コラム

睡眠センサーの仕組みは?介護現場への導入メリットやおすすめシステムを紹介

睡眠はすべての人にとって重要な生活習慣の一つで、健康を維持することにおいても大切な役割を担っています。1日の3分の1を睡眠に充てているにも関わらず、まだ未知の部分が多いことも事実です。

そのため近年では睡眠の質の向上や睡眠を向上する研究や取り組みに注目が集まっており、簡単に睡眠状態を計測できるサービスやシステムも増えています。睡眠を計測できるシステムは、個人の健康維持はもちろん、介護現場においても非常に大きなメリットがあることをご存知でしょうか。

この記事では、睡眠センサーとは何か、どのような仕組みで計測できるのか、介護現場での利用がおすすめの理由と注意点、介護現場におすすめの睡眠センサーを紹介します。人手不足や過重労働に悩む介護現場関係者の方は、ぜひ参考にしてください。

<目次>

■睡眠センサーの仕組み
 1|マット・パッド型
 2|スマホアプリ型
 3|リストバンド型
 4|ヘッドバンド型
 5|指輪型
■介護現場への睡眠センサー導入がおすすめの理由
■介護現場に睡眠センサーを導入する際の注意点
■介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」とは
■まとめ

ー睡眠センサーの仕組みー

寝ている女性

睡眠センサーとは、寝ている間の心拍数や呼吸・体の動きなどを測定し、睡眠状態や睡眠の質を知ることができるものです。これまで睡眠の状態を知るには専門的な知識が必要であり難しいものでしたが、睡眠センサーによって比較的簡単に睡眠状態を知ることができるようになりました。

睡眠センサーには以下のようにさまざまな種類があり、睡眠状態を計測する仕組みや計測できる要素は種類によって異なります。

種類 計測する要素
マット・パッド型

・寝返りなど体の動き

・呼吸

・心拍数

スマホアプリ型

・呼吸

・体の動き

リストバンド型

・心拍数

・体の動き

ヘッドバンド型 ・脳波
指輪型

・心拍数

・体の動き

睡眠センサーの種類の違いや計測できる要素について解説します。睡眠センサーを取り入れる目的によって、選ぶべき睡眠センサーも変わるでしょう。

.マット・パッド型

マット・パッド型の睡眠センサーは、布団やマットレスの下にセンサーを入れることで、寝返りなどの体の動きや呼吸・心拍数を計測することができます。マットやパッドを布団の下に入れ込み、睡眠中の体重による圧力の変化から体の動きを検知します。

マット・パッド型はその他の睡眠センサーとは異なり、体に直接装着するものではないため、24時間健康状態を管理したいという場合には不向きでしょう。

睡眠状態や眠りの質に特化してしっかりと管理したい場合には、マット・パッド型の睡眠センサーがおすすめです。
また選ぶセンサーによっては遠隔から操作したり、睡眠状態をグラフ化して分析するなどの機能を搭載しているものもあるため、個人での利用以外に医療施設や介護施設などでの利用にも適しています。

スマホアプリ型

スマホアプリ型の睡眠センサーは、スマートフォンを枕元においておくことで、呼吸や体の動きを測ることができます。

スマートフォンにはマイクと加速度センサーが内蔵されており、呼吸の音やリズムの速さを測定し、睡眠状態を分析します。スマートフォンに内蔵されている加速度センサーは精度も高く、通勤・通学・散歩時やドライブ時の走行距離やスピードだけでなく、寝ている時の些細な布団の浮き沈みなども検知することができるのです。

スマホアプリ型の睡眠センサーは入眠時に音楽を流したり、決まった時間に音楽を流したりして心地よく目覚める機能などもあります。個人的に気軽に、コストを抑えて利用できる点がスマホアプリ型のメリットです。毎日の健康維持や個人的な睡眠管理などに向いているでしょう。

.リストバンド型

リストバンド型の睡眠センサーは、スマートウォッチや睡眠トラッカーなどの呼び方がありますが、時計のように手首に巻くことで心拍数や体の動きを計測することができます。
リストバンド型の睡眠センサーは、緑色のLEDライトを放射し跳ね返った光の量によって心拍数を測ります。

さまざまなメーカーからリストバンド型の睡眠センサーが発売されていますが、分析精度はメーカーによってばらつきがあるため、慎重に選ぶ必要があるでしょう。

24時間装着しておけば、睡眠時以外の日常の健康管理やスポーツ時のコンディション管理などにも活用できます。

.ヘッドバンド型

ヘッドバンド型の睡眠センサーでは、電極が頭部に触れるように装着することで、脳が出す電気信号(脳波)を測ることができます。リラックス時のアルファ波が発生するなど脳波と睡眠は深い関係があるとされ、睡眠の研究には脳波が計測されることが多いです。

脳波は非常に微弱なので計測が難しいものでしたが、技術の発達によって現在では一般の方でも気軽に脳波を計測することができるようになっています。
頭にヘッドバンドを装着する必要があるため、毎日の計測に使用するには苦手に感じる人もいるでしょう。

