アルミニウム合金もサビる|建物の外装材に使用する場合の注意点とデザイン性・耐候性が高いおすすめ建材を紹介
建物の窓サッシや外装材に用いられるアルミニウム合金は「サビない」と思われがちですが、そんなことはありません。
そこで今回は、アルミニウムの特性からサビる条件、腐食することによる弊害と防止策についてまで詳しく解説します。
1900年創業のTOPPANが提案する耐候性・デザイン性に優れた「不燃アルミ外装材」も紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
<目次>
■ 建築材料に加工されるアルミニウム合金
■ 「アルミニウムはサビない」は間違い
■ アルミニウムが腐食する条件
■ アルミニウムが腐食するとどうなる
■ アルミニウムの腐食を防ぐ方法
■ ルーバーを天井に取り入れるデザインも人気
■ TOPPANの耐候性・デザイン性に優れた「アルミ外装材」
■ まとめ
■ 建築材料に加工されるアルミニウム合金
アルミニウム合金とは、アルミニウムの長所である「軽量・加工性の高さ」を活かしつつ、欠点を銅やマンガンなど他の金属で補った人工合成金属です。
【アルミニウムの短所】
・強度が低い
・耐摩耗性が低い
・溶接が難しい
・熱に弱い
▶︎他の金属性能でカバー
建築資材の原料として使われるアルミニウム合金は、JIS規格(日本産業規格)※に則り、主に「4000系」と「6000系」に分かれます。
※JIS規格(日本産業規格):Japanese Industrial Standardsの略称で、日本国内の産業製品やサービスなどについて、安全性などの確保を目的に、品質・性能・試験方法の基準を定めた規格
|
4000系 |
アルミニウムにケイ素(シリコン)を加えた比熱処理型合金で、建築用アルミパネルの原料として使われる |
|
6000系 |
アルミニウムにケイ素(シリコン)とマグネシウムを加えた熱処理型合金で、建築用サッシの原料として使われる |
TOPPANのアルミニウム内外装材では、JIS H 4100「アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材」のアルミニウム材を使用しています。
■ 「アルミニウムはサビない」は間違い
「アルミニウムは、雨にさらされてもサビない」と思われがちですが、厳密には正しくありません。
アルミニウムは空気(酸素)に触れると、表面に薄い酸化アルミニウム皮膜(厚さ2〜10nm)が形成されて、それが以下の性能を発揮します。
・化学安定性:表面の皮膜により、周辺の化学的な影響を受けず、性質が安定する
・自己修復性:皮膜がキズつき破断しても、再び空気(酸素)に触れると再生する
これらの効果によって、アルミニウムはサビにくい(腐食しにくい)とされていますが、問題はこの自然酸化皮膜はとても薄く、防食用保護皮膜としての性能は十分でないという点です。
【ポイント】
アルミニウムやアルミニウム合金を、雨や湿気の影響を受けやすい外装材に使用する場合は、耐候性を高めるための工業的な皮膜が必要になります。
■ アルミニウムが腐食する条件
アルミニウムやアルミニウム合金が腐食する条件は、複数あります。
pH値の酸性化
アルミニウムの表面に形成される自然酸化皮膜は、pH4以下の酸性環境になると破壊され、基材の露出によってサビの発生につながります。
酸性雨の水素イオン濃度指数は全国平均で「pH4.77」なので、雨ざらしの場所ではサビやすい
工業地帯の大気には、化石燃料の燃焼によって放出される汚染物質が溶け込み、それが雨となって落ちるとより酸性化しやすい
一般的に市販される弱酸性洗剤は、「pH3〜6」なので、定期的に接触するとサビが生じる
pH値のアルカリ性化
アルミニウムは両生金属と呼ばれ、pH値が酸性だけではなくアルカリ性になっても腐食し、アルカリ性環境ではその侵食スピードが早いので注意が必要です。
具体的には、pH9以上になるとサビ始めます。
・アルカリ性洗剤(pH8以上)・コンクリート(pH12〜13)との接触
・海水(pH 8.1〜8.3程度でも長期間接触すると影響あり)
異種金属との接触
アルミニウムと異なる種類の金属が接触すると、サビ始めて腐食する可能性があるので注意が必要です。
これを「ガルバニック腐食」と呼び、電位差(イオン化傾向の差)が大きい金属同士が湿気などの電解質(通電する液体)を介して接触すると起こります。
|
イオン化傾向が高い金属 |
|
|
イオン化傾向が低い金属 |
|
建材にも多く使われるステンレス鋼(SUS304)はニッケルを含むため、アルミニウムと接触すると、アルミニウムが腐食します。
海から近いエリアでの塩害
海水に含まれる塩化物イオンは、アルミニウムの自然酸化皮膜に浸透して破断させ、白サビが発生します。
また、ガルバニック腐食(異種金属腐食)も、塩を含む湿気(水分)を介すると劣化が加速されるので注意が必要です。
実際に、沿岸部など海に近いエリアでは、塩分を含む海風の影響で、耐塩害仕様※ではない窓サッシやフェンスがサビるケースは珍しくありません。
※耐塩害仕様:塩分による腐食を防ぐために、通常の仕様よりも高耐久な塗装を施したり、ビスなどを他金属にしたりする仕様
