アンケート調査レポート【後編】
独自調査結果公開!
~CDP(プライベートDMP)導入経験者1,030人に聞く!
検討・導入・運用の「理想」と「現実」
前編に引き続き、TOPPANが2021年11月、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム/プライベートDMP)導入経験のある1,030名を対象に実施したアンケート調査結果をご紹介します。
後編では導入時に苦労したこと、導入後の運用に苦労していること、さらにCDP導入により得られた改善効果についての回答結果を解説します。
今回の調査から、CDP(プライベートDMP)の導入により、多くの企業が期待する「顧客データの一元管理」「カスタマーサービスにおけるCX向上」「部門間連携」といった効果を発揮するものであることが伺えた一方で、導入時には「事前のデータ活用イメージの設計」や「部門横断での体制構築」、そして運用においては「社内IT人材の不足」といった難しさがあることが浮き彫りとなりました。
この貴重なデータが、これからCDP(プライベートDMP)の導入を検討する企業の皆様の参考・ヒントとなれば幸いです。
<目次>
【後編】
■CDP導入時
~CDP導入時に苦労したことは?
■CDP導入後
~導入後に苦労している点は?
■CDP導入効果
~CDP導入により改善された項目は?
■まとめ
■CDP導入時に苦労したことは?
続いてはCDP導入時に苦労したことに関する設問です。
調査結果【8】
CDP導入時に苦労したことは「施策を意識したデータの整理と設計」が最も高い。
売上規模が大きい企業は「データの設計」よりも「体制構築」に苦労したとの回答が上回る傾向に。
全体では、複数回答、単一回答共に
・「施策を意識したデータの整理と設計」(49.3/24.2%)
がトップ。
これを売上規模別で見てみると、以下のようになります。
それぞれ一番多かった回答は、
◆ 売上10億円未満:「施策を意識したデータの整理と設計」(44.0%)
◆ 売上10億~100億円未満:「施策を意識したデータの整理と設計」(57.3%)
◆ 売上100億円以上:「部門横断での体制構築」(57.0%)
売上規模が大きいほうが、「データの設計」よりも「体制構築に苦労した」との回答が上回ります。
これは「特に苦労したことを1つ」の質問でも同様で、大規模な組織ほど「部門横断での体制構築に苦労した」ことが、顕著になっています。
また、中・大規模に比べて小規模では、「予算の上申」の苦労が際立っているのが特徴的です。
■導入後の運用で苦労している点は?
続いては、CDP導入後の運用で苦労しているポイントについての設問です。
調査結果【9】
CDP導入後に苦労したことは「社内のデジタル人材不足により活用しきれていない」が全体の約3割で最も高い。 売上規模が大きい企業ほど高い傾向にある。
全体での複数回答・単一回答はいずれも、
・「社内のデジタル人材不足により活用しきれていない」(53.5/30.6%)
がトップ。次いで、
・「データ活用イメージが事前に十分にできておらず、従来施策しか実行できていない」(52.2/24.7%)。
という結果となりました。
単一回答を売上規模別で見てみると、
となり、やはり全規模で「社内のデジタル人材の不足」が課題であることがわかります。そのほかでは、「事前のデータ活用イメージが不足」「事前のデータ設計が不十分」の項目も、一様に高い傾向にありました。
■CDP導入により改善された項目は?
