デジタルヘルスケアとは?
IoT技術の活用例をご紹介!健康管理推進にも寄与
少子高齢化が進むいま、医療費削減のためにも個人の健康増進は欠かせないものとなっています。それに関連してヘルスケア分野のサービスも増加していますが、特にデジタル技術の導入活用が進み、サービスの質が大きく向上しています。
今回は、デジタルヘルスケアをテーマに、分野別の具体例と共に、よく利用されるIoT技術とその活用例、デジタルヘルスケアが生み出すメリットを解説します。
<目次>
■デジタルヘルスケアとは? 市場拡大の背景
■デジタルヘルスケアの分野別の具体例
■デジタルヘルスケアで利用される技術~IoT技術と活用例
■デジタルヘルスケアにおけるIoT技術が生み出すメリット
■まとめ
■デジタルヘルスケアとは? 市場拡大の背景
デジタルヘルスケアとは、ヘルスケアの分野にデジタル技術を活用することを指します。
ヘルスケアとは、健康の維持や増進のための行為や健康管理の全般のことを指し、医療・介護分野と健康増進・予防分野に分かれます。すでにさまざまなサービスや商品が提供されており、ヘルスケア市場は国内外でも大きいものとなっています。
近年、ヘルスケア市場のうち、デジタルヘルスケア市場も世界的に伸長しています。その背景として、デジタル技術の進歩と共に、人々の健康意識の高まりが挙げられます。
日本では少子高齢化により2025年には団塊の世代が75歳以上になることから、超高齢化社会に突入することに伴い、医療費が毎年増加していることから国の負担も増大しています。医療費削減・抑制の必要性からも、国民一人ひとりが自ら健康管理を行い、少しでも長く健康でいられる期間である「健康寿命」を延ばすヘルスケアの観点は、非常に重要なものとなります。
デジタルヘルスケアは、ヘルスケアをより質の高いものにする可能性があることから、大きな注目を集めています。
■デジタルヘルスケアの分野別の具体例
デジタルヘルスケアは、近年、さまざまな分野で利用が進んでいます。医療・介護分野と健康増進・予防分野それぞれの具体例を見ていきましょう。
医療・介護分野
・電子カルテ
・AI活用による問診・画像診断
・VRによる手術技術向上
・オンライン診療・処方せん薬宅配サービス
・PHR(Presonal Health Record)
・IoTによる生体データの取得
・VRによるリハビリ
医療分野ではカルテの電子化をはじめ、診療におけるAI(人工知能)やIoT、VR(バーチャルリアリティ)技術の活用やオンライン化などが進められています。
また診察結果や健康診断の結果、服薬歴などの病院や薬局ごとに保存・保管している個人の医療データであるPHR(Presonal Health Record)の利用も検討されています。
介護やリハビリの分野においても、IoTやVRにより、生体情報のセンサーによる取得によるデータ活用も行われています。
健康増進・予防分野
・ウェアラブルデバイスによる生体データ取得
・個人向けヘルスケアアプリ
日常生活における健康増進・予防分野では、腕時計型やメガネ型などの身体に装着するウェアラブルデバイスが代表的な例です。生体データを取得し、個人が自身のスマートフォンでデータ管理しながら健康管理を行っていくことができます。
また個人向けのヘルスケアアプリも登場しており、例えばチャットによる健康医療相談やオンライン診療の予約や受診、病院検索、一般用医薬品などの購入といった機能が備わっていることから、あらゆる角度から健康増進や予防に役立てられます。
■デジタルヘルスケアで利用される技術~IoT技術と活用例
デジタルヘルスケアの領域のサービスや商品で利用される技術の一つに、IoT技術があります。技術の概要と共に、活用例も合わせて見ていきましょう。
IoT技術とは
IoT(Internet of Things)は、日本語にすると「モノのインターネット」と訳され、さまざまなモノがインターネットにつながる技術のことを指します。IoT技術は、主にモノを操作する(遠隔制御)、モノの動きを感知する(モニタリング)、モノの状態を把握する(監視・予知)、モノ同士を通信する(データ連携)ことが可能です。
