コラム

調光フィルムの仕組みを分かりやすく解説!

調光フィルムとは?

調光フィルムとは電源のON/OFFで透明・不透明が切り替わるフィルムのことです。
(下記画像イメージ)
オフィス・住宅・商業施設などにおいてブラインドやカーテンに代わる用途として活用されており、
使用シーンに応じて見え方を自由に変更することができます。
例えば普段はセキュリティ対策やプライバシー確保のために不透明にしておき、必要な場面で透明に切り替えることで見え方を瞬時に変えるといった活用方法があります。
工場見学通路、医療関連施設などがその一例です。
加えて、スクリーンとして映像投影もできるため、会議室での資料投影や、ショーウィンドーに広告を映し出す演出も可能です。

調光フィルムの切り替え方法としては、電源OFF時に不透明、ON時透明になるノーマルモードのほか、その逆で電源OFF時に透明、ON時に不透明となるリバースモードがあります。
リバースモードは透明時に電気を必要としないため、普段から透明な状態で使用する環境に適しており、安全上の観点から、万一の停電時に内側の確認が必要な場所にも安心して活用できます。
また、グレーやブラックなどカラーバリエーションもあるため、使用環境のイメージに合わせて活用可能です。
この様に、調光フィルムは状況や目的によって、幅広いシーンで活躍します。


透明/不透明に切り替わる仕組みは?

そもそも調光フィルムの切り替え方法は動作原理によってPDLC方式、PNLC方式、SPD方式、エレクトロクロミック方式、GHLC方式など、複数に分類されており使用環境や条件に応じて使い分けられています。
TOPPANはその中でもPNLC方式を採用した調光フィルム LC MAGICを製造しております。
PNLC方式は通電によって液晶の配向が変わる方法で、液晶分子の配向が均衡になるか、不均衡になるかといった動きで透明/不透明が切り替わります。

PNLC方式の調光フィルムは透明導電膜がついたPETフィルムで液晶を挟んだものです。透明導電膜は可視光を透過する薄膜です。
透明導電膜により通電時に電気が均一に通ります。PETフィルムは「ポリエチレンテレフタレート」という名称の高分子フィルムで、強度や耐熱性、光学特性が優れていることが特徴です。
光学特性の例として濁度(雲り具合)を表すヘイズ値があります。
ヘイズ値が小さいほど透明で、大きいほど濁っています。
例えば、LC MAGICのヘイズはON時5%、OFF時98%で不透明時の曇り度が高いため、プライバシーを確保を実現します(ノーマルモードの場合)。


透明/不透明の制御方法

①スイッチでの制御
透明/不透明の制御として主流なのはスイッチによる方法です。部屋の照明と同様、壁に埋め込む形のシンプルなスイッチが多く使われています。
TOPPANでは透明度の変更が可能な電源付属のコントローラーや専用リモコンも取り扱っています。また、専用電源もあり、フィルムの種類やサイズ、使用環境に応じて最適な仕様をご提案させていただきます。


②センサーとの組み合わせ 
他にも、センサーとの組み合わせで制御することがあります。(※センサーはTOPPANで取り扱いしておりません。)
例えば、TOPPANの採用事例ではマルシェをイメージした青果店にて普段は透明でも、
直射日光が当たるとセンサーが反応してすりガラス状になる自動制御システムが採用されています。
建物正面のガラスは上下3段に分かれており、段ごとにセンサーが取り付けてあるため、直射日光を感知した段から1段ずつすりガラス状に変わります。
これにより、生鮮食品の鮮度の問題だけでなく、その他の商品の退色の問題も防ぐことができたり、
リモコンでの操作がないことによる管理の楽さを実現されています。


調光フィルムの活用例

これまで述べてきたような調光フィルムの仕組みを利用して応用商品も出ております。

・LC MAGICの開発品紹介(ブラックタイプ)
層構造内に色素をランダムに配置させることで、電源OFF時に可視光線透過率5%(透過率0%は、光を全く通さない真っ暗な状態)を実現しました(特許出願中)。
これにより、本製品を自動車のリアサイドガラスに組み込んだ場合、電源OFF時には屋外から車内の様子を覗き見ることはできず、サンルーフに適用した場合には晴天の日中であっても頭上からの光を遮ることが可能です。
電源ON時には、色素があらかじめ設定された向きに整列するため、可視光線を最大43%通します。
これは、一般の乗用車のリアガラスの標準仕様での透過率と同等であり、外から車内の人物を視認できる程度の明るさとなります。

・LC MAGICの開発品紹介(分割駆動、デザイン分割)
TOPPANの液晶はフィルム内で動かない構造のため、加工が自由にできます。透明導膜を特殊な方法で切断し、分割されたエリアごとに駆動制御することができます。
直線の模様だけでなく、文字やイラスト、企業のロゴ等をデザインに組み込むことも可能です。

分割駆動(イメージ)
デザイン分割(イメージ)

ここまで調光フィルムの仕組みと活用例をお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。
本記事内以外でも調光フィルムの施工方法や採用事例/用途展開例など紹介しておりますのでぜひご覧ください。

まとめ

TOPPANの調光フィルム「LC MAGIC」は多くの会社や店舗で導入され、お客様のイメージに合わせた様々な空間を演出しています。LC MAGICをご検討いただける企業様は下記よりカタログを無料ダウンロードいただくか、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

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2024.04.03

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