センサーマットとは?介護現場への導入メリットや
おすすめシステムをご紹介
この記事では、センサーマットとは何かや、睡眠センサーとの違い、どのような仕組みで計測できるのか、介護現場での利用がおすすめの理由と注意点、介護現場におすすめの睡眠センサーを紹介します。人手不足や過重労働に悩む介護現場関係者の方は、ぜひ参考にしてください。
<目次>
■センサーマットとは
1|センサーマット仕組み
2|センサーマットと睡眠センサーとの違い
■睡眠センサーの種類
1|マット・パッド型
2|スマホアプリ型
3|リストバンド型
4|ヘッドバンド型
5|指輪型
■介護現場へのセンサーマット導入がおすすめの理由
■介護現場にセンサーマットや睡眠センサーを導入する際の注意点
■介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」とは
■まとめ
ーセンサーマットとはー
センサーマットとは、高齢者や要介護者の安全を守るために開発された器具で、主にベッドマットレスとベッドフレームの間に設置され、利用者の動きを感知することで、転倒や離床のリスクを検知することができます。
検知した情報は、介護スタッフや看護師に自動的に送られ、訪室をするなど、夜間巡回の効率化や利用者の安全を守るシステムです。
センサーマットの仕組み
センサーマットには感圧式のセンサーが内蔵されており、重さの変化を感知することができます。
これによって、利用者がマットの上に乗ったり、離れたりする行動を検知することができ、介護職員・看護師は利用者の入離床が離れていてもわかるようになります。
商品によっては、ナースコールやスマホアプリなどにアラートを発信する機能が備わっているものもあり、よりリアルタイムに利用者の状況を把握することが可能です。
センサーマットと睡眠センサーとの違い
センサーマットが主にベッドに設置され、利用者がその上にいるかどうか検知されるのに使用されるのに対して、睡眠センサーは、利用者の睡眠の質やパターンを監視するために使用されます。
両方とも、ベッドの上に設置されるものではありますが、用途が異なるのです。
ただ、技術の進歩により、センサーマットと睡眠センサーが一体型となった、利用者の入離床と睡眠の質を1つのセンサーマットで計測できる器具が開発されてきています。
一方で、睡眠状態を計測できる器具の種類は複数あり、種類によって計測できる要素が異なるため、1つ1つ見ていきましょう。
ー睡眠センサーの仕組みー
前述の通り、睡眠センサーとは、寝ている間の心拍数や呼吸・体の動きなどを測定し、睡眠状態や睡眠の質を知ることができるものです。これまで睡眠の状態を知るには専門的な知識が必要であり難しいものでしたが、睡眠センサーによって比較的簡単に睡眠状態を知ることができるようになりました。
睡眠センサーには以下のようにさまざまな種類があり、睡眠状態を計測する仕組みや計測できる要素は種類によって異なります。
種類 | 計測する要素 |
マット・パッド型 |
・寝返りなど体の動き ・呼吸 ・心拍数 |
スマホアプリ型 |
・呼吸 ・体の動き |
リストバンド型 |
・心拍数 ・体の動き |
ヘッドバンド型 | ・脳波 |
指輪型 |
・心拍数 ・体の動き |
睡眠センサーの種類の違いや計測できる要素について解説します。睡眠センサーを取り入れる目的によって、選ぶべき睡眠センサーも変わるでしょう。
.マット・パッド型
マット・パッド型の睡眠センサーは、布団やマットレスの下にセンサーを入れることで、寝返りなどの体の動きや呼吸・心拍数を計測することができます。マットやパッドを布団の下に入れ込み、睡眠中の体重による圧力の変化から体の動きを検知します。
マット・パッド型はその他の睡眠センサーとは異なり、体に直接装着するものではないため、24時間健康状態を管理したいという場合には不向きでしょう。
睡眠状態や眠りの質に特化してしっかりと管理したい場合には、マット・パッド型の睡眠センサーがおすすめです。
また選ぶセンサーによっては遠隔から操作したり、睡眠状態をグラフ化して分析するなどの機能を搭載しているものもあるため、個人での利用以外に医療施設や介護施設などでの利用にも適しています。
スマホアプリ型
スマホアプリ型の睡眠センサーは、スマートフォンを枕元においておくことで、呼吸や体の動きを測ることができます。
スマートフォンにはマイクと加速度センサーが内蔵されており、呼吸の音やリズムの速さを測定し、睡眠状態を分析します。スマートフォンに内蔵されている加速度センサーは精度も高く、通勤・通学・散歩時やドライブ時の走行距離やスピードだけでなく、寝ている時の些細な布団の浮き沈みなども検知することができるのです。
スマホアプリ型の睡眠センサーは入眠時に音楽を流したり、決まった時間に音楽を流したりして心地よく目覚める機能などもあります。個人的に気軽に、コストを抑えて利用できる点がスマホアプリ型のメリットです。毎日の健康維持や個人的な睡眠管理などに向いているでしょう。
.リストバンド型
リストバンド型の睡眠センサーは、スマートウォッチや睡眠トラッカーなどの呼び方がありますが、時計のように手首に巻くことで心拍数や体の動きを計測することができます。
リストバンド型の睡眠センサーは、緑色のLEDライトを放射し跳ね返った光の量によって心拍数を測ります。
さまざまなメーカーからリストバンド型の睡眠センサーが発売されていますが、分析精度はメーカーによってばらつきがあるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
24時間装着しておけば、睡眠時以外の日常の健康管理やスポーツ時のコンディション管理などにも活用できます。
.ヘッドバンド型
ヘッドバンド型の睡眠センサーでは、電極が頭部に触れるように装着することで、脳が出す電気信号(脳波)を測ることができます。リラックス時のアルファ波が発生するなど脳波と睡眠は深い関係があるとされ、睡眠の研究には脳波が計測されることが多いです。
