文書管理を効率化する書類保管の基本とは?
業務マニュアルが見つからずお問い合わせ中の顧客を延々と待たせてしまった、業務に必要な文書を見つけるのに数十分も時間を無駄にしてしまった、そんな経験をお持ちではないでしょうか? 業務に必要な文書はあるべき所に格納し、新規登録や改訂、廃棄を遅滞なく行う。これが文書管理の基本ですが、言うほど簡単ではありません。
今回は文書管理の概要から文書管理の基本、文書管理を効率的に行える文書管理システムの導入まで解説していきます。
文書管理とは何か?
文書管理とは、作成した文書を適切に保管し、維持や更新、廃棄などを行うことを言います。企業で扱う文書は個人の文書と共有文書に分かれますが、業務上で作成、入手した文書であればどちらも適切に管理する必要があります。
特に共有文書である社内規程や各種マニュアル、ISO文書、契約書などは、より厳格な管理が求められます。ここでは主に共有文書の管理について説明していきますが、なぜ文書は適切に管理する必要があるのでしょうか? まずは文書管理の目的から確認していきましょう。
文書管理の目的
企業が文書管理を行う目的は大きく二つあります。一つ目は保管した文書を適切に更新し、従業員が見たいときにいつでも検索できるように整理しておくことです。各種文書を文書管理によって適切に管理しなければ、文書の散逸や陳腐化を招きます。見るべき価値のない文書は、いずれ誰も閲覧しなくなってしまうのです。
二つ目は適切な管理によって、企業の機密情報やノウハウなどの漏えいを防ぐことです。文書の価値は、文書管理規程を作成し、禁止事項や罰則を定めることで保たれます。例えば保管期限のある文書の廃棄に関しても、単に捨てればよいというものではなく、文書管理の定めにのっとった適切な方法によって処理される必要があるのです。
では、適切な文書管理はどのようなメリットを生み、適切な文書管理が行われないとどのようなデメリットが発生するのでしょうか?
適切な文書管理のメリット
業務効率化・生産性向上:
業務上必要になる文書や、参考にしたい手順書などがすぐに見つかれば業務効率の向上につながります。
顧客満足度の向上:
例えばカスタマーサポート部門に顧客からの問い合わせがあった場合、すぐに資料が見つかりスピーディーに回答できれば、顧客の満足度は向上することでしょう。文書の検索性は顧客満足度にも影響するのです。
企業コンプライアンス強化:
適切な文書管理や機密に対する取り扱いの厳格化は、従業員のコンプライアンス意識を向上させます。ある調査では、不正を起こした企業のほとんどで適切な文書管理がなされていなかったという結果が報告されています。文書管理によって社内規程や業務マニュアルを適切に管理することで、内部統制が保たれ不正防止や企業価値の保持につながるのです。
不適切な文書管理が生むデメリット
業務効率低下・生産性の低下:
先述のように必要な文書の検索に時間がかかったり、資料が散逸して見つけられなかったりすれば業務効率の低下を招くことになります。見つけるのに数十分もかかるのでは生産性は上がりません。
顧客とのトラブル発生、顧客満足度低下:
問い合わせに対して適切な回答ができないと顧客トラブルに発展したり、顧客満足度が低下したりすることにつながります。SNS全盛の現代では、ちょっとしたトラブルが炎上の原因となり企業価値を損ねることにもなりかねません。
企業としての信頼性低下:
重要な文書や機密情報が適切に管理されず、社外に漏えいするような事態になると、企業としての信頼を失うことになります。情報漏えいによって他社に損害が発生するようなことになれば、企業の存続にも影響を及ぼします。
文書管理の基本
適切な文書管理によって上記のようなメリットを確実に生み出すためには、どのような施策を行っていけばよいのでしょうか?
