決しません。Webサイトリニューアルは、そのような問題の根本的な解決につながります。
■Webサイトリニューアルを成功させるサイト設計のポイント
官公庁・自治体・公共機関のWebサイトリニューアルを成功させるには、サイト設計を適切に行うことが必要です。ここではサイト設計のポイントをご紹介します。

●目的・コンセプトの見直し
Webサイトを作成する際には、事前の要件定義の段階で目的やコンセプトを明確にすることが必要です。官公庁・自治体・公共機関のサイトにはユーザーへの情報提供、コミュニケーション、緊急情報の発信、観光促進などさまざまな目的があり、目的に応じてコンセプトも変わってきます。
リニューアル時には、目的やコンセプトを改めて見直し、現状のWebサイトを分析し、課題を把握します。また主要な閲覧ユーザー像を整理しながら、どこを改善すべきかを検討します。
●情報設計の見直し
目的・コンセプト・主要ユーザー、課題を基に、情報設計を見直します。情報を整理し、重要度の優先順位を付けていきます。また、Webサイトに目的をもって訪れるユーザーがそれぞれの目的を達成できるように、最短で達成までたどり着く導線設計を行います。
●デザインのアップデート
デザインについては、直感的に理解しやすいUI(ユーザーインターフェース)設計を行います。UIとはWebサイトが表示される画面内のデザインや文字、レイアウトの全体を意味します。これらを設計する際に重要になるのが、ユニバーサルデザインを適用することです。
ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・国籍・障がいなどに関わらずすべての人が利用できるデザインを指します。Webサイトにおいては、読みやすい大きさ、形のフォントや文字組、配色への配慮、ルビの適用、音声読み上げ機能の追加などが挙げられます。
●検索性・ナビゲーションの強化
検索機能の最適化を行うことも有効です。例えば、情報の横断検索を容易にする具体策として、頻繁に検索されるキーワードを「タグ」として設定し、タグをクリックすれば手軽に情報が一覧で表示されるようにしたり、ユーザーが知りたい情報に絞り込んで検索できるよう、ソートをかけられるフィルター機能を付加したりすることも有効です。
また、「今、自分はこのWebサイトのどの階層のどのページを見ているのか?」がわかりやすい「パンくずリスト」の設置や、Webサイトのほぼ全ページに共通するメニューである「グローバルナビ」をよりわかりやすく改善することも効果的です。
●アクセシビリティの対応
官公庁・自治体・公共機関サイトは、障害者差別解消法や総務省による「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」において、Webアクセシビリティに対応するための取り組みが求められています。
基準として、JIS規格である「JIS X 8341-3:2016(高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ)」があり、A、AA、AAAの3つの適合レベルがあります(Aが最も基礎、AAAが最も高水準)。国や地方公共団体等の行政機関は「適合レベルAAに準拠」することが求めらることがあります。
この点も踏まえながらサイト設計を進める必要があります。
■TOPPANの実績紹介
ここでは、数々のお客さまのサイトリニューアルを成功に導いてきたTOPPANの実績を一部ご紹介します。
●事例:阪神高速道路様|大規模サイトリニューアル

サイトデザインの老朽化や情報過多、サイトを閲覧されるお客さまの利便性低下といった課題を受け、阪神高速道路様では企業情報サイトをはじめ、ドライバーズサイト・採用サイトなど複数のWebサイトのリニューアルを実施。
TOPPANは要件定義から設計・制作・運用までトータルでご支援し、約4,000ページに及ぶ大規模なリニューアルを実現いたしました。
■まとめ
サイトが古い、サイト階層が深化・複雑化しているなど、多くの課題を抱えている場合は、Webサイトリニューアルを適切に実施することで、課題解決につながります。官公庁・自治体・公共機関のサイトは特に、ユーザーに適切に情報提供を行い、サービス提供に役立てる必要があります。今回ご紹介したリニューアルのポイントや事例をもとに、ぜひWebサイトリニューアルをご検討ください。
Webサイトリニューアルをお考えの場合は、ぜひTOPPANにおまかせください。官公庁・自治体・公共機関けのWebサイト設計やリニューアルの実績が豊富なプロジェクトマネージャーより、最適な設計・ご提案をさせていただきます。
2025.08.27