調光ガラスがもたらす建築空間の革新と導入のポイント
調光フィルムは、電気のON/OFF操作によって瞬時に透明から不透明に切り替えることができるフィルムです。使用中には不透明にして目隠しとしての機能がある一方で、透明にして開放感も演出できるため、会議室や窓につけるブラインドの代替品などに活用され、現代の建築やインテリアデザインでも注目されています。
このコラムでは、調光フィルムの基本的な特徴や建築空間での活用メリット、導入事例、導入時のポイントについて解説し、最後に、液晶技術を活用したTOPPANの調光フィルム「LC MAGIC」をご紹介します。
目次
1. 調光フィルムの基本
2. 調光フィルムを建築空間へ活用するメリット
3. 調光フィルムの導入事例をご紹介
4. 調光フィルムを導入する際のポイント
5. 導入する際の注意点
6. 液晶技術を利用した薄型調光フィルム「LC MAGIC」のご紹介
7. まとめ
1. 調光フィルムの基本
はじめに、調光フィルムの概要を解説していきます。
●調光フィルムとは
調光フィルムとは、電気のON/OFF操作によって瞬時に透明から不透明に切り替えることができるフィルムです。瞬時に透明、不透明が調整できることやカスタマイズ性の高さから、プライバシー保護や空間の演出において活用され、現代の建築やインテリアデザインにおいて革新的な技術として注目されています。
●調光フィルムの動作の仕組みや技術について
調光フィルムの透明/不透明が切り替わる仕組みは動作原理によってPDLC方式、PNLC方式、SPD方式、エレクトロクロミック方式などに分類され、使用環境や条件に応じて使い分けられています。
例えば、TOPPANが製造している「LC MAGIC」は、PNLC方式を採用しています。この方式では、通電によって液晶分子の配向が変わり、その結果として透明/不透明が切り替わります。具体的には、液晶分子が均衡状態になると透明になり、不均衡状態になると不透明になります。このシンプルな動作原理により、プライバシーの確保や日射の調整が容易に行うことができます。
技術の進化に伴い、調光速度の向上や透過率の調整が可能になっており、より細やかな光のコントロールが実現されています。また、エネルギー効率の向上や環境への配慮も進んでおり、持続可能な建築資材としての価値も高まっています。
2.調光フィルムを建築空間へ活用するメリット
続いて、調光フィルムを建築空間へ活用するメリットについて詳しく解説します。
●プライバシーの確保とデザイン性の向上
調光フィルムの最大の特徴は、電気のON/OFFにより瞬時に透明と不透明を切り替えられる点です。この機能により、プライバシーが求められるオフィスや会議室などで簡単に視線を遮ることができます。必要な時にだけプライバシーを確保し、不要な時には開放的な空間を演出することが可能です。さらに、調光フィルムはデザイン性にも優れており、透明な見た目と調光機能を組み合わせることで、空間全体の印象を開放的に見せることができます。これにより、商業施設や高級ホテルにおいても、デザインの一部として活用されることが増えています。
●安全性
調光フィルムは、ガラスやアクリル板に貼り付けて使用することが一般的です。特にアクリル板は、ガラスに比べて割れにくく、破損した際にも鋭利な破片が飛び散るリスクが低いため、安全性が高い素材です。このため、公共施設や教育機関、病院など、人が多く集まる場所でも安心して使用することができます。調光フィルムを使用することで、視覚的なプライバシーを確保しつつ、安全性を向上させることができるのです。
●自然光の活用による快適な室内環境の提供
調光フィルムは、自然光を効率的に活用するためにも優れています。透明な状態では、室内に自然光を取り込むことができ、快適で明るい環境を提供します。これにより、人工照明の使用を抑えることができ、エネルギーの節約にもつながります。また、不透明な状態では、直射日光を遮断し、室内の温度上昇を防ぐことにも活用できます。
●環境への配慮と持続可能性の向上
調光フィルムは、環境への配慮と持続可能性の向上にも寄与します。自然光の活用により、エネルギー消費を削減することができることや、従来のブラインドやカーテンといった物理的な遮蔽物を減らすことができ、資源の節約にもつながります。このように、調光フィルムは環境に優しい建築材料としても注目されています。
3. 調光フィルムの導入事例をご紹介
続いて、調光フィルムを導入した事例をご紹介します。
●店舗の窓ガラス

兵庫県姫路市にあるヤマダストアー新青山店では、店舗のガラスに調光フィルム「LC MAGIC」を採用しています。このシステムは、普段は透明なガラスが直射日光を感知すると自動的にすりガラス状に変わる仕組みを持ち、生鮮食品を守りながらも、光を取り入れることができます。これにより、店内は明るく開放的な雰囲気を保ちながら、商品を日光から守ることができ、店舗のデザイン性と機能性を両立しています。
●ホテルの浴室

