コラム

GL FILMとは?賞味期限延長と環境配慮の2つのメリット、多数の導入事例

GL FILMとは?賞味期限延長と環境配慮の2つのメリット、多数の導入事例

賞味期限延長や環境配慮ができるGL FILMについてご紹介します。テレビ東京の「カンブリア宮殿」でも取り上げられたこの革新的なフィルムについて、詳しく解説します。

そもそもGL FILMとは何か?

GL FILMとは何か、その特性と用途について解説します。GL FILMは、バリアフィルムの一種であり、特に酸素や水蒸気の透過を抑制する能力が高く、食品や医薬品の品質保持に非常に有用です。

バリアフィルムとは

バリアフィルムは、外部からのガス透過を防ぐ特殊なフィルムです。このフィルムは特に水蒸気や酸素を遮断し、内容物の酸化や乾燥を防ぎます。そのため、食品や医薬品の鮮度と品質を長期間保つことが可能です。

このフィルムは透明で視認性が高く、アルミ箔のような重い材料と比べて軽量です。主な材料としては、PETやOPP、アルミナ、シリカなどが使用されています。

加工にも優れており、食品から電子部品まで幅広い用途で利用されています。環境配慮の観点から、アルミ箔の代替品としての需要が高まっています。

GL FILMについての概要

GL FILMとは、TOPPANが開発した高いバリア性能を持つ透明なフィルムのことです。

GL FILMの主な特徴は以下の通りです。

・酸素や水蒸気の透過を抑える高いバリア性能を持っているため、内容物の酸化や乾燥を防ぎ、
 鮮度保持効果が高い。
・透明性が高く、内容物が見えるため誤使用を防ぐことができ、また印刷適性にも優れている。
・PET、OPP、PEなど様々な基材に対応可能で、用途も食品から産業資材まで幅広い。
・独自のコーティング技術と蒸着技術により、安定したバリア性能を実現している。
・アルミ箔に匹敵する高いバリア性能で、アルミ箔の代替として利用できる。
・屈曲性に優れ、屈曲後もバリア性を保持し、内容物の固結や変質を防ぐことができる。

GL FILMは、食品や医薬品などの包装材として利用され、内容物の品質保持や長期保存に大きく貢献しています。

食品の賞味期限を延長できる

GL FILMの高いガスバリア性能が食品の賞味期限延長にどのように貢献するのかを解説します。

ガスバリア性と食品ロス削減

ガスバリア性は、その機能性から食品ロス削減に貢献可能です。「ガスバリア性」とは気体の透過を防ぐ性能であり、食品や医薬品、工業製品の品質維持に不可欠です。

素材によってガスバリア性は異なり、一般的なプラスチックフィルムは透明性が高いものの、ガスバリア性は低いです。一方で、アルミ箔はガスバリア性が高いものの透明ではありません。

これらの素材の長所を活かし、短所を補う新しいバリアフィルムが開発されています。具体的には、樹脂系、コーティング系、透明蒸着フィルムの3種類が主流です。これらはガスバリア性を高めることが可能で、特に透明バリアフィルムは酸素や水蒸気の透過を抑え、内容物の鮮度保持に優れており、多くの用途で活用されています。

このような高機能なバリアフィルムは、国内外で需要が拡大しています。2021年時点での世界市場規模は約198億ドルで、2028年までに年平均7%以上の成長が予測されています。

TOPPANが開発した「GL BARRIER」は透明蒸着バリアフィルムの分野で世界トップシェアを持つ製品です(TOPPANによる調査)。このフィルムは気体、特に酸素や水蒸気の透過を極端に低く抑える「ガスバリア性」が世界最高水準にあります。

TOPPANが独自に開発した透明蒸着加工技術とコーティング技術の応用により、包装された商品は吸湿、乾燥、腐敗から守られます。これによって、商品の鮮度が長持ちし、賞味期限も延びるため、食品ロスの削減にも貢献しています。

さらに、SDGsの目標にも寄与する形で、環境への配慮や資源の節約が可能です。このような多面的な利点から、食品業界をはじめ、医薬品や工業部品など多くの分野で使用されています。

環境への配慮

環境配慮視点でのGL FILMのメリットについて、モノマテリアルの採用、アルミ箔の代替、そしてLCA(ライフサイクルアセスメント)による評価を通じて解説します。環境への配慮がどのように実現されているのか、具体的な点を中心にご紹介します。

モノマテリアルと環境

モノマテリアルとは、包装に1種類の素材だけを使用することです。このアプローチには、リサイクルの面で環境メリットがあります。
単一の素材であるため、分別が不要で、リサイクルが効率的に行えます。これにより、リサイクル率が向上する可能性があります。

ただし、モノマテリアルにも欠点があります。
一般的に1種類の素材であるモノマテリアルで、バリア性能などの機能を持つフィルムを作るのは技術的に難しい。
しかしTOPPANはGL FILMの開発により培ってきた技術力によって、バリア性能を持つモノマテリアルパッケージを提供することが可能です。

