個人株主の動向から見る
株主優待の重要性と活用方法
近年は、個人株主の増加傾向が見られることから、株主優待は企業にとって、メリットがあるといわれます。今後はさらに個人株主の投資を促進するために、株主優待に力を入れる企業も増えていくと考えられます。
そこで今回は、株主優待を企業が行う重要性やメリット、活用方法をご紹介します。
■個人株主の動向と現状
近年、個人株主は増加傾向にあるといわれています。個人株主の特徴も合わせて確認していきましょう。
●個人株主とは?
個人株主とは、個人の資産を用いて株式を購入し、証券市場に投資する人を指します。個人投資家の一種であり、何らかの機関に所属して投資する機関投資家とは異なり、個人の資産を用いて、個人の判断で投資を行うのが特徴です。
●個人株主は増加傾向
近年、個人の株式保有金額が上昇しており、個人株主数も年々、増加の一途をたどっている傾向があります。
デジタル化に伴い、インターネットを通じてさまざまな情報にふれることができ、個人株主はそれらの情報をもとにそれぞれの戦略を持って取り組んでいます。
●個人株主の投資スタイル
個人株主の投資スタイルは、個人の判断で投資を行うのが基本であり、さまざまなスタイルがあります。短期的に売買差額による利得を得るデイトレードから1〜2週間程度の値動きから収益を確定させるスタイル、長期的に株式を保有して配当金や株主優待を得るスタイルまで、幅広いスタイルが存在します。
●企業にとっての重要性
個人株主の存在が企業にとって非常に重要なのは、個人株主は企業の安定的な成長に貢献する存在となる可能性があるためです。その理由の一つに、個人投資家は市場トレンドの影響を受けにくく、長期的な視野で投資を続ける可能性が挙げられます。このことから、個人株主との関係を企業が積極的に重視して良好に保ち続けていくことは、メリットが大きいといえます。
■株主優待とは?
個人株主にとってメリットが大きい株主優待は、企業がIR活動の一環として力を入れたい施策です。株主優待の基本的な概念や特徴を確認しておきましょう。
●株主優待とは?
株主優待とは、自社の株式を購入した株主に対して、企業側が自社商品やサービスなどの優待品を贈る制度です。すべての企業が行うものではありませんが、上場企業の多くが行っています。
優待の内容は、自社の商品やサービスの割引券や優待券が主流ですが、中にはお米や図書カードなどを優待品とする企業もあります。
●株主優待の特徴
株主優待においては、少額投資や長期保有を優遇する傾向があります。また個人株主が株式優待のメリットを求めて株式を購入することも多いため、個人株主を増やすために株主優待を行う企業も多数あります。
株主優待を提供する条件として、権利確定日に一定数の株式を保有していることなどを設けることが多いですが、一部、長期保有推進のために「何株を何年以上」保有している場合に適用するといった条件を定める企業もあります。
■株主優待の重要性
株主優待は、企業にとって重要性の高い施策です。その理由として株主優待が企業に与える影響が大きいことが挙げられます。
まず、株主優待を企業が提供することにより、株主に自社の事業内容に触れて理解してもらう機会を持つことができます。自社の商品やサービスに関する優待であれば、利用を促進することで、宣伝効果もあり、自社のファンを増やすきっかけになるでしょう。
実際、株主優待は、投資家側にとってメリットが大きいといわれます。普段の生活で使える優待品であれば、よりメリットが大きくなります。
また個人株主のうち、株主優待を目的として投資する場合には、中長期的に株式を保有する傾向があります。中長期的に自社の株式を保有してもらうことで、企業にとってもメリットとなるでしょう。
このような背景から、株主優待を企業が提供することは、企業が成長し続けるためにも重要な施策といえます。
■株主優待の活用方法
株主優待を企業が活用するには、次の方法があります。
●効果的な株主優待プログラムの設計
効果的な株主優待プログラムを設計することは、最も大きなポイントです。まず重要なのは目的を明確にすることです。自社が株主優待を実施する目的は何でしょうか。長期保有を促すために行うのか、自社の商品サービスの体験機会を増やし、宣伝活動を意図するのかなど目的は企業によって異なってきます。
目的が明確になれば、ターゲットとなる株主や優待内容も大まかに決まってくるでしょう。
また株主優待については、法律や税制が関連するため、規定を遵守しながら、適切にプログラムを設計していく必要があります。適切な株主優待プログラムの設計に努めましょう。
●株主優待のプロモーション戦略立案
株主優待プログラムはただ実行するだけではなく、株主に対してアピールすることも重要です。プロモーション戦略を立案することも考えましょう。
一般的に、株主優待プログラムを新設した際には、ニュースリリースなどを通じて世間一般に情報を伝えます。その他にも広くWebサイトやSNSなどを通じて株主優待の内容を訴求することも一案です。また株主に対してDMを発送する、PR活動はよく行われています。
●個人株主の満足度向上策の実施
自社株式の長期保有が見込める個人株主に対して、満足度向上のための施策を実施することも重要です。
例えば、商品券を一律郵送するよりも、インターネット上で好みの商品を選択できる手法に変更するといった施策は、個人株主の満足度向上につながるでしょう。また近年は自社特有のポイント制度がある場合、ポイント進呈を優待とする企業も多くあります。ポイントはそのまま現金として使えることも多いため、個人株主が普段から利用しているポイントであれば、満足度向上につながるでしょう。
また、長期保有者ほどインセンティブを高めるといった優遇施策を行うなど、効果が見込める施策を検討することをおすすめします。
■まとめ
企業にとっての株主優待のメリットや活用方法などの情報をお届けしました。昨今の個人株主の増加傾向を考えると、株主優待へ積極的に取り組むことは、個人株主の満足度向上につながり、自社のファンを増やすことも見込めます。自社の長期的な成長のためにも、株主優待を検討してみてはいかがでしょうか。
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2024.07.18