脳波を測ることができる睡眠センサーはヘッドバンド型だけなので、脳波によってより詳細に睡眠の質を知りたい場合に向いています。

指輪型

指輪型の睡眠センサーは、リストバンド型と同じ仕組みですが、より小型になったものです。また肌に密着するという指輪の特徴により、体温を計測できるものもあります。

選ぶ製品によって精度に差がありますが、日常使いには便利でしょう。

ー介護現場への睡眠センサー導入がおすすめの理由ー

介護している図

近年、睡眠の質への注目度は高まっていますが、睡眠センサーは介護現場で活用されるケースも増えています。
介護現場において、睡眠センサー導入がおすすめの理由を紹介します。

【介護現場への睡眠センサー導入がおすすめの理由】
・ 毎晩の巡回や訪室回数を減らすことができる
・ 遠隔から睡眠状態を知ることができる
・ 訪室によって睡眠を妨げる心配がない
・ ベッドからの転落や長期の離床を早期発見できる
・ 寝たきり・不眠などの健康状態を簡単に把握できる
・ 補助が必要なタイミングがわかる
・ 健康状態の分析を自動で行える(新人でも発見できる)

日本では少子高齢化が進み、まもなく1.5人で1人の高齢者を支える超高齢化社会に突入します。

介護現場では介護を必要とする人が増えるのに対し、高齢者を支える若い世代が少なく超高齢化の影響も深刻です。
さまざまな現場で人手不足と言われており、省人化や生産性の向上を目指してデジタル化・DX化(デジタル化による変革)が盛んに行われています。

介護現場で睡眠センサーを導入することで、睡眠状態を遠隔からモニタリングできるため、毎晩の巡回作業を格段に効率化できます。それだけでなく、ベッドからの転落や不眠・過眠、トイレ補助が必要なタイミングなどを即時に知ることができます。

健康状態の管理は、毎日のコミュニケーションや過去の記録などと比較しながら確認する必要があるため、介護者によって判断が異なる可能性もありました。睡眠センサーによってデータを蓄積・分析ができれば、新人の介護者であっても直ちに異常を発見することができるでしょう。

ー介護現場に睡眠センサーを導入する際の注意点ー

睡眠センサーを介護現場に導入する際には、いくつか注意点があります。多くの睡眠センサーは、健康な人が健康管理・健康維持をする想定で作られているものが多いです。

そのため介護施設など高齢者が利用する場合には、以下のようなことが課題になることがあります。

・ リストバンド型やヘッドバンド型だと嫌がる人もいる
・ 高齢者の脈拍や呼吸は微弱な傾向がある
・ 疾病などにより寝相が極端な人もいる
・ 疾病などにより特殊な寝具を用いることがある
・ 体重や筋肉量が少なく計測しにくい場合がある

このように介護現場での睡眠センサーの使用シーンは、環境がさまざまで特殊なことも多いです。
介護現場で使用する睡眠センサーは、さまざまな状態の被介護者に対応できるような繊細で高機能なものでなければなりません。

睡眠センサーの選び方を間違えると、効果が得られないだけでなくコストも無駄になってしまうため、どのようなシステムを選ぶかは慎重に吟味する必要があるでしょう。

ー介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」とはー

寝ている図

前章で紹介したような問題が足枷となって、介護現場ではデジタル化や睡眠センサーの導入が思ったように進んでいないのが現状でしょう。

TOPPANでは介護用の睡眠センサーとして介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」を提供しています。
Sensing Waveはマット・パッド型の睡眠センサーなので、ベッドマットレス下に設置することで利用者の睡眠の深さ・心拍相当数・呼吸相当数・入離床をリアルタイムで検知・解析することができます。

・睡眠の深さがわかる
・設置が簡単
・各種機器と連携可能
・遠隔地でも確認可能

Sensing Waveはクラウド型のシステムなので、専用のサーバーなどは不要で遠隔管理が可能です。施設内はもちろん、施設外から運営法人が各施設の利用状況を、一括管理することもできます。

そのため、訪室回数削減・トイレ誘導のタイミング最適化など業務効率化ができるだけでなく、利用者にとっても必要な時に必要なタイミングでケアが受けられられるようになるでしょう。

睡眠センサーを含む介護ロボットの導入は、コストが高額になることが多いですが、国や自治体から補助金を受けることが可能です。自治体によって補助金の内容や申請条件は異なるため、詳しくは自治体のホームページを確認しましょう。

ーまとめー

今後、より一層進んでいく日本社会の高齢化の影響を真っ先に受ける介護現場では、人手不足が深刻化することが予想されます。そのため介護現場でのデジタルやAIを活用した作業効率化・省人化は、直近の課題であることがわかるでしょう。
睡眠センサーは、介護施設において訪室回数を減らし、作業効率を改善することにつながります。また介護施設利用者にとって要でもある健康管理や介護ケアの質を高めることもできます。

ただし高齢者を対象とした介護現場では、精度の高い睡眠センサーを選ぶことが重要なポイントです。TOPPANが提供する介護・睡眠見守りシステム「Sensing Wave」は、介護専用の睡眠センサーなので、精度が高いだけでなく介護施設での利便性を考慮した機能が搭載されています。介護現場における労働力不足や効率化に悩む担当者の方は、ぜひご相談ください。

2024.04.24

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