最後の設問は、CDPの導入効果についてです。
調査結果【10】
CDP導入によって、従来と比べ改善されたと思うことは「顧客データの一元管理」が全体の約2割。
複数回答、単一回答共に、「顧客データの一元管理」(49.3/21.5%)がトップ。次いで、「部門間の連携がしやすくなった」(38.9/15.9%)が挙がりました。
これを売上規模別で見てみると、複数回答では全規模ともに「顧客データの一元管理」効果がトップであることは変わりませんが、中~大規模では「顧客の見える化」「カスタマーサービスにおけるCX向上」効果を挙げる声が、小規模に比べて高いことがわかります。
「特に改善されたことを1つ」の単一回答の売上規模別でもトップは「顧客データの一元管理」であることは変わらないが、売上10億未満では「顧客の見える化」「施策実施負荷軽減」「部門間の連携」などが複数にわたって中・大規模に比べ効果として大きく感じていることがわかります。
逆に「マーケティング施策の実施数増加」は、小規模より中・大規模の方が実感があることが、見て取れます。
また、売上規模を問わず「部門間の連携がしやすくなった」という声が総じて高いのにも注目です。データ統合前は部門ごとにデータが存在、別々に集計されていたのが、CDP導入・運用により共通のデータ結果として社内で「共通言語化」され、たとえば「新規獲得」と「ナーチャリング」などの成果を一連の流れとして把握、部門間で協議しやすくなったといった効果が推察されます。
CDPは導入前の期待、導入後の成果共に1位に回答された「データの一元管理」がその成果ですが、その結果として「部門間の連携がしやすく」なり、「マーケティングの施策の実行が容易になる」、「カスタマーサービスによるCX向上」といった成果につながる取り組みであることが把握できます。
■まとめ
以上が今回の調査結果です。
いかがでしょうか。今回のCDP導入済みユーザーアンケート調査で得られた回答を、売上規模別で細かく解析することで、ビジネスの規模ごとでCDPへの期待と効果、そして導入と運用時の課題が微妙に異なることが判明しました。
前編でご紹介した設問も併せて10の設問から見えた傾向をまとめると、以下のようになります。
● CDPは予想以上に幅広い業種・売上規模の組織で導入・活用されている
● 主な活用部署は、「営業部門」「ICTシステム部門」「事業戦略・経営企画部門」で、小規模では「営業部門」が多い
●導入時に連携する部署は、大規模になるにつれて「ICTシステム部門」「事業戦略・経営企画部門」が増加
● 導入したきっかけは、「データ量が増え、統合して活用する必要が出てきた」(または基盤リプレイスの必要があった)
● 導入時に期待したことは、共通で「顧客データの一元管理」。大規模では「カスタマーサービスにおけるCX向上」が増える傾向
● 選定時に評価したポイントは、「システム連携のしやすさ」「データ加工のしやすさ」。小規模では「価格」「事例」も重視
● 活用を期待した点は、「データ分析・効果測定」
● 導入時にもっとも苦労した点は、共通で「施策を意識したデータの整理と設計」、ただし中~大規模では「部門横断での体制構築」が、小規模では「予算の上申」を挙げる声が多い
●導入後の運用で苦労した点は、「社内のデジタル人材不足により活用しきれていない」と「データ活用イメージが事前に十分にできておらず、従来施策しか実行できていない」
● 導入効果は、共通で「顧客データの一元管理」、「マーケティング施策による成果の向上」「部門間の連携がしやすくなった」
これらの結果から、改めてCDP(プライベートDMP)が多くの企業が期待する「顧客データの一元管理」「カスタマーサービスにおけるCX向上」「部門間連携」といった効果を発揮するものであることが実証された一方で、導入時には「事前のデータ活用イメージの設計」や「部門横断での体制構築」、そして運用においては「社内IT人材の不足」といった難しさがあることも、浮き彫りとなりました。
TOPPANではこうしたCDP(プライベートDMP)構築・運用における課題を解決するため、システム開発とデータ解析のスペシャリストだけでなく、マーケティングとビジネス設計、運用業務設計など、多彩なスキルと経験豊富なスタッフを束ねてチームでトータルサポート。成果の創出に向けた伴走型の支援を提供しています。
自社のみでのCDP(プライベートDMP)導入・運用に不安がある方は、ぜひご相談ください。
また、こうした課題解決に役立つダウンロード資料もご用意しておりますので、ご活用ください。
このレポートが自社の業種や売上規模と照らし合わせ、皆様の導入検討時の参考・ヒントとなれば、幸いです。
<アンケート調査概要>
・ 調査委託先:マクロミル
・ 調査タイトル:「CDPツール検討・導入・運用についての調査」
・ 調査目的:CDPツール導入経験のある方に、導入するまでの課題や導入後の成果・課題を伺う
・ 対象者:20代~60代の経営者・役員/会社員の中で、「お勤め先でシステムやツールを導入する際に、システムやツールの選定に関与している」かつ「現在の仕事や職場でこれまでにCDPツールを導入・利用したことがある」もしくは「現在CDPツールを導入・利用している人」
・ 調査方法:インターネットによるアンケート
・ 調査期間:2021.11.30~ 2021.11.30
・ 回収回答者数:n=1030
・ 調査設問数:10問
2023.11.30