ここでは文書管理の基本について解説します。
文書管理規程の作成:
はじめに、社内規程や各種マニュアル、ISO文書、契約書などの管理をどのように行うのかを定めた、文書管理規程を作成します。文書管理規程は、企業がさまざまな文書を管理するための基本的なルールと考えればよいでしょう。文書管理規程では、以下のような項目を定めていきます。
管理する文書の設定:
文書管理規程で管理する文書を定めます。この際、全員で業務のために閲覧(共有)する文書と、閲覧権限を設定して機密を保持しなければならない文書を分け、重要度に沿った運用方法や保管方法を決めていきます。
検索方法の決定:
業務のために全員で共有する文書は、イントラネット上のポータルサイトや文書管理システムに格納し、閲覧方法と検索方法を決めます。先述のように、文書の検索性は業務効率の向上に大きな影響を及ぼします。社内文書の管理に文書管理システムを導入するのであれば、柔軟な検索方法を実装しているシステムを選びましょう。
保管期限の設定・廃棄ルールの決定:機密文書や税務上の取引文書など、保管期限のある文書は期限を設定します。また、期限が来た場合でもむやみに廃棄するのではなく、機密保持が可能な処理方法を定めておきましょう。
上記のように文書の検索性を上げ、保管期限や閲覧権限を設定して管理することは、ファイルをポータルサイトに置くだけでは実現できません。このような管理を確実に実行するためには、文書管理システムの導入がおすすめです。
文書管理システムの活用
文書管理専用の文書管理システムを使えば、以下のような効果が期待できます。
・検索性の向上
文書管理システムには、多彩な検索方法が実装されています。文書の正確な名前が分からなくても、同義語・あいまい検索などで効率的に目的の文書を探せます。検索性が向上すれば、業務の効率化が可能になります。
・編集業務の効率化
文書は新規登録、保管、改訂、廃棄というライフサイクルを繰り返します。専用の文書管理システムであれば、入力(登録)、編集、管理(保管、改訂)、公開、削除(廃棄)を容易に行えます。また権限設定もできるため、勝手に編集されたり削除されたりすることも防止できます。
・内部統制の徹底
検索性を上げ、適時・適切な文書管理を行うことにより、社内規程や事務取扱要領、ISO文書の内容を従業員に周知徹底することができます。文書管理規程にのっとった重要文書の適切な管理は、内部統制の徹底にもつながります。
弊社の提供する「DocLAN(ドックラン)」であれば、以下のような機能も搭載しています。DocLANの導入後は、さらなる文書管理の効率化が可能になります。
・改訂箇所の明確化
文書の改訂箇所は、改訂した事実だけでなくどのように変わったのかを明示することが重要です。DocLANであれば、改訂箇所(追加・削除)の色を変えて一目で分かるように表示できます。また新旧差分表の自動作成機能も搭載しているため、最新の改訂箇所を誰もが分かりやすく確認できます。
・一括印刷機能
一括印刷機能により、電子化された文書を紙に出力できます。ISO文書や業務マニュアルを印刷すれば、教育ツールとして活用することも可能です。
・文書の自動HTML化
DocLANは、管理者が作成文書(Word)を管理サーバーに入れるだけで、自動的にHTMLに変換します。文書をHTMLに変換しておけば、WordやExcelのようなアプリケーションを立ち上げる時間が不要になり、内容はWebブラウザーで表示されるのでパソコンのOSを問わず閲覧が可能です。テレワークで社外から文書を閲覧するようなときは、HTMLに変換されていることで利便性が上がります。
まとめ:文書管理の効率化は専用システムの導入が要に
管理する文書が多くなれば、改訂作業だけでも大変な労力と工数が必要になります。改訂すべき文書や破棄すべき文書などを効率的に検索・編集するには、文書管理専用システムの導入がおすすめです。文書を閲覧する側、管理する側、両方に業務効率向上のメリットがあります。文書管理システムの選び方について、詳しくは下記eBookもご参照ください。
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規程管理やマニュアル、ISO文書管理で下記に当てはまる方は、ぜひ資料をダウンロードください。
・目的の規程を探すのに時間がかかっている
・書変更箇所の差分記録(変更履歴)を残す作業が大変
・文書改訂時に社内周知を行っているが、社員全員に伝わりにくい
・コンプライアンス違反の防止、内部統制強化に取り組みたい
社内インタビュー
2022.09.27