子ども向け習い事教室の集客方法
送迎サービスの導入など
取り組み例を紹介
少子化や共働き家庭の増加により、子ども向け習い事教室にとって「集客」はますます重要な課題となっています。中でも、送迎の負担は保護者が教室選びをするうえで大きな判断材料のひとつです。どれだけ魅力的なカリキュラムを用意していても、通いやすさが伴わなければ選ばれにくい時代です。そうした中、オンライン施策や地域密着型の広報に加え、送迎サービスの導入が集客力を高める新たな切り札として注目されています。
本記事では、子ども向け習い事教室の特徴や基本的な集客戦略、送迎の課題とその対策、さらにTOPPANの「こどもび®」など実際の取り組み事例を交えながら、集客と継続率向上のためのポイントを解説します。保護者と子どもの両方に選ばれる教室づくりを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
習い事教室の集客の基本的な考え方

子ども向けの習い事教室において効果的な集客を実現するためには、一般的な教室とは異なる特性をしっかりと理解することが大切です。多くの教室経営者が「チラシを配っても生徒が集まらない」「年々反応が下がっている」といった悩みを抱えているのは、子ども向け教室特有の特徴を踏まえずに集客活動を行っている可能性があります。成功する教室は、事前の準備段階から戦略的にアプローチし、段階的なステップを踏んで集客を展開しています。
ここでは、子ども向け習い事教室の集客における基本的な考え方について、特徴の理解から具体的な準備、実践的なステップまでを解説します。
子ども向け習い事教室の特徴を理解する
子ども向け習い事教室には、大人向けの教室とは大きく異なる2つの特徴があります。
1つ目は、教室を選び月謝を支払うのは親御さんですが、実際にレッスンを受けるのは子どもという点です。このため集客メッセージは親御さんのニーズに焦点を当てる必要があります。
2つ目は商圏が限定的であることです。子どもが自転車で通える範囲が商圏となるため、地域密着型のアプローチが不可欠となります。
これらの特徴を理解せずに集客を始めると、的外れなアプローチで時間と費用を無駄にしてしまいます。
集客前の準備をしっかり行う
習い事教室の集客を成功させるには、活動を始める前に以下の5つの準備をすることが大切です。
1. 具体的な数値目標の設定
2. 年齢などを考慮したターゲット像の明確化
3. 教室周辺地域のリサーチ
4. 自教室の強みや魅力の言語化
5. 目標とターゲットに合わせた集客方法の選定
これらの準備を怠ると、送迎が困難な立地なのに子どもをターゲットにしたり、周辺に競合が多いことを把握せずに価格競争に巻き込まれたりする失敗を招きます。事前準備により効率的な集客活動の基盤を築けます。
集客のための3ステップを理解する
習い事教室の集客は、以下の3つの段階的なステップで進めることが効果的です。
・ステップ1:ターゲット層を絞った明確なテーマ設定
・ステップ2:チラシ作成や口コミを通じた知名度向上
・ステップ3:ポータルサイト活用などによる活動範囲の拡大
まずはコンセプトを明確化し、次にホームページやチラシで親御さんの心に響くメッセージを伝え、最後に検索対策で見込み客を集める流れです。
いきなり広範囲への宣伝から始めたり、ステップを飛ばしたりすると、メッセージが曖昧になり期待する効果を得られないでしょう。順序立てた取り組みが成功の鍵となります。
習い事教室の効果的な集客方法

子ども向け習い事教室の集客は、一般的な教室経営とは異なる特徴があります。教室を選ぶのは親御さんでありながら、実際にレッスンを受けるのはお子さんという構造や、自転車で通える範囲に限定される商圏など、独特の課題に対応した戦略が必要です。
効果的な集客を実現するためには、オンライン戦略とオフライン戦略を組み合わせ、さらに競合教室との差別化を図ることが重要となります。
オンライン戦略で集客力を高める
デジタルツールを活用した効果的な集客戦略として、以下にその手法をまとめました。
オンライン戦略を組み合わせる際は、見込み度の高い顧客に効率的にアピールできる点を活かすことが大切です。SEO対策とMEO対策、YouTube動画での検索対策により、習い事を探している地域の人々に多角的にアプローチできます。
コストがかからない手法を中心に取り組み、Web広告は他の手法と組み合わせて活用することで効果を最大化できるでしょう。

オフラインでの効果的な集客戦略
各オフライン手法は、子ども向け習い事教室の商圏が限られているという特徴を活かした効果的な集客方法となります。
特に近隣地域への直接的なアプローチができる点や、実際に教室を体験してもらうことで入会へとつなげやすい点が大きな利点です。
教室の規模や種類に応じて最適な手法を選択し、組み合わせることで集客効果を高めることができるでしょう。

