データテクノロジー&プラットフォームサービス コラム

プロが選ぶ!オススメCDPツール
~自社に最適なツールの比較と選び方

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、 自社が保有する顧客データを収集・統合するためのデータ基盤です。顧客データを収集・統合・分析し、さまざまなツールやシステムと連携することで、顧客への深い理解と豊かな顧客体験(CX)提供が可能になるとして、ニーズが高まっています。

各社からさまざまなコンセプトの製品が提供されており、「どのツールを選べばよいかわからない」とお悩みの方も多いCDPツール。

そこで今回は、数多くの企業のコンサルティング支援から構築運用を担っているTOPPANが、プロの視点で各CDPツールの特徴をご紹介。どのような基準で選定すればよいのか?のヒントをお伝えします。


<目次>
■CDPツールとは?
■CDPツールの選び方~比較すべき5つのポイント
01 | 目的に応じた機能と拡張性
02 | ツールとの連携性
03 | 使いやすさ、操作性
04 | サポートの充実度
05 | コスト
■オススメCDPツール
01 | Treasure Data CDP
02|INTEGRAL-CORE(インテグラルコア)
03 | Rtoaster insight+
■まとめ


■CDPツールとは?

CDPツールは、データを統合して顧客理解を深めることを目的としています。既存顧客の購入履歴やアンケート情報などを保有していたとしても、データ形式や管理ツールが異なると、分析に非常に手間がかかります。散在するデータを一元化し、効率よく扱えるようにすることがCDPツールの役割です。

CDPツールの多くは、マーケティングオートメーション(MA)をはじめとする他のツールとのデータ連携や、高度なデータ統合・分析機能を備えています。また、GUIにより分析データがグラフやチャートで分かりやすく表示されるため、マーケティング部門以外の営業や企画、カスタマーサポートなどさまざまな部署で活用できます。中にはAI(機械学習)の機能により過去の大量の購買データに基づいたスコアリングモデルの構築や、予測スコアリングが可能なツールもあります。


■CDPツールの選び方~比較すべき5つのポイント

CDPツールを検討する際、比較するべきポイントは大きく、以下の5つの項目です。

01 | 目的に応じた機能と拡張性

CDPツールを選ぶ際はいきなり機能比較から入るのではなく、まず自社のデータ統合および利活用の目的を明確にすることから始めましょう。そして実現までの段階的なステップを定め、その目的を達成するために「いま」必要な機能と、「将来」の拡張性を持つツールを選択しましょう。

02 | ツールとの連携性

CDPツールは、顧客を深く分析した後にCRMやMAツール、LPOツール、レコメンドエンジンなど各種マーケティングツールに連携し、速やかに施策を実施できることがメリットです。自社が行いたい施策や分析内容によっては、各ツールであらかじめ提供されている連携方法では実現できず、開発(追加工数と期間・コスト)が必要になる場合がありますので、注意が必要です。自社で利用中のツールとの連携性だけでなく、将来のユースケースを想定して、連携機能が要件を満たすか確認しましょう。

03 | 使いやすさ、操作性

CDPツールの操作が複雑で一部の運用者だけに限定されると、その効果は狭いものになります。SQLなどの知識がなくても扱えるのはどの範囲か、どの程度直感的に操作できるのかを事前に確認しましょう。一方、ノーコードで利用するにはあらかじめデータを整形・加工する工程が必要です。導入時だけでなくデータ追加時にどのような作業が必要なのか、また自社のデータで本当に実現できるのかも含めて、検討しましょう。

04 | サポートの充実度

CDPツールは目的に応じて多様な機能があり、自社リソースだけで導入し、使いこなすのは難しいでしょう。そのため、どのようにデータを持てばいのか、基幹システムとの連携など開発をどう進めるか、運用をいかにして定着させるかなどフェーズに応じて、どこまでサポートしてくれる体制が整っているのか、事前に確認しましょう。

05 | コスト

CDPの導入・運用コストはツールにより幅があり、月額数十万円程度から、高額なものでは百万円以上になります。機能だけを重視して高額なツールを選択してしまい、費用対効果が示せず苦しむケースも少なくありません。その一方でCDPツールは開発と利用に関わる部門や連携するデータソースも多岐にわたるため、後から変更するのは容易ではありません。そのため、将来の拡張も視野に入れて機能とコストを総合的に検討することが大切です。

それでは上記の視点から、当社がオススメするツールをご紹介します。


■オススメCDPツール

01 | Treasure Data CDP

最初にご紹介するのは、トレジャーデータ株式会社が提供する「Treasure Data CDP」です。

グローバルで業界をリードするCDPとして国内外で高い評価があり、ITR調査レポートで国内CDPシェア4年連続1位を獲得するなど、国内での導入実績も豊富です。大量で複雑なデータ処理にも対応できることもあり、利用状況によっては価格が高めになることもありますが、他サービス連携コネクタや関数が豊富で、柔軟な実装が可能です。また、AIによる機械学習機能が備わっています。

