BPaaSとは？
用語の意味やBPOとの違いを解説！

近年、クラウドサービスを利用してコスト削減や業務の効率化を行うケースが増えています。現行業務のクラウド化を検討している方も多いのではないでしょうか。
そうした中、BPOを利用して業務委託をすると同時にクラウド化も進めるBPaaSに注目が集まっています。
今回は、BPaaSの概要からBPOやSaaSとの違い、サービス例、メリットとデメリット、導入事例までご紹介します。

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まずはBPaaSの概要を見ていきましょう。

●BPaaSとは

BPaaSとは、「Business Process as a Service」の頭文字を取った言葉で、自社内で行っている業務全般や一部を、クラウドサービスを通して委託することを指します。

BPaaSはアウトソーシングの一形態ではありますが、アウトソーシングの意味合いに加えて、委託する業務について、オンラインを通じたデータ処理やアプリケーションの実行、タスクの自動化など、クラウド上の機能を利用した上で遂行される点に特徴があります。

●BPOやSaaSとの違い

BPaaSはBPOやSaaSと意味が似ているため、混同してしまうかもしれません。簡潔に違いをいえば、BPaaSは、BPOとSaaSを組み合わせたサービスであるといえます。

それぞれの違いを明確にしておきましょう。

・BPOとの違い
BPO（Business Process Outsourcing）は企業が業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することです。目的は業務改善・業務の効率化であり、自社にノウハウがない業務や、コア業務以外のノンコア業務を外部に委託することで、現状の業務課題を改善する取り組みです。

BPaaSはクラウドによって業務改善を目指すことからBPOの一つといえます。

・SaaSとの違い
SaaS（Software as a Service）は、インターネットのクラウドサーバを通じて提供するサービスの総称です。一般的にクラウドサービスと呼ばれています。自社のサーバーを介することなくインターネットに接続して、割り振られたIDやパスワードなどを用いてログインし、月額や年額料金を支払って利用するのが一般的です。

SaaSではサービス提供事業者のサーバを利用しますが、業務を委託するわけではありません。あくまでクラウドサービスを利用して自社内で業務を行うことになります。

BPaaSのサービスでは一般的には次の業務や分野を請け負っています。

・カスタマーサービス
お客様対応窓口としてのコールセンターやコンタクトセンターのBPOと共に、システムも併せて提供されます。コールセンターやコンタクトセンターシステムを通じて効率化が期待できます。

・営業の販売プロセス構築
営業の販売プロセス管理や構築にCRM（Customer Relationship Management）やSFA（Sales Force Automation）などのシステムを利用し、設定から運用までプロが行います。これにより、営業が効率化され、販売促進につながります。

・人事管理
近年は人事業務に人事管理・給与計算・勤怠管理などが行える人事システムを利用するケースは多くあります。人事管理のBPaaSではBPOにおいて、この人事システムを利用します。これにより、煩雑な人事業務の効率化や改善が実現できます。

・マーケティングの販促物管理
店頭やイベントで用いる販促物の管理業務やDM発送業務などのマーケティングにまつわる販促物の管理や手配に問題がある場合に、BPaaSではシステム利用によって自動化し、効率的な管理が進められます。

・バックオフィス業務
経理、労務、購買や調達などのバックオフィス業務全般はBPOの得意とする分野です。これらの業務にクラウドサービスを組み合わせることでより業務の効率化や品質改善、コスト削減につながることがあります。

BPaaSを利用する際には、メリットとデメリットの両方を押さえておきましょう。

●BPaaSのメリット

・コスト削減と業務の効率化
BPaaSの一番のメリットは、BPOと同様に人手不足に対応しながら、コストを抑えて業務改善や業務の効率化を進められる点といえます。それに加えてクラウドサービスを利用するため、自社でシステムを構築することなく業務のデジタル化も進められる点は、BPaaSならではのメリットといえるでしょう。

うまく運用できれば、コスト削減と業務の効率化を行いながら、組織や事業の成長も進められる可能性があります。

・クラウドにデータを蓄積できる
BPOなどのアウトソーシングでは、自社に業務ノウハウが残りにくい点に課題があります。その点、BPaaSではクラウドサービスを利用するため、日々データやノウハウが蓄積されます。将来、それらを利活用できるという点はメリットといえます。

●BPaaSのデメリット

・情報セキュリティリスクがある
BPaaSのようなアウトソーシングでは、個人情報や会社の機密情報を業務委託と同時に委託先に提供することになります。そのため、情報漏洩などのセキュリティリスクが生まれます。さらにBPaaSではクラウドサービスを利用するため、ネットワークセキュリティのリスクも高まります。

・データの移行が困難になることも
BPaaSではクラウドサーバ上にデータを蓄積することになりますが、将来的に他のシステムで運用することになった場合に、データの移行が困難になることがあります。

データ活用に支障が出る恐れがあるほか、同じ委託業者に委託し続けなければならないこともあります。委託前にデータ移行について確認しておきましょう。

TOPPANのBPOソリューションでは、BpaaSも請け負っています。

そのうち、DMワンストップソリューションは、さまざまな商品の在庫管理・発注・集計・配送手配といったサービスを、TOPPAN独自のノウハウで全体の業務設計を行い、代行するサービスです。

DMの作成・保管配送から、問い合わせ対応・申込受付・返戻処理などの各種業務をワンストップで受託します。これにより、業務間の調整、進捗状況の一元化、業務の効率化が可能となり、お客さまの業務負荷は軽減されます。

導入事例を一つご紹介します。

●DM発送業務のアウトソーシングで「販速部長®」を使用した事例

ある製薬メーカー様では、DM発送業務のアウトソーシングと共にTOPPANの販促物管理クラウドシステム「販速部長®」を導入しました。その結果、多数ある販促物の管理・発注・配送指示をクラウドで行うことが可能になり、お客さまの働き方改革をサポートする結果となりました。

BpaaSは従来のBPOとSaaSを組み合わせることで、より多くのメリットが期待できるサービスです。自社の状況に合わせて最適なサービスの利用をご検討ください。

TOPPAN BPOでは、クラウドのシステムを活用した業務改革などを、高いセキュリティ環境下でご支援可能です。デジタル・アナログ両方を組み合わせたBPO支援を行うなど、柔軟にサービスを提供しておりますので、まずはご相談ください。

2024.01.25