ホテルの浴室への導入事例です。
客間と日本庭園をあしらったバスルームの間仕切りとして導入した事例です。スイッチのON/OFFで透明時には日本庭園を眺め、不透明時には入浴時のプライバシーを確保します。これにより、必要な時にプライバシーを確保しつつ、普段は広々とした空間を演出することができます。また、調光フィルムはプロジェクターのスクリーンとしても利用可能であり、浴室内での映像鑑賞など、新たな宿泊体験を提供することができます。このように、調光フィルムはホテルの客室においても、快適で高級感のある空間作りに貢献しています。
●展示シーン

最新の商業施設やオフィス空間における機能性内装材の展示として採用されました。調光フィルム「LC MAGIC」を用いた『調光障子』が注目されています。これはガラスと木製格子を組み合わせたもので、スイッチのON/OFFによって視線をコントロールし、プライバシーを保護する一方で、開放感を演出することが可能です。日本の伝統的な意匠美に現代のテクノロジーが融合することで、より洗練された空間が実現します。
また、「LC MAGIC」のON/OFFと音を連動させた空間演出を行い、デザイン性に加えデジタルでマルチな機能が求められる未来の機能性内装材としてご好評いただきました。
4. 調光フィルムを導入する際のポイント
続いて、調光フィルムを導入する際のポイントを解説します。
●設置の際の技術的な考慮
まず、設置場所の技術的な要件を理解することが必要です。ガラスの厚さや形状、水回りの環境、電源の設置場所など、これらの要素はフィルムの性能や耐久性に影響を与える可能性があります。特に曲面に設置する場合は、フィルムの柔軟性や加工性が求められます。これらの要素を事前に確認し、適切な製品選びと施工計画を立てることが大切です。
●専門業者の選定とアフターサービス
信頼性のある専門業者を選定することも重要です。前述の通り、調光フィルムの設置には専門的な技術が必要であり、希望する用途に応じたカスタマイズが求められることがほとんどです。実績のある業者を選ぶことで、設置後のトラブルを未然に防ぎ、長期間にわたって安心して使用することができます。また、アフターサービスの充実度も業者選定の重要なポイントです。故障時の迅速な対応や定期的なメンテナンスサービスを提供している業者を選ぶことで、安心してフィルムを使用することができます。
5. 導入する際の注意点
実際に調光ガラスを建築に導入する際には以下を注意することが必要です。
〇事前に用途と目的を明確化する
調光ガラスを導入する目的(プライバシー確保、日射調整、エネルギー効率向上など)を明確にし、それに応じた仕様や性能を持つ調光ガラスを選定します。
〇耐久性や寿命の確認
調光ガラスの耐久性や寿命を事前に確認する必要があります。特に高温多湿や寒冷地などの特殊な環境での使用においては、その効果がどれくらいの間維持されるかを確認することが重要です。
〇法規制と認証
地域の法規制やエネルギー効率に関する規制に適合しているか確認することが重要です。また、必要な認証を取得しているかどうかも確認が必要です。
一般的にこれらのポイントを考慮した上で、調光ガラスの導入を検討する必要があります。
6. 液晶技術を利用した薄型調光フィルム「LC MAGIC」のご紹介
最後に、液晶技術を利用したTOPPANの薄型調光フィルム「LC MAGIC」をご紹介します。
●薄型調光フィルム「LC MAGIC」とは?
LC MAGICとは、TOPPANの印刷技術を応用し液晶技術を活用した薄型の液晶調光フィルムです。電気のON/OFFで、瞬間的に透明/不透明を切り替えることができ、使用中には不透明にして目隠しとしての機能がある一方で、透明にして開放感も演出できるため、ブラインドやカーテンの代替品やサイネージのスクリーンとして使用できる画期的な製品として広く活用されています。
●LC MAGICの特徴
1. 超薄型・抜群の加工性
薄型フィルムの生産が可能で、曲面形状への対応や既存ガラスへの後貼り施工が容易なため、カスタマイズ性の高さからホテル・オフィスなどの建築物や車などのモビリティなど様々な分野で採用頂いております。
2.ノーマルモード・リバースモード 2種のラインアップ
一般的には、電源がONの際に、透明になる使用が多いですが、LC MAGICでは、電源OFF時に透明の仕様となるリバースモードもございます。ご用途に合わせてお選びいただけます。
3.高い透明性
ガラスの透明性を損なわないよう、高い透過率をもった薄型の調光フィルムになっています。
4.国内最大級幅の1,450mm
国内最大級のサイズとなり、大きな開口の窓やパーテーションにも、1枚貼りが可能です。
5.映像投射スクリーン
不透明時には高画質高精細な映像の投射が可能になり、オフィスなどでは空間を有効活用することに役立っています。
6. 国内自社工場生産
印刷業で培われた塗布・ラミネート技術と自社工場での生産で、ご要望の数・大きさが提供可能です。(環境条件・要望内容に沿って実現可能な提案をさせていただきます)
7.まとめ
本コラムでは、調光フィルムの概要から建築空間へ活用するメリット、導入事例、さらには液晶技術を利用したTOPPANの薄型調光フィルム「LC MAGIC」のご紹介をしました。
商品の詳細は以下のサービスページでご覧いただけます。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
2025.03.04