<Treasure Data CDPの特長・機能>
· エンタープライズを中心に国内外で圧倒的な実績数
· 連携コネクタや関数が豊富で柔軟な実装が可能
· 360°ビューによる顧客分析で、正確なターゲティングをサポート
· 柔軟かつ高度なセキュリティを提供

<TOPPAN担当者からの一言!>
本ツールで「複数システムで200種近いデータが散在」「100以上の施策を日次実行」といった大量のデータ統合・施策処理を安定実行したいという要望を解決しました。複雑な処理を実行するための性能や機能に優れており、外部システムとの連携機能が豊富にあるため、連携システムが多い場合にも適したCDPツールです。

「Treasure Data CDP」はシェアNo.1の圧倒的な導入実績と、豊富な機能面で安心感がある一方、エンタープライズ向けということでコスト的に、またそこまでの機能を自社で使いこなせるのかということで使いこなしに不安を抱く方もいらっしゃるでしょう。そこで、「もう少し中小規模向けで、機能を絞ったCDPツールはないの?」という声に対して当社が比較としてオススメするツールを2つ、ご紹介します。

02|INTEGRAL-CORE(インテグラルコア)

EVERRISE社が提供する「INTEGRAL-CORE(インテグラルコア)」は、日本初の米国CDP 協会(CDP Institute)登録プロダクトです。顧客の行動やソーシャル活動、興味関心情報などをはじめとした顧客に関するあらゆる情報を蓄積し分析することで「狙い通りの相手に、最適なチャネルで、最適なタイミングで、正しいメッセージを送る」リアルタイム性を重視しています。高速なデータ処理と、国産ならではのカスタマイズの高さが特徴です。

<INTEGRAL-COREの特長・機能>
· 直感的なGUIで名寄せ、セグメント作成、洗い替えなど顧客行動可視化が可能
· 国産CDPの安心感、導入支援サービスもあり
· コストが安価で中堅中小企業にも最適
· 広告の効果測定に強み

<TOPPAN担当者からの一言!>
「スモールスタートでデータ統合を行い、顧客情報を把握したい」という課題を解決に最適なツールです。企業内に今ある情報を活用し、顧客理解をしていくための顧客データ統合環境を手早く作りたいという要望に応えやすいCDPツールです。

03 | Rtoaster insight+

株式会社ブレインパッドが提供する「Rtoaster insight+」も注目の国産CDPツールです。14年間の運用期間と350社を超える実績を誇る「Rtoaster」を、2020年10月にリブランドしたCDPツールです。同社プロダクトの「action+」(Web・アプリのコンテンツ最適化プラットフォーム)や「reach+」(メールやLINEなどマルチチャネルメッセージサービス)などとの連携が可能であり、マーケティング施策と併せて実施したい場合にお薦めのCDPツールです。

<Rtoaster insight+の特長・機能>
· 「action+」「reach+」「trocco®」などとの連携による拡張性
· 国産CDPの安心感、導入・運用・定着支援、利活用領域拡大までサポート充実
· コストが安価で中堅中小企業にも最適

<TOPPAN担当者からの一言!>
「保持している顧客データを元に、手軽にサイト訪問者に対する施策を実施したい」という要望を実現します。分かりやすいGUIや同社の施策ツールとの連携で、データエンジニアだけでなく、マーケターやアナリストにもデータ活用がしやすいCDPツールです。

「Rtoaster insight+」は、株式会社primeNumberが提供するデータ統合自動化サービス「trocco®」との連携が可能です。これにより50以上のデータソースが利用できるようになるほか、より多種多様なデータを扱いやすく、データ連携機能を補完できます。データの新規統合や更新作業のたびに多大な工数をかけずに済むため、データを活用した意思決定や施策実行により多くの時間を割くことができるようになります。


■まとめ

今回はCDPツールの比較・選び方のポイントを、オススメツールと共にご紹介しました。データ活用のサイクルを高速に回すためには、多種多様かつ膨大なデータを効率良く収集・統合するデータ活用基盤の構築が必要不可欠です。

TOPPANでは、貴社に最適なCDPツールの選定から実際にプラットフォームを構築する支援にとどまらず、貴社の目的に応じて導入から構築支援の各種コンサルティングや、デジタルマーケティング人材リソースの提供なども可能。数多くの実績を誇ります。

もちろん、ここに挙げたツール以外の対応も可能ですので、CDP導入によるデータ統合・利活用をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

2021.11.01

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