事例紹介

統合に伴う新会社パンフレットを制作!

  • 販売促進
  • AIG損害保険さま

代理店・お客さまの視点を加えるため、行動観察調査やヒューリスティック評価を実施


課題を解決したソリューション

課題・経緯

AIU損害保険さまと富士火災海上保険さまは統合に伴い、商品パンフレットの改訂を検討されていました。

ただデザインを統一させるだけではなく、シンプルで分かりやすく契約に結びつく効果の高いデザインを実現するために
・営業(取扱代理店)の視点
・お客さまの視点
・新会社「AIG損保」ブランド戦略の視点
の3つの視点を取り入れて改善する必要性をご提案しました。

施策概要

パンフレットや営業ツールの課題点を抽出するために、2つの調査を行いました。

1. 営業(取扱代理店)の視点:エスノグラフィー調査

営業活動の観察:
取扱代理店で営業がどのようにパンフレットや営業ツールを使用しているか現場を観察することで、利用実態とそのときの文脈を把握しました。

回顧インタビュー:
行動観察時の記録メモをもとに観察中に起こった事項を振り返りながら、インタビューを実施。どうしてそのような行動や発言に至ったか、心理背景を探りました。

分析:
利用実態と心理背景の分析を行い、パンフレットや営業ツールに対するニーズを整理、新パンフレットの方向性を検討しました。

2. お客さまの視点:ヒューリスティック評価

対象パンフレットに対して、専門家が下記を目的にヒューリスティック評価を行いました。抽出された課題は、デザイン制作時の指標として活用しました。

・専門家評価により、お客さまの視点でデザイン上の問題点を抽出
・ソフトウエア診断を行い、科学的に紙面上の情報量、色彩設計、視線予測から問題点を抽出

結果

2つの調査から「営業(取扱代理店)」「お客さま」それぞれの視点で現状の課題点が明確になりました。その課題を踏まえ、新会社であるAIG損害保険さまの事業戦略コンセプト「ACTIVE CARE」に基づいた次期パンフレットに対するデザインコンセプト・方向性と連動し、最終的に250点のパンフレットを展開することができました。

表紙デザインは、どのような商品パンフレットなのかが分かるよう、上部1/3がラックから必ず見えるようにデザインフォーマット設計し、他社とのパンフレットと差別化を図りました。また表紙に余計な情報を載せず、お客さまに対してどのようなリスクに対応する商品なのかを示すため、端的なコピーで訴求をしています。

表紙を開いてすぐ見る「1~2ページ」では、パンフレットで紹介している保険の内容を分かりやすく伝えるため、お客さまが享受できる利点・利便性を「3つの特長」「商品概要」「補償構成」としてページを構成しました。
「補償構成」はどのような補償で商品が成り立っているかアイコン・図で表現し、基本となる補償内容を分類しました。さらに分類した補償内容はカラーセグメントを行い、次ページへのスムーズな誘導ができるようにユーザビリティを考慮した設計をしました。

ご担当者さまコメント

合併後の会社で使用する帳票類を遷移させる中、最も悩ましかったのは「保険募集用のパンフレット対応」です。「可能な限りユニバーサルデザイン(UD)のコンセプトを導入したい」「お客さま目線で見やすい、分かりやすい作りにしたい」と誰もが考え、異論のない方向性でした。

しかし、事業領域や保険募集スタイルに応じたパンフレットがAIUと富士火災でそれぞれ作成されていたため、やみくもに着手するわけにもいきませんでした。そこでUDに関する知見を持ち、弊社の印刷幹事社であったトッパンフォームズ社(現TOPPANエッジ)に相談を差し上げ、上記要件を踏まえた企画をいただきました。
一度手に取っていただけると、これまでの一般的な保険会社が作成するパンフレットとAIG損保のパンフレットの「違い」を実感できると思います。シンプルな作りでありながらも、お客さまに伝えたいメッセージが自然と目にとまり、お客さまが知りたい情報が色で区分・リードされ、商品理解を助ける分かりやすいレイアウトであることを。そして「お客さま目線でどうなのか」をテーマに、今後も定期的に静的・動的調査を通じたモニタリングによる品質向上ができればと考えています。


2018.03.02

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