コラム

これからの学びに求められる
「自己調整学習」に必要な3つのポイント

新学習指導要領では「主体的に学習に取り組む態度」を評価する方法の一つとして「自らの学習を調整しようとする側面」が示されました。また、文部科学省の令和3年答申では「児童生徒自身が自己調整しながら学習を進めていくことができるよう指導することの重要性」が指摘されています。
こうしたこれからの学びの姿勢として求められる「自己調整学習」の実践に必要な3つのポイントや注意点について、見ていきます。


目次
1.自己調整学習とは
2.自己調整学習のメリット
3.自己調整学習を進めるうえでの注意点
4.自己調整学習をサポートする「navima(ナビマ)」

1.自己調整学習とは

自己調整学習とは、1990年代からアメリカを中心に研究が進められている「自分自身の学習活動に能動的に関わり、自らの学習を調整するという学び方」です。学ぶ方法や手段、進め方などを子ども自身が試行錯誤しながら、「このやり方は合わなかったから今度はこちらの方法を試してみよう」「自分にはこの学び方が合っている」と調整しながら、自律的に深く学べるようになることをめざします。

学習者が能動的に学習に取り組むには、「動機づけ・学習方略・メタ認知」という3つのポイントが重要とされています。
「動機づけ」は、例えば適切な目標を設定したり、自分のモチベーションを上げるための条件を知ったりすること。「学習方略」とは学習方法のことで、何を使って、どんな風に理解したり、暗記したりするやり方が自分に合っているのか試しながら把握していきます。「メタ認知」は、客観的な視点で自分の状況や状態を把握することなどが挙げられます。
こうした自分にとって最適な学び方ができるように調整するためには、ICT環境も活用し、子ども一人ひとりの学習進度や理解度などに合わせた指導方法や教材、学習時間などの柔軟な設定を行うなど、「個に応じた指導」を充実させることが重要とされています。

2.自己調整学習のメリット

学校現場で自己調整学習を取り入れるメリットとして、以下のような点が考えられます。

1.自分に合ったペースで学習できる
自己調整学習では、自分の理解度や進捗に合わせて学習のペースを調整できます。理解できている部分は先に進められ、難しい部分は時間をかけてじっくり取り組むことができます。

2.目標や自己評価がモチベーションにつながる
自分で決めた目標やめあてであればがんばりやすく、達成状況の振り返りもしやすいというメリットもあります。また、目標に対してどの程度進んでいて、どの程度理解できているかといった自分の進捗を見極める力も身に付きます。

3.興味や関心に基づいて学習する
自己調整学習であれば、まずは自分が興味を持っている分野や取り組みたい問題に重点的に取り組むことで、学習がより楽しくなり、モチベーションも向上することが期待されます。

4.「やり方を変えてみよう」と思える
勉強がうまくいかないときも、自己調整学習が身に付いていれば「できない」ではなく「やり方を変えてみれば自分に合った方法が見つかるかもしれない」と考えられるようになります。

3.自己調整学習を進めるうえでの注意点

次に、学校での指導において、自己調整学習を進めていくうえで注意すべき点についても考えてみます。

1. いきなり手を離さない
やり方を教えないまま「自己調整学習に取り組んでみよう」と任せてしまうと、学習意欲が高くて学力も高い子どもなら自ら進んで学習できますが、勉強のやり方がわからない子どもは学習しない状況が生まれ、結果的に学力差がどんどん開いてしまう懸念があります。
そのためいきなり子ども任せにせず、「学習方略」を教えたり目標を一緒に考えたりするなど、自然と学びに向かえて迷わず学習に取り組めるようにガイドする必要があります。
また、指導がない状態で自己調整学習を進めてしまうと、間違えた部分を飛ばしてしまったり、「わかったつもり」で進んでしまったりする場合も。新しい分野や難しいテーマを扱うときには「指導」と「確認」のプロセスが重要です。

2.適切な目標設定ができるように支援する
自己調整学習を進めるうえで、目標設定は非常に重要です。何のために取り組むのか、どれぐらいのペースで取り組むのか、どんな成果を達成したいのかといった目標を決める際に、「自分にはできた」という自己効力感や成功体験を得られるレベルで設定されているかは重要です。そのため、少しがんばれば達成できそうな目標はどのあたりか、客観的なアドバイスも参考にして決められるようにサポートする必要があります。動機づけがうまくできれば子ども自身で「うまく達成できなければ調整すればいい」と思えるようになるはずです。

4.自己調整学習をサポートする「navima(ナビマ)」

自己調整学習において、目標に対して到達度合いや理解度を確認しながら進めるプロセスが重要になります。個別最適な学びを支援するデジタル学習サービス「navima」なら、日々のがんばりが可視化され、学習すればするほどキャラクターやトロフィーが変化するなど達成度を振り返ることができるため、学習意欲が高まります。 デジタルドリルでは、つまずきに対して類題や基礎問題などを出題するため、“一人で解く”をサポートし、「わかったつもり」やあやふやをそのままにしません。

小中学生向けデジタル学習プラットフォーム「navima」についてもっと詳細が知りたいという方は、ぜひお問い合わせください。

2024.06.07

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