差別化戦略で競合に勝つ
親御さんの本質的なニーズを理解することが差別化の第一歩となります。たとえば、空手教室の場合、親御さんは空手の上達よりも「しっかり挨拶ができる」「先生の話をしっかり聞ける」といったしつけ的な面を求めているケースが少なくありません。
現在通っている生徒の親御さんに「どうしてうちの教室に通おうと思ったのか」「実際に通ってみてどうか」といった質問をすることで、世の中の親御さんが求めているものが明確になります。教室の強みや特色を効果的に言語化するためには、このようなヒアリングから得られた情報を活用し、独自のコンセプトを見出すことが重要です。写真や動画を活用した視覚的なアピールも効果的で、文章だけでなく教室の雰囲気や指導内容を伝えることで、より強い印象を与えることができるでしょう。
送迎の課題が習い事教室の集客に与える影響

子どもの習い事で最もつらいこととして、アンケート調査で第1位に挙げられているのが「送迎」です。共働き家庭の増加により、限られた時間の中で送迎をどう組み込むかが重要な問題となっています。
送迎の負担は習い事を始める際の入会判断に大きな影響を与えており、送迎が困難であることを理由に習い事を諦める家庭が少なくありません。習い事が終わるまでの待機時間や、天気や体調が悪い日でも送迎を優先しなければならない状況は、保護者にとって大きなストレス要因となります。
送迎問題の解決は、新規入会の促進だけでなく、既存生徒の継続率向上にも直結する重要な課題といえるでしょう。
TOPPANの子ども送迎サービス「こどもび®」の活用法

TOPPANが提供する「こどもび®」は、タクシーの相乗りシステムを活用した革新的な子ども送迎サービスです。学童・習い事・自宅間の送迎を最適なルート設計で効率化し、相乗りにより料金を按分できるため保護者の負担を軽減できます。
安全面では子どもの乗降車時に保護者アプリへの通知、施設設置タブレットによる到着案内、ドライバーによる名前・行き先確認など充実したサポート体制を整えています。習い事教室にとって「こどもび®」の導入は、距離的な制約で通えなかった生徒層の獲得や他教室との差別化につながります。
保護者には安全性とコスト面でのメリットを強調し、教室の特色として送迎サービス提携をアピールすることで集客効果を高められるでしょう。
導入手順としては、まず対応エリアの確認と料金プランの検討から始め、保護者向け説明会の開催や体験利用の機会提供が効果的です。送迎サービスの安心感を前面に打ち出すことで、従来アプローチできなかった遠方の家庭からの問い合わせ増加が期待できます。
集客した生徒の継続率を高める方法

新規生徒の獲得に成功したら、次に重要なのは継続率の向上です。子ども向け習い事教室では、教室を選び月謝を支払う親御さんと、実際にレッスンを受けるお子さんという異なる立場の人が関わるため、両者のニーズを同時に満たす必要があります。
継続率の高い教室運営を実現するためには、親御さんが求める成果の提供とお子さんが楽しく通える環境づくりの両立が不可欠となります。
保護者と子どもの両方のニーズを満たす
継続率を高めるためには、最終的に親御さんのニーズもお子さんのニーズも両方満たしていく必要があります。親御さんのニーズを満たして入会してくださったとしても、お子さんが楽しく通えないと上達しないからです。いくら先生の指導力が高くても、お子さんのやる気がなかったりイヤイヤレッスンを受けていたら、上達や成長はあまり期待できません。
そして、親御さんのニーズが実際に目に見える成果として感じられなければ、親御さんとしては通わせる意義が薄れてしまいます。そうなると、通わせるのを辞めてしまわれるため、お子さんが楽しく通えて成果を出してあげることが大切になります。
口コミを増やす取り組みを行う
実際に通っている生徒や生徒の保護者からの口コミは、大きく集客に影響します。よい口コミを拡散してもらうには、レッスン内容の充実、高品質なサービスの提供など、満足度を上げることがポイントです。さらに、生徒や保護者への関わり方も大切になります。よい口コミを増やしていくことで、自然と生徒が増えるでしょう。
教室経営は、質の高いレッスンを提供することが一番大切なことだと思います。満足度の高いサービスを継続的に提供することで、保護者からの信頼を獲得し、口コミによる自然な集客効果を期待できます。
計画的な集客とフォローアップで成果を上げる
集客は十分な事前準備のもと、計画的に実施する必要があります。たとえばSNSを活用する場合、定期的な投稿や、ターゲットがSNSをみる時間帯を狙って投稿するなどの工夫が必要です。
また、集客は実施後効果を評価し、常に改善しながら進めることがポイントになります。やりっぱなしでは、効果的な集客につながらないため注意が必要でしょう。集客活動を継続的に行い、結果を分析して次の施策に活かすサイクルを確立することで、安定した生徒獲得と教室運営を実現できます。
まとめ
子ども向け習い事教室の集客成功には、教室を選ぶのは親御さん、レッスンを受けるのは子どもという特徴の理解が不可欠です。事前準備として目標設定やターゲット明確化を行い、オンライン・オフライン戦略を組み合わせた3ステップでの集客展開が効果的となります。
送迎問題は集客の大きな障壁となるため、TOPPANの「こどもび®」などの送迎サービス活用により商圏拡大と差別化を実現できるでしょう。新規獲得後は保護者と子ども双方のニーズを満たし、口コミ増加と計画的なフォローアップで継続率を高めることが重要です。
2025.08.01