ちなみに、一般的には海岸線から200〜500m以内を「重塩害地域」、500m〜2km以内を「塩害地域」とし、メーカー等ではこれらの地域での非耐塩害仕様の施工は保証対象外にしているところも多いので、ご注意ください。
■ アルミニウムが腐食するとどうなる
アルミニウムやアルミニウム合金で作られた建材などが腐食して風化すると、徐々に材の断面積が減って、耐荷重性や耐久性が低下します。
また、局所的に腐食すると、その部分に力の負荷が集中し、亀裂・破断をもたらす可能性もあることから、建築においては大きな問題に発展しかねません。
ここまで大きな被害に進展する以前でも、アルミニウムがサビると見た目が損なわれる点は大きなデメリットです。
■ アルミニウムの腐食を防ぐ方法
アルミニウムやアルミニウム合金の腐食を防ぐ方法は、主に4つあります。
設計の工夫
アルミニウムやアルミニウム合金を外装材として採用する際には、腐食を阻止するための設計における工夫が欠かせません。
湿気や塩分、汚染物質にさらされる外装材を選ぶ際には、できるだけ耐候性の高いものを選びましょう。
耐候性の低い外装材を選ぶと、新築時には美しい仕上がりでも、すぐに見た目が劣化したり、メンテナンス費用がかかったりする可能性があります。
陽極酸化皮膜(アルマイト処理)
アルミニウムやアルミニウム合金の耐食性を高める方法として有効なのが、表面保護の処理です。
その代表的な手法が陽極酸化皮膜処理で、一般的にはアルマイト処理と呼ばれます。
陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)とは、アルミニウム合金を強酸水溶液につけて強制的に表面を酸化させ、コーティングする加工技術です。
加工によって形成された人工酸化皮膜の保護効果は、自然酸化皮膜の250〜1250倍とも言われています。
ただし、人工酸化皮膜には弾性がなく、曲げ加工で割れやすい点や、100℃以上の高温にさらされるとヒビ割れたり塗膜剥離する点がデメリットです。
表面塗装
アルミニウムやアルミニウム合金の表面にプライマーを塗布し、その上を塗装仕上げにすると、表面の保護効果を高めることが可能です。
ただし、一度塗装すると、塗膜の風化や剥離のリスクがあるため、定期的なメンテナンスを継続しなくてはいけません。
化粧シート貼り
アルミニウムやアルミニウム合金を基材として、その上に化粧シートを貼り、さらに表面コーティングした外装材もおすすめです。
金属の上を何層も保護することにより、周辺の化学的な影響を最小限に抑えられます。
【ポイント】
TOPPANの不燃アルミ意匠材「FORTINA」(外装R仕様)は、アルミニウム基材の上に、陽極酸化皮膜層・アクリル塗装層・外装用化粧シート貼りを重ね、高い耐候性を実現しています。
FORTINAに用いられる外装用化粧用シートは、長期にわたる屋外仕様(紫外線・雨への暴露)に耐えるために、表面をオレフィンクリア層とコーティング層でカバーしている点がポイントです。
■ TOPPANの耐候性・デザイン性に優れた「アルミ外装材」
TOPPANは長年培ってきた印刷テクノロジーを活かし、SDGs実現に向けた社会的課題の解決に取り組み、高耐久で環境に配慮した建築内外装材を開発製造しております。
その中でも、内外装不燃アルミ意匠材「FORTINA」は、耐候性に優れた「外装R仕様」をお選びいただけますので、メンテナンスフリーな意匠材をお探しの方は、ぜひご採用ください。
【FORTINA(外装R仕様)の特長】
・長年培った高度な印刷技術によってリアルな質感を再現(15種類以上の木目柄)
・SWOM※にて、15,000時間の耐候性試験をクリア(化粧シート表面のクラック・各層の密着低下・絵柄の退色を抑制)
・長期間、メンテナンスフリー(通常の使用環境では30年以上の耐用年数)
・国土交通大臣による不燃認定取得済み(NM-4474)
・オレフィン※の使用とクロメートの不使用による環境負荷の軽減
・形状の多彩なラインナップによるトータルコーディネート
※SWOM:Sunshine Weather-O-Meter(促進耐候性試験装置)を用いた性能試験で、屋外環境(紫外線・温度・湿度・雨)に対する劣化を評価できる
※オレフィン:製造時のCO2排出量が少なく燃焼時にも有毒ガスが出ないプラスチック樹脂の主原料となる化合物で、環境に配慮した素材として近年注目されている。塩ビシートと比較すると原材料調達段階+生産段階+流通段階+廃棄・リサイクル段階の二酸化炭素排出量を60%も抑制できます。(当社比)
※クロメート:金属表面の耐食性を高めるための塗装下地として用いられる素材で、特に六価クロムは発がん性や土壌・地下水汚染をもたらすため、使用が制限されている
FORTINAは、以下3種類の製品ラインナップを取り揃えています。
■ まとめ
アルミニウムやアルミニウム合金は、一定の環境条件が揃うと、サビて腐食し、耐久性が低下する恐れがあります。
特に、外装材としてアルミニウムやアルミニウム合金を用いる場合は、注意が必要です。
TOPPANでは、耐候性とデザイン性に富んだ外装用不燃アルミ意匠材を製造しております。
「環境に配慮した建築」や「人に長く愛される建物」、「街のシンボルになる建築」の材料選定でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
2026.05.25

