コラム

スマートホームとは?
導入による暮らしの変化

近年、注目を集める「スマートホーム」。「耳にしたことはあるけれど、実際、どんなことができるの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。スマートホームとは、IoT技術により便利で快適な生活を送ることができる機能が付いた住宅のこと。今後、さらに日本でも認知が広まり普及していく可能性があります。
そこで今回は、多様なスマートホームシステム製品の種類や導入メリット、導入のポイントをご紹介します。生活者にとっても事業者にとっても有益な未来を提供するスマートホームについて、ぜひ理解を深めましょう。


<目次>

■スマートホームとは
■おすすめのスマートホームシステム製品
 1|Life Assist2(ライフアシスト2)
 2|HOMETACT(ホームタクト)
■フロア別スマートホーム製品の活用事例
 玄関
 リビング
 洗面所
■スマートホーム導入によるメリット
■スマートホーム導入のデメリット
■スマートホームを導入する際の注意点
 新築の場合
 賃貸の場合
■スマートホームに潜むセキュリティリスク
■快適なスマートホームを実現するためのポイント
■まとめ


■ スマートホームとは

スマートホームとは、家庭内の電化製品や住宅設備をインターネットでつなぐことで、便利で快適な生活を実現する住宅や暮らしのことを指します。IoT技術を活用し、スマートフォンやタブレット、スマートスピーカーなどのデバイスを用いて電化製品や住宅設備などを接続して、操作や設定を行います。

将来的には、住まいの中だけに留まらず、「都市OS」という膨大なデータを蓄積・分析するプラットフォームと連携することで、地域の店舗や施設、行政とも連動した快適なサービスの実現も期待されています。

日本におけるスマートホームの普及率はどのくらいなのでしょうか。総務省「通信利用動向調査」(令和3年) によれば、2020年のスマート家電の世帯保有率は7.5%で、認知は進むものの、普及率は低い状況です。
しかし、アメリカではスマートホームの普及が急速に進んでいるといわれており、その流れを汲み、日本でも今後導入が進む可能性は大いにあります。


■ おすすめのスマートホームシステム製品

スマートホームシステムはどんどん進化を遂げています。国内で注目されているおすすめのスマートホームシステム製品を2つご紹介します。

1|Life Assist2(ライフアシスト2)

株式会社LIXILの「Life Assist2(ライフアシスト2)」は、インターネットに住宅設備・家電などの機器をつなげるだけで、マイホームがスマートホームになる製品です。住宅設備や建材、 電機器や各種センサー、カメラなどの対応機器と通信して、操作や制御を行うためのゲートウェイ「ホームデバイス」を設置します。
直感的に分かるスマートフォンアプリを操作したり、 スマートスピーカーへひと声かけたりすると住宅設備や建材、 家電をコントロールできます。また、独自のルール設定で設備や家電を一斉操作したり、自動で浴槽のお掃除からお湯はり、暖房までをアシストしてくれたりと、暮らしに便利な機能が満載です。

2|HOMETACT(ホームタクト)

三菱地所株式会社 の「HOMETACT」は、日本の住環境に導入しやすく、使いやすさも重視された、生活者 と事業者双方にとってのメリットが考えられたスマートホームシステムです。直感的かつユーザーフレンドリーなユーザーインターフェースで、初めてでもストレスなく利用できるほか、メーカー横断で IoT機器が連携できるなど便利な仕様です。
アプリのタップ操作や音声で、複数のIoT機器を同時に動かすことができる「シーン」機能 や、複数のIoT機器の自動実行が可能となることで生活ルーティンにあわせたスマートライフが近付く「マイルール」 機能など便利機能も備わります。
またHOMETACTは独自のIoT機器を販売しておらず、デベロッパーやハウスメーカー等が施工した機器を、機器メーカーのクラウドを介してつなぎ合わせる仕組みである点が特徴です。これにより、生活者と事業者双方へのストレスが軽減されるため市場への広がりが期待されています。


■フロア別スマートホーム製品の活用事例

スマートホームの技術は住まいのあらゆる場所で活用されています。
ここでは、フロア別のスマートホーム製品の活用事例をご紹介します。

玄関

玄関やエントランスで活用されることが多い代表的なスマートホーム製品としては、「スマートロック」と「玄関照明」があります。

●スマートロック
スマートロックとは、スマートフォンやタブレットを用いて鍵の解施錠が行うことができるシステムです。これにより、鍵の紛失の心配がなくなるほか、合鍵の生成/管理なども厳重に行うことができるようになるためセキュリティの向上も期待できます。また、遠隔操作により自宅から離れた場所にいる場合でも鍵を解錠することができるので、利便性も大きく向上します。

