プライバシーガラスとは? メリットやデメリットについてご紹介!
プライバシーガラスは、店舗やオフィス、自動車など多様なシーンで主にプライバシーを守るために利用されていますが、課題も複数あります。そのプライバシーガラスの課題を解決する方法の一つが、調光フィルムを利用することです。
今回は、プライバシーガラスの特徴やメリット・デメリット、デメリットを埋める調光フィルムの活用方法や事例などをご紹介します。プライバシーガラスの課題を感じている方におすすめの内容です。ぜひご覧ください。
■プライバシーガラスとは?
プライバシーガラスとは、ガラスの透過性を下げ、見えにくくすることによりプライバシーを守ることができるガラスのことです。いわゆる目隠しされたガラスです。見えにくくする技術は複数あり、それらを総称してプライバシーガラスと呼びます。
●プライバシーガラスの種類
プライバシーガラスには、次の種類があります。
▼着色ガラス▼
着色ガラスは、一般的に金属を用いて色を付けたガラスを指します。例えば酸化鉄を溶かして加工すると黄色になり、金は赤色、酸化コバルトは青色に着色できます。また特殊塗料が用いられることもあります。黒色であれば透過性が上がります。色がついている分、透過性が下がりますが、完全に目隠しすることはできません。
▼ミラーガラス▼
「ミラーガラス」とは、ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングすることにより、外側からは鏡のように見えるガラスです。日射を反射することから、昼間は目隠し効果があります。一方、夜間に室内の照明を落とすと外からは中が見えてしまいます。
▼フロストガラス▼
ガラスに砂などを吹き付けて加工し、不透明にした「すりガラス」と呼ばれるガラスの表面をなめらかにしたのが「フロストガラス」です。すりガラスのほうが目隠し効果が高いですが、水濡れにより透けてしまいます。一方、フロストガラスは水濡れで透過性に変化はありません。
●プライバシーガラスの利用シーン
プライバシーガラスは、住宅、オフィス、商業施設、自動車など、様々な場所で利用されています。
住宅では浴室やトイレの窓によく利用されます。オフィスでは会議室や個室の休憩スペースをガラス張りにし、プライバシーガラスを採用することで、周囲を気にせず、またある程度の機密性を保った上で会議や作業に集中することができます。
プライバシー保護の目的が中心ですが、デザイン性を付与するためにプライバシーガラスが採用されることもあります。
■プライバシーガラスのメリット、デメリット
プライバシーガラスには次のメリットとデメリットがあります。
【メリット】
・プライバシー保護
プライバシーガラスの目的である目隠しが問題なくできれば、プライバシー保護につながります。
例えば自動車の後部座席とバックガラスをプライバシーガラスにすることで、後部座席に乗って
いる人を外から見えにくくし、プライバシーを守ることができます。
・デザイン性向上
プライバシーガラスのうち、カラーガラスやミラーガラスなどを採用することでデザイン性を
付加することができます。例えばビルにミラーガラスを採用すればビル全体が鏡のように空や
外部の景色が映し出され、美しく見えます。
・エネルギー効率向上
プライバシーガラスのうち、ミラーガラスのように日射を反射するタイプは、同時に遮熱効果
が得られます。日射熱量が低減されるため、夏場は室内の冷房効率を高めることができます。
【デメリット】
・透過性・階調の調整が難しい
現状、プライバシーガラスの透過性や階調(色の濃淡)は調整が難しいといえます。
プライバシーガラスの透過性や階調は種類によって異なり、希望の透過度や階調にするには
加工段階から調整する必要があるため、コストも高額になりがちで、ハードルが高くなります。
またミラーガラスは日射のない時間帯は逆に透けて見えてしまい、プライバシー性が低下します。
・自然光の減少
窓ガラスから自然光が差し込むことで、室内や車内にいる人々は暖かさや開放感などを得られま
す。その点、プライバシーガラスは自然光を透過しにくいことで、自然光によるメリットが少なく
なってしまいます。
■調光フィルムならプライバシーガラスのデメリットを解消
プライバシーガラスのデメリットを解消し、プライバシー性を確保する方法のうち、調光フィルムは優れた性能を発揮します。
●調光フィルムとは
調光フィルムとは、通電が可能なフィルムで、ガラスに貼ることができます。電源のONとOFFを切り替えることで透明と不透明、および階調を瞬時に切り替えられます。