デジタルヘルスケアにおけるIoT技術の活用例
デジタルヘルスケア領域では、IoT技術は次のような用途で活用されています。
【医療・介護分野】
●患者の安全管理
入院患者や介護施設の利用者向けに、ベッドマットレス下に敷くセンサーやカメラを利用し、生体データや状態変化データを取得して、インターネットを通じてデータをモニタリングすることで状態変化や離床検知、転倒転落予防を実現しているケースがあります。またRFIDやICなどのタグ付きのリストバンド装着により、離棟予防などにも役立てられています。
【関連サービス】
●業務改善・効率化
近距離無線通信技術であるBluetoothの規格の一種であるBLEに対応した体温計や、パルスオキシメーターなどによる自動バイタル入力、生体データを取得できるIoTデバイスとナースコールを連携させ、異常値が出ればアラーム連携する仕組みも活用されています。
●治療
治療分野では、IoTによってビッグデータを収集し、医療機関のサーバーに蓄積した上で、AIによるゲノム診断や画像診断、治療方針の策定に役立てる試みが行われています。
●医療機器の遠隔モニタリング
大病院などでは、エコーなどの持ち運びできる医療機器について、院内で誰が使用しているか不明という課題があります。そこでIoTデバイスを用いて医療機器の電流値をセンサーでとらえることで医療機器の使用状況、例えば稼働中、充電中、休止中等をリアルタイムに把握できる仕組みが利用されています。
【健康増進・予防分野】
●ヘルスケアデータ収集・個人の健康管理
ウェアラブルデバイスや体脂肪計などを介して、ユーザーの血圧や脈拍、睡眠時間などのヘルスケアデータを取得し、個人がアプリなどを通じて確認したり、それらを分析して自身の健康状態を把握したりすることで、個人の健康管理に役立てることができます。
例えば、IoT住宅にloTデバイスを導入し、生体データを取得することで自身のスマートフォンアプリで結果を管理できるサービスもあります。
TOPPANのIoT住宅健康管理サービス「cheercle(チアクル)」は、床埋め込み型体組成計「cheercleメーター」とタッチ操作が可能なIoTミラー「cheercleミラー」を組み合わせ、洗面空間で身体データを計測できます。
収集したデータは独自開発のクラウドに蓄積し、解析・アドバイスコメントをミラーやスマホアプリを介してユーザーへ届けることで、健康管理の習慣化を促します。
【関連サービス】
■デジタルヘルスケアにおけるIoT技術が生み出すメリット
ヘルスケアにIoT技術が活用されることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。
医療・介護従事者の負担軽減とサービスの質向上
IoT技術の導入によって業務の自動化が進めば、医療従事者や介護従事者などの業務負担軽減や業務効率化につながります。その分、コアとなる医療・介護サービスへより一層注力できるようになり、サービスの質が向上することが期待できます。その結果、より人々の健康増進に寄与するでしょう。
健康管理のしやすさによる生活習慣病の予防促進
IoT技術によって個人一人ひとりが自身の健康管理を手軽に行いやすくなったり、自身の状態をデータで客観的に閲覧できたりするようになれば、日々の生活が大きな影響を及ぼす生活習慣病の予防につながります。結果的に、健康寿命の延伸および医療費削減に寄与すると考えられます。
■まとめ
デジタルヘルスケアは、今後もデジタル技術の発展やサービス利用の浸透により、さらに発展していくことが期待されています。
デジタルヘルスケアのサービス開発や導入をご検討されている方は、ぜひTOPPANにお声がけください。独自のセンシング技術により、介護サービスの質向上や健康増進に役立てていただけるサービスをご提供しております。ぜひお気軽にご相談ください。
2024.08.28