脳波は非常に微弱なので計測が難しいものでしたが、技術の発達によって現在では一般の方でも気軽に脳波を計測することができるようになっています。
頭にヘッドバンドを装着する必要があるため、毎日の計測に使用するには苦手に感じる人もいるでしょう。
脳波を測ることができる睡眠センサーはヘッドバンド型だけなので、脳波によってより詳細に睡眠の質を知りたい場合に向いています。
指輪型
指輪型の睡眠センサーは、リストバンド型と同じ仕組みですが、より小型になったものです。また肌に密着するという指輪の特徴により、体温を計測できるものもあります。
選ぶ製品によって精度に差がありますが、日常使いには便利でしょう。
ー介護現場へのセンサーマット導入がおすすめの理由ー
近年、睡眠の質への注目度は高まっていますが、センサーマットは介護現場で活用されるケースも増えています。
介護現場において、センサーマット導入がおすすめの理由を紹介します。
【介護現場へのセンサーマット導入がおすすめの理由】
・ 毎晩の巡回や訪室回数を減らすことができる
・ 遠隔から睡眠状態を知ることができる
・ 訪室によって睡眠を妨げる心配がない
・ ベッドからの転落や長期の離床を早期発見できる
・ 寝たきり・不眠などの健康状態を簡単に把握できる
・ 補助が必要なタイミングがわかる
・ 健康状態の分析を自動で行える(新人でも発見できる)
日本では少子高齢化が進み、まもなく1.5人で1人の高齢者を支える超高齢化社会に突入します。
介護現場では介護を必要とする人が増えるのに対し、高齢者を支える若い世代が少なく超高齢化の影響も深刻です。
さまざまな現場で人手不足と言われており、省人化や生産性の向上を目指してデジタル化・DX化(デジタル化による変革)が盛んに行われています。
介護現場でセンサーマットや睡眠センサーを導入することで、睡眠状態を遠隔からモニタリングできるため、毎晩の巡回作業を格段に効率化できます。それだけでなく、ベッドからの転落や不眠・過眠、トイレ補助が必要なタイミングなどを即時に知ることができます。
健康状態の管理は、毎日のコミュニケーションや過去の記録などと比較しながら確認する必要があるため、介護者によって判断が異なる可能性もありました。睡眠センサーによってデータを蓄積・分析ができれば、新人の介護者であっても直ちに異常を発見することができるでしょう。
ー介護現場にセンサーマットや睡眠センサーを導入する際の注意点ー
センサーマットや睡眠センサーを介護現場に導入する際の注意点をご紹介します。
特に介護施設など高齢者が利用する場合には、以下のようなことが課題になることがあります。
・利用者の様々なデータを計測する為、利用者のプライバシーを守るために、どのようなデータが収集され、どのようなことに使用されるのかを明確にし、利用者やその家族に同意をとる
・介護職員・看護師がセンサーデバイスを適切に操作することや、データを正しく読み取ることができるか
・センサーが異常を感知した場合の介護職員・看護師の対応方法のマニュアルを作成・社内教育を行う
上記はほんの一例ですが、介護施設などでのセンサーマットや睡眠センサーが正しく利用されないと、利用者の命に係わる可能性のある重要なリスクを抱えることになります。
そのため、システムを選ぶ際は、慎重に吟味する必要があるでしょう。
ー介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」とはー
前章で紹介したような問題が足枷となって、介護現場ではデジタル化やセンサーマット、睡眠センサーの導入が思ったように進んでいないのが現状でしょう。
TOPPANでは介護用の睡眠センサーとして介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」を提供しています。
Sensing Waveはマット・パッド型の睡眠センサーなので、ベッドマットレス下に設置することで利用者の睡眠の深さ・心拍相当数・呼吸相当数・入離床をリアルタイムで検知・解析することができます。
・睡眠の深さがわかる
・設置が簡単
・各種機器と連携可能
・遠隔地でも確認可能
Sensing Waveはクラウド型のシステムなので、専用のサーバーなどは不要で遠隔管理が可能です。施設内はもちろん、施設外から運営法人が各施設の利用状況を、一括管理することもできます。
そのため、訪室回数削減・トイレ誘導のタイミング最適化など業務効率化ができるだけでなく、利用者にとっても必要な時に必要なタイミングでケアが受けられられるようになるでしょう。
睡眠センサーを含む介護ロボットの導入は、コストが高額になることが多いですが、国や自治体から補助金を受けることが可能です。自治体によって補助金の内容や申請条件は異なるため、詳しくは自治体のホームページを確認しましょう。
ーまとめー
今後、より一層進んでいく日本社会の高齢化の影響を真っ先に受ける介護現場では、人手不足が深刻化することが予想されます。そのため介護現場でのデジタルやAIを活用した作業効率化・省人化は、直近の課題であることがわかるでしょう。
センサーマットや睡眠センサーは、介護施設において訪室回数を減らし、作業効率を改善することにつながります。
また介護施設利用者にとって要でもある健康管理や介護ケアの質を高めることもできます。
ただし高齢者を対象とした介護現場では、精度の高いセンサーマットや睡眠センサーを選ぶことが重要なポイントです。
TOPPANが提供する介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」は、介護専用の睡眠センサーなので、精度が高いだけでなく介護施設での利便性を考慮した機能が搭載されています。介護現場における労働力不足や効率化に悩む担当者の方は、ぜひご相談ください。
2024.06.12