コラム

IoT住宅とは?
導入による効果やスマートホーム・
スマートハウスとの違いについて解説!

暮らしの中であらゆるモノがインターネットにつながることにより、私たちの生活を快適なものにしてくれるIoT。住宅に取り入れることによって、どのような効果が生まれるのでしょうか。
今回は、IoT住宅の概要からIoT住宅でできること、導入効果、導入方法まで解説します。


<目次>

■IoT住宅とは?
■IoT住宅とスマートホーム・スマートハウスの違い
■IoT住宅でできること
■IoT住宅の導入効果
■IoT住宅の導入方法
■まとめ


■IoT住宅とは?

IoT住宅とは、IoT技術を取り入れた住宅のことです。
住まいをとりまくあらゆるモノがインターネットにつながることで、便利で快適な暮らしを実現します。

IoTとは

IoT(Internet of Things)は、日本語にすると「モノのインターネット」と訳され、さまざまなモノがインターネットにつながる技術のことを意味します。
モノとは、住宅に関係するものでいえば、エアコンや掃除機、洗濯機、テレビ、照明、玄関の鍵などの家電や住宅設備を指します。

IoTでは、主に次の4つのことが可能になります。

・モノを操作する(遠隔制御):離れたところにあるモノを操作

・モノの動きを感知する(モニタリング):離れた場所にあるモノを監視

・モノの状態を把握する(監視・予知):機器から収集したデータを用いて異常を監視・予知

・モノ同士を通信する(データ連携):離れたモノ同士が通信し、データを送受信

IoT住宅においては、IoT技術を用いることで、テレビやエアコン、照明、玄関の鍵、防犯カメラなどのさまざまな家電や住宅設備同士の連携が可能になり、より快適で便利な生活空間を実現することができます。

例えば、外出先からスマートフォンでエアコンや照明の操作をしたり、玄関の鍵や室内設置の見守りカメラを通じて家のセキュリティを監視したりすることが可能です。


■IoT住宅とスマートホーム・スマートハウスの違い

IoT住宅の理解を深めるために、近年、よく耳にするスマートホームやスマートハウスとの違いを確認していきましょう。

まずはじめに知っておきたいのは、IoT住宅とスマートホームとスマートハウスは近年、同意義で用いられることが多くなっていることです。それを踏まえた上で、違いを確認しておきましょう。

スマートホームとは?

経済産業省はスマートホームを次のように定義しています。

スマートホームは、「子育て世代、高齢者、単身者など、様々なライフスタイル/ニーズにあったサービスをIoTにより実現する新しい暮らし」であり、IoTに対応した住宅設備・家電機器などがサービスと連携することによって、住まい手や住まい手の関係者に便益が提供されます。


要約すると、スマートホームは「IoT家電や設備と各種サービスを連携させた利便性の高い暮らし」となり、IoT住宅と似た意味となります。

しかしIoT住宅はあくまで「IoT技術を利用した住宅」という概念にとどまり、「仕組み」を指しています。「暮らし」という意味合いはスマートホームより薄いといえるでしょう。

スマートハウスとは?

一方、スマートハウスは、ITを使って家庭内のエネルギー消費を制御する家を指します。

エアコンやテレビ、冷蔵庫などの家電や照明、トイレ・風呂周辺機器などをネットワークで接続し、家庭エネルギー管理システムである「HEMS(ヘムス/Home Energy Management System)」を通じて各家電や機器の稼動状況や電力消費動向を常時制御して、エネルギー消費を最適化する仕組みを持ちます。

エネルギーを制御することで省エネを目指します。省エネとはエネルギーのムダを省いて効率的に使う取り組みです。

また太陽光発電や蓄電池を住宅に導入し、エネルギーの創エネや蓄エネを目指すことも行われています。創エネとは主に電気を自ら創る取り組み、蓄エネとは電気を蓄える取り組みです。

家電や設備をネットワークで接続する点は、スマートホームやIoT住宅と同様ですが、主な目的が省エネであること点が異なります。

スマートホームでも省エネを目指すことはありますが、主な目的は生活の利便性を向上させることです。
またスマートハウスは「ハウス」、つまり物質的な「家」という意味合いが強いため、スマートホームよりは「暮らし」の意味合いは薄いでしょう。

しかし近年は、スマートホームとスマートハウスとIoT住宅はほぼ同意義で用いられるようになってきています。互いに融合し、IoTを活用することで利便性と省エネの両方が目指される家や住宅、暮らし方が今後、普及していくと考えられます。