切り替わる仕組みには複数の方式がありますが、例えば、PNLC方式と呼ばれるものは、透明導電膜がついたPETフィルムで液晶を挟んであります。透明導電膜とは可視光を透過する薄膜で、通電時に電気が均一に通るようになっています。PETフィルムは強度や耐熱性、光学特性に優れており、液晶を保護し、通電にも耐え得る素材となっています。
●調光フィルムのメリット
調光フィルムは、次のようなメリットがあります。
・透明度や階調を調整できる
透明と不透明をスイッチやリモコンで簡単に切り替えられるため、必要なときに透明と不透明を
自由にコントロールできます。
また製品によっては透明度や階調を段階的に変えられるものもあります。
・瞬時に切り替えられる
透明度や階調は瞬時に切り替えられるので、プライバシー性を臨機応変に変更したい用途に有用
です。例えば、オフィスのガラス張りの会議室に調光フィルムを施しておけば、会議で使用してい
ないときは透明で開放感を出すことができ、会議を始める際に不透明に切り替えれば、プライバ
シー性を瞬時に高められます。
このように、調光フィルムは、従来のプライバシーガラスのデメリットを解消しながら、さらに利便性を高める優れた製品です。
【関連リンク】
調光フィルムの仕組みを分かりやすく解説!
https://solution.toppan.co.jp/smartdevices/contents/lcmagic_column03.html
■調光フィルムの導入事例
実際に調光フィルムを導入した事例を3つご紹介します。
1.オフィスの会議室
オフィスの会議室のガラスパーテーションに調光フィルムを施した事例です。
ガラスパーテーションは空間を明るくし、開放感を出すことができます。一方で、会議中はプライバシー保護や集中のために、目隠しをしたほうが効率が上がりやすくなります。そこで調光フィルムをガラスパーテーションに施し、会議中には不透明に切り替えられるようにして、効率を高めています。
【関連リンク】
会議室のガラスパーテーションに工夫!更に快適な空間づくりをしませんか?
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2.自動車の窓ガラス
自動車の窓ガラスに調光フィルムを施した事例です。
調光フィルムなら、リモコンで切り替えができるため、手軽にプライバシーと開放感の調整が可能になります。
TOPPANの「LC MAGIC ノーマルブラック」を例に挙げると、電源OFF時には高級な質感の車体デザインにマッチし、95%の可視光線を遮蔽する黒色となり、電源ON時には43%の可視光線を通す半透明のライトグレー色となります。この製品を施すことで、高級感のある自動車のデザイン性を保持しながら、プライバシー性を高めることに成功しました。
【関連リンク】
車の窓ガラスのトレンドは?“調光フィルム”がサンルーフやリアウインドウで大活躍の予感
https://solution.toppan.co.jp/smartdevices/contents/lcmagic_column02.html
3.ホテルの浴室ドア
ホテルの浴室ドアに調光フィルムを施した事例です。
ホテルの浴室ドアは、ホテルの宿泊部屋の開放感を出すために強化ガラスが一つの選択肢になりますが、使用時はプライベートな空間となるため、外から見えないようにする必要があります。ブラインドやカーテンを設置する例もありますが、高級感に劣ることもあります。
そこであるホテルの浴室のガラスドアに調光フィルムを組み合わせたところ、電源ON/OFFにより開放感や高級感とプライバシー性を両立させることに成功しました。
また別の事例では、ガラス窓にも調光フィルムを施し、プロジェクターで映像を映し出せる仕組みにして、入浴タイムをより充実したものにする試みを行っています。
【関連リンク】
ホテルの浴室ドアに着目して豊かな空間づくりのポイントを探る
https://solution.toppan.co.jp/smartdevices/contents/lcmagic_column05.html
■まとめ
プライバシーガラスはプライバシーを守るために重要な製品ですが、課題も多くあります。
調光フィルムを検討することで、透明度や階調を電源スイッチにより自由に調整できるメリットが得られます。
TOPPANでは、「LC MAGIC」という調光フィルムを施した高品質スマートウィンドウをご提供しております。
TOPPANの印刷技術を応用し、電気のON/OFFだけで、プライバシー・セキュリティの確保と開放感の切り替えが可能です。
詳細はサービスページでご覧いただき、ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
2024.06.27