コラム

工場における温度・湿度管理の重要性

ビジネスにおいて室内の温度や湿度の管理をはじめとした空間環境の管理は非常に重要です。
工場においてはオフィス、製造ライン、クリーンルーム、倉庫など様々な部屋が存在しており、
これらの空間環境の管理はそれぞれ大きな意味を持ち、普段は認識し辛い効果をもたらします。
本コラムでは、室内における温湿度の管理の重要性についてご紹介します。



<目次>
■温湿度の管理による効果
■温湿度管理の実施方法
■空間管理実施の第一ステップ「e-Platch」
■まとめ


■温湿度の管理による効果

職場における温湿度管理を実施することにより大きく2つの効果を得る事が可能です。

① 製造物の品質管理
② 従業員の健康管理

① については製造業のみに限った効果ですが、
これら2つの効果はいずれも非常に重要なもので、売上やコストに直結します。

①製造物の品質管理

工場においては、製造ラインの温度と湿度の管理により、製造物の品質管理が可能です。
例えば食品工場においては温度のと湿度管理の徹底は衛生管理上重要になります。

また、精密機器の工場においても、工場内部の湿度が40%を超えると静電気が発生しやすくなり、
製造物に影響を与えてしまうリスクが高まります。
加えて、工場内の湿度が高すぎると、サビ(大気腐食)が発生する恐れがあります。
大気腐食を防ぐためには、工場内の湿度を50%以下にキープするのが理想的です。

このように工場においては温度の管理と湿度の管理の徹底が、
製造物の品質管理に直接影響することになります。

また、倉庫内の温湿度の管理も重要です。
製造物の材料を保管しておく倉庫や、完成品を保管しておく倉庫の温湿度管理の徹底により、
安定した品質で出荷することが可能になります。

②従業員の働く環境管理

温湿度、二酸化炭素濃度の管理の徹底は、
その空間で働く従業員の生産性及び、健康管理において重要です。

快適な温度や湿度というのは人によって異なりますが、
「労働安全衛生法」に基づく「事務所衛生基準規則」によって

オフィスの適正温度…18℃ ~ 28℃以下(空調設備がある場合)
オフィスの適正湿度…40% ~ 70%

と規定されています。

ただし、上記の数値内に収まっている空間が必ずしも快適なものであるとはいえず、
生産性向上という観点からすると

オフィスの適正温度…24℃ ~ 27℃(夏季)・20℃ ~ 23℃(冬季)
オフィスの適正湿度…40% ~ 60%

上記のような数値が一般的に最適であると言われています。

様々な研究結果があるものの、上記の温湿度を逸脱した場合、
ミスの発生率の上昇や生産性の悪化を引き起こすとされており、
これらの管理を徹底することが売り上げの向上につながる可能性が有ります。

他にも、温度と湿度の管理が不十分な場合、
インフルエンザやコロナウィルスなどの感染症にかかるリスクも上昇するため、
温湿度の管理は働く環境管理、ウェルビーイング向上において非常に大きな意味を持ちます。

また、上記のような感染症の流行防止という観点から、二酸化炭素濃度の管理も重要です。

二酸化炭素濃度の計測を実施することで空間の換気状況をチェックすることが可能です。
特に二酸化炭素濃度が1,000ppm以上になると、感染症のリスクが高まることに加えて、
問題解決能力や意思決定能力などの思考力の低下が起きることが分かっています。
このように換気状況をチェックすることにより感染症対策の実施及び、
生産性の向上も実現が可能です。


■温湿度管理の実施方法

ここまで温度・湿度管理、二酸化炭素濃度管理をはじめとした
空間環境の管理の重要性について記載してきましたが、
ここではこれらの管理にあたっての対応方法をご紹介します。

空間の環境を最適に保つためには、
① 各パラメーターの計測
② 各種設備の整備・活用

これらの2つの施策があります。

①各パラメーターの計測

空間環境の管理においては、
一般的に冷暖房設備を中心に実施しているケースが多いですが、
冷暖房による温湿度の調整機能は場所によってばらつきがあります。

よって空調設備に設定した温度を信用して空間管理を実施した場合、
実際の温度と理想としている温度は大きく乖離してしまう可能性が有ります。

このような状況を避けるために、しっかりと計測器を設置したうえで、
定期的な数値の管理を実施することによる適切な空調の設定が必要になります。

温湿度計などについては一般的にアナログなものが活用されるケースが多いですが、
アナログな温湿度計を使用する場合、数値を現場にチェックしに行く必要があるため、
効率的な作業を実現するためには無線通信機能を持った温湿度センサー、
二酸化炭素濃度センサーなどの導入を推奨します。

②各種設備の整備・活用

前項でも触れた通り、計測器などでチェックした数値を基に、
適切な環境を実現するために空調設備を中心とした様々な設備の整備、活用が必要です。

設備として用意されていることが多い冷暖房のみならず、
加湿器、扇風機、換気扇を保有していない場合は、
これらの導入によって職場環境の整備を実現することが可能です。

例えば、扇風機に関しては温度の調整効果に加えて、
空気の循環による換気の実施にも寄与することが可能です。

これらの機器については定期的なメンテナンスを実施しない場合、効果が低下してしまうため、
十分な機能を発揮するためには普段から機器の整備も重要です。


このように、空間の環境管理にあたっては、
まずは現状の把握を実施し、そのうえで対策として様々な設備の活用が重要になります。


■空間管理実施の第一ステップ「e-Platch」

TOPPANが提供する点検支援サービス「e-Platch」は前項でご説明した
①各パラメーターの計測
において有効な解決策となります。

e-Platchにおいては、温度・湿度・二酸化炭素濃度の計測が可能な、
TOPPAN製「マルチセンサー」を実装しているため、1台で職場環境の包括的な管理が可能です。

マルチセンサーは、照度の計測も可能となっているため、
オフィス内における光環境の監視も実現します。

また、マルチセンサーでセンシングした数値を表示し、
一定の数値を越えるとメール通知することが可能であるため、
現場に数値をチェックしに行くことなく、空間環境の監視が可能です。


■まとめ

今回は職場において大きな影響を与える空間環境の管理の重要性についてご紹介しました。
室内の温湿度や二酸化炭素濃度の管理が不十分な場合、
生産性の低下、社員のモチベーションの低下を原因とした、
売上の減少や社員の離職率の上昇を引き起こす可能性があります。

TOPPANは、温度・湿度・二酸化炭素濃度・照度のデータを自動で収集することが可能な
「e-Platch」による職場環境の改善提案が可能です。
働く環境の改善、工場内における温湿度の遠隔監視にお悩みの方は一度ご相談ください。

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2024.04.04

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