介護職員のための見守りセンサーの選び方をご紹介!
介護施設における見守り業務は、介護職員の方々が日常的に行っている重要な業務の一つです。
特に夜勤の巡回業務は人手不足の中で大きな負担となっているといわれています。
そのような中、見守りセンサーを導入することで、職員の業務負担軽減に成功している事例も増えています。
今回は、介護施設の見守りセンサーの概要とメリット、種類、選び方のポイント、導入事例をご紹介します。
ぜひ課題解決のためにお役立てください。
<目次>
■介護施設の見守りセンサーとは
1|見守りセンサーとは?
2|見守りセンサー導入のメリット
■介護施設の見守りセンサーの種類
1|シートセンサー
2|マットセンサー
3|赤外線センサー
4|バイタルセンサー
■介護施設の見守りセンサーの選び方のポイント
1|どのようなデータを取得したいかを検討する
2|どのような通知方法とデータ閲覧方法かを確認しておく
3|セキュリティ面の徹底度を比較する
4|介護ロボット導入補助金・助成金対象商品かどうかを確認する
■介護施設の見守りセンサーの導入手順
1│ニーズの分析
2│予算計画
3│製品選定
4│設置計画
5│導入・設置
6│スタッフ教育
7│運用開始
■介護施設の見守りセンサーの導入事例
1|ベッドマットレス下に敷く睡眠センサーの事例
2|センサーとカメラによる見守りセンサーの事例
■まとめ
ー介護施設の見守りセンサーとはー
近年、介護施設では見守りセンサーを導入する施設が増えています。
見守りセンサーとは具体的にどのようなものなのか、また導入のメリットを確認していきましょう。
見守りセンサーとは
介護施設では介護職員が利用者のそばにつき、利用者の安全を守るために、必要な援助がいつでも行えるようにする「見守り」の業務が行われています。
その見守りをセンサーによって支援するシステム・ロボットを「見守りセンサー」と呼びます。
介護施設内のベッド、車椅子、ドア、窓、床などにセンサーを取り付け、さまざまなデータを収集し、利用者の状態や活動をパソコンの画面で可視化することができます。
そのため、訪室をしなくても利用者の状態が遠隔で確認できます。
センサーが異常を察知し、即座に介護職員に通知する機能を持っていることが多いです。
見守りセンサー導入のメリット
見守りセンサーを介護施設に導入することにより、これまで介護職員が行ってきた見守り業務における負担を軽減できることが期待されています。
人手不足が深刻化する介護業界における課題解決の一助となり得ます。
また負担が軽減した結果、生産性向上、サービス質向上、離職率低下、求人応募数アップ、他業務へのリソース配分など副次的な効果につながることもメリットと考えられています。
下記のコンテンツでは、介護の見守りについてや介護ロボットについても解説していますので、参考までにご覧ください。
ー介護施設の見守りセンサーの種類ー
介護施設に導入できる見守りセンサーの種類には、主に次の4つがあります。
こちらではそれぞれの種類について説明します。
離床センサー:シートセンサー
ベッドやマットレスに敷くシート状のセンサーで、寝ている人の動きや状態を検知することができます。振動や重量を検知するため、もし離床すればそれを検知します。
設定によっては、離床したことをアラートとして通知することも可能です。
利用例:ベッドからの離床アラート通知があり次第、介護職員が瞬時に訪室し、離床介助して転倒・転落予防ができます。
離床センサー:マットセンサー
主にベッドサイドの床に設置するマット型センサーです。各居室内の床面に設置しておくことで、利用者が踏むと異常状態として介護職員に知らせます。
利用例:夜間におけるベッドからの立ち上がり、部屋の出入り、転倒など、マットを踏むとセンサーが反応し、介護職員へ通知します。
赤外線センサー
人が通過したことを検知する赤外線センサーで、主に居室のベッド近くの壁などに設置します。
シートセンサーやマットセンサーと異なり、機器との接触がなくても異常を検知できます。
利用例:夜間など、ベッドに寝ているはずの時間に、利用者が立ち上がるなどして赤外線の検出範囲に入ったときに、介護職員へ通知が届きます。
バイタルセンサー
ベッドマットレスの下などに設置することで人の生体情報を検知し、体調の急変や異常値を早期に発見します。
近年は睡眠状況を検知できるシステムも出てきており、不眠や睡眠障害の問題への解決の助けとなっています。
利用例:ベッドに寝ている利用者の心拍数、呼吸数、体温などを計測し、リアルタイムでモニタリングを行います。
異常が確認されるとアラート通知が届き、利用者の元へ早期に駆けつけることが可能です。
介護施設の見守りセンサーの選び方のポイント
介護施設の見守りセンサーは、介護職員の見守り業務の負担を大きく軽減しながら、利用者の異常を見逃すリスクを低減します。
見守りセンサーは、様々な製品・サービスが販売されていることもあり、どれを選ぶべきか悩むこともあるのではないでしょうか。
そこで見守りセンサーの選び方のポイントをご紹介します。
どのようなデータを取得したいかを検討する
見守りセンサーと一口にいっても、センサーで取得できるデータの種類は多岐に渡ります。
利用者の状態や転倒リスク、バイタルデータ、睡眠データなど介護施設によって取得したい情報は異なと思います。
施設の課題は何なのかを考えると、必要なデータが何かわかります。