●スマート電球
スマート電球とは、様々な機能が付いた電球のことです。Wi-FiやBluetoothを使ってスマートフォンなどと連携させることで、タイマーでセットした時間に合わせて照明のオン/オフを制御したり、ライトの明るさや色などを調整したりすることができます。


リビング

リビングでは、先ほど紹介したスマートホームシステムにより、住宅設備や家電をインターネットにつなぐことができる製品が活用されています。具体的には、エアコンの調整、カーテンの開閉、テレビのチャンネル変更や音量調節、照明の調節などが挙げられます。

洗面所

洗面所で活用されることが多い代表的なスマートホーム製品としては、「IoTミラー」があります。

●IoTミラー
IoTミラーとは鏡の裏側にディスプレイが組み込まれており、タッチパネルで操作可能な鏡のことを指します。鏡をタッチするだけで体温、体重、血圧などの健康管理を行うことができるものや、気温やニュースを手軽にチッェックできるものなどがあります。TOPPANでは、毎日の健康管理が手軽に行うことができるIoT住宅健康管理システム「cheercle」を提供しています。


■ スマートホーム導入によるメリット

スマートホームを導入することによって、コンシューマーである生活者や導入事業者は次のようなメリットが期待できます。

家事の負担軽減

スマートホームでは、照明やエアコン、掃除機などの操作を音声や遠隔から行えます。両手がふさがっている状態で家電の操作ができたり、外出先からスマートフォンで家電の操作ができたりすることで、細かなタスクの多い家事の負担軽減につながります。

省エネにつながる

照明や家電製品のコントロールを自動化したり、手持ちのスマートフォンでON・OFFの切り替えを行ったりすることで、省エネにつながる可能性があります。
エネルギー管理という観点からは『HEMS(ヘムス/Home Energy Management System)』と呼ばれる、家庭で使用するエネルギーを管理するシステムを導入することで、家庭の電力の最適化を図ることができるスマートホームもあります。

ホームセキュリティの強化

カメラやセンサーを設置し、いつでも確認できる状態を作り出すことで、子どもや高齢者、ペットの見守りや住まいの防犯対策などのホームセキュリティを強化することができます。

健康管理

スマートホームで実現できることの一つに、健康管理もあります。例えば、睡眠センサーから送信される睡眠状態のデータに合わせて空調が制御されることで、より深い睡眠を得やすくなったり 、洗面化粧台に立つだけで、床に埋め込まれた体重計で現在の体重が自動で計測され、その数値が目の前の鏡に表示されるシステムもあります。このように、従来ではできなかった次世代の健康管理が実現します。

居住者の生活リズムに合わせたサービス提供

スマートホームでは、居住者の生活リズムに合わせたサービス提供が可能になります。例えば、「家から○mの距離まで近付いたらエアコンの電源をONにする」「毎日○時になったら自動でカーテンが閉まり、照明が点灯する」などのルールを設定しておくことができます。


■スマートホーム導入のデメリット

スマートホーム導入によるデメリットについては以下の例が挙げられます。

依存性の増加

スマートホームを使用することで、従来の方法よりも便利に生活することができますが、これにより、スマートホームに依存してしまう恐れがあります。
リモコンやボタンによる操作が不要になることで便利なことが当たり前になってくると、万が一スマートホームが故障したり、停電により機器が使えなくなった場合には、従来の生活が不便に感じてしまうことがあります。

高いコスト

スマートホームの導入には、専用のデバイスやシステムを購入する必要があります。これらのコストは、従来の家庭用電化製品よりも高くなる可能性があります。また、専門的な設置やメンテナンスにも費用がかかるため、維持費も高くなる可能性があります。

障害リスク

スマートホームは、電気や電子機器を中心に構成されているため、障害が発生する可能性があります。たとえば、停電やネットワークの障害、デバイスの故障などが挙げられます。これらの障害により、スマートホームの機能が停止したり、不具合が発生したりする可能性があります。また、障害が発生した場合には、修理や交換が必要になるため、コストがかかることもあります。