脱アルミと環境

脱アルミとは、アルミニウムを使わないようにする取り組みで、環境に対する多くのメリットがあり、その1つにCO₂の削減があります。アルミの製造は多くのエネルギーを消費し、CO₂排出が多く脱アルミによって、CO₂排出を減らすことができます。

脱アルミは、製造から廃棄までのライフサイクルで、CO₂削減と資源の効率的な利用に大いに貢献しています。

脱アルミを実施する際の有力な選択肢がGL FILMです。アルミからGL FILMへの置き換えにより、包材製造時のCO₂排出量を約15%削減できるため、環境面でもメリットがあります。
GL FILMは、アルミに匹敵するバリア性能を持ちながらも、透明性と環境性能を高めた革新的な材料と言えます。今後さらに用途が広がることが期待されます。

LCAによる環境適性

LCA(Life Cycle Assessment)は、製品のライフサイクル全体、すなわち原材料の採取から製造、使用、リサイクル、廃棄に至るまで、環境への影響を定量的に評価する手法です。この評価方法は、国際標準化機構(ISO)の14040シリーズとして国際規格にもなっています。

環境意識が高まる現代において、LCAは製品開発だけでなく、企業の環境戦略の策定にも重要な基準となっています。特に、パッケージに関するCO₂排出量の評価において、LCAは客観的な評価を可能にし、その信頼性を確保しています。

TOPPANのGL FILMは先進的なコーティングと蒸着技術によって高いバリア性能を持つ透明フィルムとして注目されています。その環境への影響は、ライフサイクルアセスメント(LCA)で詳細に評価され、特にCO₂排出量の大幅な削減が確認されています。このフィルムをアルミ箔に代わる素材として使用することで、CO₂排出量が約15%減少(出典)するとされています。

GL FILMは環境負荷の低減に有効な素材であり、その優れた特性がLCAで証明されています。

TOPPANでの事例

TOPPANのGL FILMは多くの企業で導入されています。菓子からレトルト食品、チルド惣菜まで、多様な用途での事例を通じて、その実用性と効果を具体的にご紹介します。安心して導入できる理由を詳しく解説します。

導入実績も多数!安心して任せることができる

TOPPANのバリアフィルムGL BARRIERは食品パッケージにおいて多くの採用事例があります。このフィルムは高いバリア性能を持ち、食品の品質を長期間保持することができます。

具体的には、菓子、レトルト食品、冷凍食品、チルド惣菜、カットフルーツなど多様な食品に採用されています。このフィルムを使用することで、食品の賞味期限を延長し、フードロスを削減することが可能です。

また、環境に配慮した材料を使用しているため、持続可能なパッケージングソリューションとしても評価されています。

事例1:クッキー、ウエハース、せんべい、グミなどの菓子のパッケージ
菓子のパッケージングには食感や風味、香りの維持が必須です。特に土産用食品には日持ちが重要です。
GL FILMの採用は、その高いバリア性能でこれらの課題を解決します。水蒸気と酸素を効果的に遮断し、品質と賞味期限を保ち、結果として廃棄コストも削減します。

事例2:レトルトカレー・シチュー、パスタソースのパウチ
従来のアルミ箔製レトルトパウチは電子レンジ対応ができず、ユーザーに手間をかけていました。しかし、GL FILMを使用したパウチは電子レンジで直接温め可能で、CO₂排出も削減できます。金属探知機による検査が可能で、高いバリア性能でアルミパウチに匹敵する長期保存を実現できます。

事例3:チルド惣菜、カットフルーツのパウチ
従来のプラスチック容器での惣菜やカットフルーツの保存は賞味期限が短く、フードロスが問題でした。バリアフィルムのパウチを使用することで、賞味期限が延長し、フードロスが削減されます。さらに、透明性があり中身が確認できるため、消費者の安心感も高まります。プラスチック使用量が減少するので、環境への配慮にも優れています。

事例4:シャンプー、コンディショナーの詰め替えパウチ
香り付き商品のパッケージには高いバリア性が求められ、透明なデザインもトレンドです。GL FILMはこれらの要求に応え、アルミの代わりに使用できる高い酸素と水蒸気のバリア性を持っています。この採用により、環境負荷が軽減されるだけでなく、透明なデザインも可能になります。さらに、シリーズ内の「メカニカルリサイクルPET・GL」は、リサイクルされたペットボトルから作られ、環境にも配慮しています。

事例5:食器洗い洗剤、キッチンアルコール除菌スプレーのパウチ
従来、洗剤やアルコール除菌液の容器としてプラスチックボトルが用いられてきましたが、環境への影響を考慮し、プラスチック使用量の削減が求められています。パウチへの変更で水分蒸散による品質劣化が問題となりましたが、GL FILMの高い水蒸気バリア性が解決策となりました。この素材を用いることで、品質を保ちつつプラスチック使用量を削減することが可能です。


GL FILMの多面的な利点と実績についてご紹介しました。

賞味期限の延長、フードロス削減、環境への配慮など、GL FILMは多くの課題解決に寄与しています。

更なる詳細や導入に関するご相談は、TOPPANまでお気軽にお問い合わせください。
高いバリア性能と環境配慮を兼ね備えたGL FILMで、次世代のパッケージングソリューションを実現します。

2023.11.07

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