■IoT住宅でできること

IoT住宅では、4つのIoT技術によって、具体的にどのようなことができるのか、確認しておきましょう。

モノを操作する(遠隔制御)

・スマートフォンでエアコンの温度や風量を調節する
・スマートフォンで洗濯機の運転を開始する
・スマートフォンで家の鍵を開け閉めする

主にスマートフォンに専用アプリをインストールし、そのアプリを操作することで、外出先からであっても、インターネットを通じて自宅の家電や住宅設備を操作できます。

例えば子どもやペットが留守番している部屋のエアコンを制御したり、帰宅途中にお風呂を沸かすスイッチを入れておき、帰宅後はすぐにお風呂に入ることができる状態にしたりすることもできます。

モノの状態を把握する(監視・予知)

・外出先から家の鍵の施錠状態を監視する
・外出先から室温を監視する

状態の確認も可能です。例えば外出先で家の鍵の閉め忘れがないか不安になった際に、スマートフォンを通じて鍵が閉まっているか確認できます。
また子どもやペットなどが留守番している際に、室温は適正に保たれているかを遠隔から確認することができます。

モノ同士を通信する(データ連携)

・スマートスピーカーに話しかけると照明が点灯する
・洗濯機の運転が終わったら、テレビにプッシュ通知が届く

住宅内のあらゆるモノ同士を連携させることができます。例えばスマートスピーカーに家電や住宅設備を紐づけておけば、ボタンやリモコンを手で操作しなくても、話しかけるだけで音声によって操作ができます。

また洗濯機とテレビをつなげておくことで、洗濯機の運転終了をテレビ画面上に通知することもできるため、テレビに集中していて洗濯機の運転終了をうっかり見過ごすといったことも防ぐことができます。


■IoT住宅の導入効果

IoT住宅を導入することにより、次のような効果が期待できます。

暮らしの利便性・快適性を向上

遠隔から鍵や家電などをコントロールできるようになることで生活が便利になり、忙しい毎日の中でも快適に過ごすことができます。家事や育児、見守りといった行動全般を効率化できます。

ホームセキュリティの強化

鍵の制御や不審者監視などの技術を用いることにより、ホームセキュリティを強化することができます。より安全な暮らしにつながるでしょう。

家族の安全と安心の向上

ホームセキュリティのほか、家族やペットの見守りや安否確認が実現することにより、安全で安心な暮らしを実現します

データ活用による暮らしの最適化

IoTによってモニタリングや監視を行うデータは、ただ可視化するだけでなく、活用していくこともできます。例えば電気の使用量を可視化し、使いすぎている部分を見直すことで、電気代の節約や省エネへの取り組みも進められるでしょう。

また収集したデータを家族の健康管理に活用することも可能です。

例えば IoTの仕組みを持つTOPPANの「cheercle®︎(チアクル)」は、洗面所の床に体重や体脂肪、肌温度などを取得できるセンサーを埋め込み、人が立つだけで、洗面所のミラーに計測された数値を表示することができます。手持ちのスマートフォンでもミラー表示と同じ内容が確認できるため、自ら健康管理を身近に行うことができます。結果的に、家族の健康の増進につながります。


■IoT住宅の導入方法

IoT住宅を導入する方法は、ケースによって変わってきます。

住宅を新たに購入・建築する場合

これから新たに住宅を購入する場合には、IoTが導入された建売住宅、マンションなどを購入すると良いでしょう。注文住宅の建築を予定している場合には、はじめから必要なIoT家電や設備を取り入れた設計を行いましょう。

既存住宅に導入する場合

現在、住んでいる場所をIoT住宅に進化させるには、戸建て・マンションなど自己所有の住宅においてはリフォームを行い、配線・電源などの環境整備とIoT家電や設備を導入する方法が考えられます。

賃貸物件においては、工事不要なIoT機器の導入が考えられます。例えば、工事なしでスマートフォンから玄関の鍵を制御できるスマートロックがあります。また電球一体型の防犯カメラを取り付けたり、スマートスピーカーなどの家電制御を後付けできたりするものを導入することも一案です。


■まとめ

IoT住宅は私たちの暮らしを快適かつ利便性高く進化させてくれます。データ活用によって健康管理をはじめとしたさらなる生活の質向上を目指すことが可能になるでしょう。

TOPPANの「cheercle®︎」はIoT住宅設備の一つとして暮らしの質向上と人々の健康管理の習慣化に役立ちます。詳しい情報は、サービス紹介ページをご覧ください。

2024.08.28

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