■スマートホームを導入する際の注意点

スマートホームを導入する際の注意点を「新築」と「賃貸」の場合でそれぞれ解説します。

新築の場合

⑴設計段階での検討が必要
スマートホームを導入する場合、設計段階での検討が重要です。設備や配線、制御システムなどを事前に考慮し、必要な工事を行うことで、後からの追加工事や費用を抑えることができます。

⑵互換性
スマートホームを導入する際には、各種機器やアプリケーションの互換性を確認する必要があります。特に、異なるメーカーの製品を組み合わせる場合には、相性の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。

⑶セキュリティ対策を徹底する
スマートホームには、インターネットに接続された機器が多数存在します。そのため、セキュリティ対策を徹底することが重要です。パスワードの強化や暗号化通信の利用、不正アクセス対策などを行い、セキュリティリスクを最小限に抑えるようにしましょう。

賃貸の場合

⑴設置の可否の確認
賃貸住宅には、設置が制限される場合があります。特に、建物の構造や設備によっては、スマートホームを導入することができない場合があります。そのため、事前に大家さんや管理会社に設置の可否を確認することが重要です。
また、導入可能な場合でも、設置にあたってのルールや注意事項などがある場合が多く、事前に話し合い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

⑵引っ越し時の対応を考える
賃貸の場合は、将来的に引っ越す可能性もあるので移動時の対応を考えておく必要があります。機器の移設や解体、修復などを考慮しておくことがポイントです。


■スマートホームに潜むセキュリティリスク

スマートホームの導入にはセキュリティリスクがあり、リスクを軽減させるための対策が必要です。

ハッキングやサイバー攻撃

スマートホームに接続されたデバイスやネットワークにハッカーが侵入し、プライバシーやセキュリティを侵害する可能性があります。スマートホームに接続されたデバイスには強力なパスワードを設定する必要があります。

デバイスのセキュリティ脆弱性

スマートホームデバイスは、標準のセキュリティ機能を持っていない場合があり、そのためハッカーが簡単にシステムを乗っ取ることができる可能性があります。
スマートホームのメーカーはセキュリティを脆弱性を修正するために、ソフトウェアのアップデートを定期的にリリースするケースが多いです。定期的なアップデートでセキュリティリスクを軽減させましょう。

セキュリティ意識の不足

家族でスマートデバイスを使用する場合、子供などはセキュリティへの意識が低く、それにより脅威に晒される場合があります。サイバー攻撃についての危険性を学び、日ごろからセキュリティへ意識を向けることが重要となります。


■ 快適なスマートホームを実現するためのポイント

スマートホーム化の実現のためにはいくつか確認すべきことがあります。例えば、次のポイントは最低限、押さえておきましょう。

インターネット環境の整備

スマートホームを導入するにはインターネット環境が必要です。家庭でのインターネットの構築方法は複数ありますが、無線LANによる接続が理想的です。ルーターを利用して無線接続することで、スマートホームを実現しやすくなります。

サイバーセキュリティ対策

スマートホームでは、あらゆるものがインターネットにつながることで便利な反面、インターネットセキュリティのリスクも高まります。特にIoT機器はサイバー攻撃の標的になりやすく、一般家庭の生活者は誤操作も起こしやすいことから、危険視されています。スマートホーム向け事業者にとってはもちろんのこと、生活者にとっても一つ一つのセキュリティは十分に準備・確認しておく必要があります。

生活パターンに合わせた導入計画

スマートホームは、先述のように居住者の生活リズムに合わせたサービス提供が可能になります。あらかじめ生活パターンに基づいた導入計画を練ることで、生活がより便利で快適になるスマートホームを実現できます。


■ まとめ

スマートホームは日本でも導入しやすいシステムが続々と開発されていることもあり、この先、導入が進んでいく可能性が大いにあります。導入事業者にとっても注目の分野といえるでしょう。

TOPPANの「cheercle(チアクル)」は、スマートホームの健康管理を実現するサービスです。洗面化粧台のミラー の前に立つだけで、体重や体脂肪、肌温度等を取得し、ミラーやスマートフォンで身体データを見える化し確認することができます。今後、スマートフォンや ウェアラブル端末とのデータ統合、日々のデータを基にした健康レポーティング、医療相談や遠隔医療サービスとの連携など予定しており、健康管理を進化させる要素をさらに増やしていきます。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

2023.12.20

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