見守り業務を最も効率化できるデータをセンシングできるものを選びましょう。
どのような通知方法とデータ閲覧方法かを確認する
センサーで取得したデータの通知方法とデータ閲覧方法はシステムによって異なってきます。
例えばデータ閲覧方法については、ほとんどの場合、介護施設内で取得したデータは施設内のパソコン上で閲覧できるようになっています。
加えて、クラウド型のシステムにおいては施設外からでも情報閲覧が可能な場合もあります。
セキュリティ面の徹底度を比較する
センサーで取得したデータは、個人情報を含むことがあり、情報保護が重要になってきます。
施設内でセキュリティポリシーを統一化することに加えて、見守りセンサーそのものの情報漏洩防止策がどのくらい徹底されているのかを確認しましょう。
直接、サービス提供事業者に問い合わせるなどして入念に確認することをおすすめします。
介護ロボット導入補助金・助成金対象商品かどうかを確認する
見守りセンサーの導入のハードルとなりうるのが、導入コストです。
そのコストに関する課題への解決策の一つが、補助金や助成金を利用することです。
見守りセンサーの導入コストに利用できることも多いですが、対象となっている見守りセンサーは限られています。
申請前に補助金や助成金の対象商品かどうかを確認しましょう。
補助金については下記コンテンツで詳細に説明していますので、ご覧ください。
ー介護施設の見守りセンサーの導入手順ー
見守りセンサーを介護施設に導入することで、介護者、要介護者ともにメリットがありますが、やみくもに導入すると本来求めていた効果が得られない場合があります。
ここでは見守りセンサーの一般的な導入手順をご紹介いたします。
ニーズの分析
まず、介護施設内でどのような見守りが必要なのか、どのような問題を抱えているのかを明確にする必要があります。
例えば、夜間の転倒事故が多い、俳諧が問題になっているなど施設の現状と課題の把握を行うことが大切です。
予算計画
購入する見守りセンサーの初期費用と運用予算をどこまで出せるかを決めます。介護製品は補助金が使えることも多く同時に調べておくと良いでしょう。
製品選定
導入目的、予算が決まったら製品選定を進めます。動きを検知するタイプ、心拍数や体温、睡眠の深さを測定するタイプ、音を拾うタイプなど、さまざまな種類があります。
価格やサポート体制、データの管理方法なども比較検討すると良いでしょう。
設置計画
センサーをどの場所に設置するかは、製品選定と同時に検討しておくと良いでしょう。
必要に応じて製品のメーカーや専門業者に相談しながら進めます。
導入・設置
計画に基づいて見守りセンサーを導入・設置します。
設置後は、動作確認や設定調整を行います。
設置にあたり工事などが発生する場合は、事前に入居者へのアナウンスも必要になります。
スタッフ教育
見守りセンサーの使い方や、トラブル発生時の対応方法などをスタッフに教育します。
また、製品によって取り扱いに注意するポイントが異なります。
故障防止のために、取り扱い方を周知しておくことが必要です。
運用開始
見守りセンサーの運用を開始します。
初期段階では特に、センサーからの情報を適切に捉えられているか、問題がないかを確認しながら運用しましょう。
ー介護施設の見守りセンサーの導入事例ー
実際に介護施設へ見守りセンサーを導入した事例をご紹介します。
ベッドマットレス下に敷く睡眠センサーの事例
ある介護施設では、ベッドマットレス下に設置し、利用者の睡眠の質・心拍相当数・呼吸相当数・入離床をリアルタイムで検知して解析する見守りセンサーを導入しました。
夜間巡視を2時間ごとに実施していますが、まずセンサーで検知した利用者の睡眠の質、覚醒、離床等を確認した後、熟睡度によって訪問する居室の優先順位を変えるという試みを行っています。
これにより、利用者の安眠につなげています。
センサーとカメラによる見守りセンサーの事例
ある介護施設では、介護職員不足が大きな課題でしたが、見守りセンサーとカメラを導入することで夜勤の人員を減らしています。
当初、センサーだけで運用したところ、センサーが頻繁に鳴ることで逆に駆付けが増え、負担が増したとの声が介護職員から挙がりました。
そこでカメラも合わせて導入したところ、センサーの異常を検知後カメラで状況を確認できることから、本当に訪室が必要なのかを確認して駆付け回数を減らすことができました。
ーまとめー
介護施設における見守りセンサーの概要とメリット、種類、選び方のポイント、導入事例をご紹介しました。見守りセンサーは、介護施設の課題解決の一助となります。
TOPPANでは、バイタルや睡眠状況がわかる見守りセンサーを備える介護見守りシステム「Sensing Wave」をご提供しております。
ベッドマットレス下に設置し、利用者の睡眠の質・心拍相当数・呼吸相当数・入離床をリアルタイムで検知し、解析する見守りセンサーです。夜間の訪室回数の削減やトイレ誘導のタイミング最適化といったスタッフの業務効率化のサポートや利用者のケアの質向上につなげることが可能です。
またSensing Waveは介護ロボット導入補助金・助成金対象商品であり、補助金や助成金を導入時に利用検討することが可能です。
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2024.02.16